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その6


そして次の日学校に行く最中に凛が待っていた。


「遅ーい! 私瑛太が来るまでずっとここで突っ立って待ってたんだよ?」


「待っててなんて頼んでないから先に行けばいいのに」


「何その言い草? 私がここで待ってる間、何してるんだろうこの子?って感じで他の人に見られてたんだから」


「なら尚更先行けばいいのに」


「私は友達思いなの。 それに私と一緒に行けば岸本さんと付き合った時一緒に並んで歩く時の予習にもなるでしょ?」


「お前そこまで考えてたのか……」


「偉いでしょー? 褒めて褒めて」


「はいはい、こんなに俺の事考えてくれる凛が友達で本当に良かったなぁ」


「若干棒読みなような気がするんですけど?」


「あ、バレた?」


「ほうら、これだ。 てかさ、私の写メ見てくれたでしょ?」


「ああ、あれね」


「どうかな? 可愛かった? 」


凛が少し下を向いて恥ずかしそうに聞いてきた、こいつもそういうの聞くの恥ずかしいのか。


「まぁもともと凛は可愛いと思うから何着ても似合うんじゃね?」


「本当? えへへ、瑛太にしてはまともな感想じゃない」


「まともな感想しないで答えて欲しかったのか?」


「そんなわけないじゃん! 素直に嬉しい!」


凛は本当に嬉しいのか俺の腕をぐいぐい引っ張り照れ隠しをしていた。


そして教室に着くと岸本が俺の姿を見てこちらに近付いてきた。


「おはよう広瀬君、長浜さん」


「おはよう岸本、土曜日は楽しかったよ、LINEもありがとな」


「え? いいよいいよ、だって私も広瀬君と仲良くなれるきっかけがあって良かったと思ってるし」


「俺も岸本と仲良くなれて嬉しいよ」


岸本がそんな事言ってくれるなんて俺は思ってもいなかったので心の中でガッツポーズを取った。


対する凛はニコニコしているけどさっきから一言も話さない。 こいつのそういう時は何かイライラしている時だ。 そして岸本は凛に話を振った。


「長浜さんとも仲良くなれてよかったよ、広瀬君来る前に私とお喋りしてくれてね、普段私とあまり話とかしてなかったから長浜さんってとっても明るくて楽しいなって」


「うん、私も岸本さんとは仲良くなりたいなって思ってたから! その内私達で遊びに行ったりしようか?」


「それいいね! あ、そういえば広瀬君今度空いてる日とかあったらどこかカフェとか行かない? ここら辺に結構人気な所あってね」


それを聞いた瞬間前に凛と行ったカフェかな? と思った。 さすが凛、女子が好きそうな所は押さえてる。 凛と友達で本当に良かった。


「それってもしかしてこの辺の?」


「え、 知ってるの? 広瀬君もそういうとこ好き? だったら嬉しいなぁ」


岸本のそれを聞いて凛が俺の腕をツンツンと突く。 そう答えろって事なのかな?


「ああ、そうだな。 前から行ってみたいって思ってたんだ」


「やった! じゃあ私と同じだね、広瀬君とは気が合いそう」


こんなに好印象なんて俺ってどうなってんだ? と自分に自問自答をしてみたが凛がそういう風に導いてくれてるお陰だなとすぐに理解した。

岸本と会話を終え俺と凛は席に座った。


「さっそく私との練習が役に立つ時が来たようだね?」


「流石凛だよ、もし俺だけだったらあそこまで印象良くならなかったし」


「もし…… 岸本さんと上手くいったら私………」


「うん?」


「あ! ううん、なんでもない! でも瑛太は肝心な所で墓穴を掘りそうだからまだまだ私がついていないとダメそうね」


「そう言われると確かに俺もそんな気がする…… 大体岸本の話に俺はついていけるのか?」


「私とお喋りしてるんだからまぁ余程失礼な事言わない限りは。 って私にはいつも失礼な事言ってる気がするけど瑛太は」


「え? そんなに凛に失礼な事言ってるか俺」


「もう! 何もかも失礼なんだから! 私の気持ちちょっとはわかるようになったら合格だよ」


「ん〜、凛の気持ちかぁ。 だったらわかった」


「え!? わかるの? わかってて言ってたの?」


「例えば凛は今イライラしている」


「うんうん、それで?」


「へ? それだけだけど?」


「はぁ、やっぱ瑛太は瑛太だわ」


そう言ってなんだか呆れたように凛は笑っていたけど若干機嫌が良くなったのか溌剌としてきた。


そして授業が始まり俺は数学の教科書を取り出そうとした。 あれ? 忘れた? 探してみるがないぞ!? ふと視線を感じたので凛を見た。


やっぱり視線は凛の物で凛はなんだか懐かしい物でも見るような顔でとても優しくて穏やかな表情をしていた。


その表情に俺は一瞬凛の瞳に吸い込まれそうになった。普段ならこいつ何人が困ってる時ニコニコしてこっち見てんだ? と言ってやる所だが今の凛にその言葉は出なかった。



「忘れ物? その様子だと数学の教科書を忘れたんでしょう?」


凛の言葉で我に返った、そうだった。


「ああ、多分家で勉強してた時そのまま机に置いてたのかもしれない」


「しょうがないなぁ、だったら机くっつけよ? 私の教科書見せてあげるから。ね?」


断る理由もないので俺は凛と机をくっつけて教科書を見せてもらった。 それにしてもさっきこいつはどうしてあんな表情をしてたんだろうと気になった。


流し目で凛の横顔を見た。 だけどいつもの凛だ。 整った顔は岸本と同じく美少女と呼ぶに相応しい。 もし岸本だったら凛と同じくこんな風にしてくれるのだろうかと俺は思った。


「ん? どうかした?」


小声で凛が話しかけてきた。


「いや、別に」


「フフッ、変な瑛太」


俺を見て微笑んだ後凛は授業に集中していたので俺も余計な事は考えるのをやめた。


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