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その4


カラオケがお開きになり俺も今日はこれで解散だなと思い帰る事にした。

みんなと別れて帰り道を歩いていく。


すると俺の背中に何か当たった。


「うっ!」


「うっ! だって! あはは」


「お前かよ!」


するとそこにはショルダーバッグをヒラヒラさせた凛がいた。


「なんでここにいんだよ? 」


「良いじゃん! 瑛太楽しんだでしょ? 私ちっとも楽しくなかったんだから!」


「ああ、見てて思った」


「え? わかったの?」


「お前とずっと隣にいればわかるよ」


「だってどうでもいい男子がずっと喋りかけてくるから疲れたよぉ、わたしも瑛太の隣に行こうと思ったのに」


「てかお前てっきり俺と岸本応援してくれてると思ったんだけど?」


「だからこそ私の聞こえないところで瑛太がヘマしないか気に掛けてあげようと思ってるからよ!」


「あー、なるほどな。 でも凛のお陰かわかんないけど岸本とLINE交換できたし」


「何それ? 聞いてない! てかそういえば私ともLINE交換してないよね? 友達なのに! 交換して!」


「わかったわかった、ほら」


「フフッ、これでいつでもアドバイス出来るね!」


「なんの?」


「瑛太の恋のアドバイスに決まってるでしょ! あ、でもそうねぇ。 今日手始めに適当に送るからさ、瑛太の相手してあげる!」


「いや、頼んでないけども……」


「そうやって私の親切心を邪険にして! ありがたくする事」


「わかったよ、凛にはいつも気に掛けて貰ってるからな」


「…… そんなの友達だから当たり前じゃん」


「じゃあもういいだろ? じゃあな」


「え、え!? ちょっと待ってよ! 私今から瑛太と遊ぶつもりだったんだけど?」


「まだ遊ぶのか?」


「当たり前じゃん! どうせ明日は日曜日だし! 買い物付き合ってよ」


「まぁそれで気が済むなら付き合ってやるよ」


「じゃあさ、服買おうかなって思ってたから行こう?」


そして俺と凛はデパートのショップに行った。 ていうか俺女の服の事なんてよくわからないんだった。


「ねぇ、これなんかどう? 似合いそう? こっちとどっちがいいと思う?」


「どっちでもいいんじゃね?」


「ぶぅぶぅーッ! 全くダメ! それじゃあ女子は白けちゃうよ? 」


「俺そういうのよくわかんなかったんだわ」


「ダメだなぁ瑛太は。 そういう時はね、どっちも似合うと思うけどこっちの方が私のイメージに合ってるかな? とか私がどっちに決めてるのか私の反応を注意深く見て言わなきゃ!」


「え? そこまでわかってるならもうどっちがいいか決めてるって事だよな? だったら聞く意味なくね?」


「女心を全然わかってない! それまでの過程を女の子は楽しんでるんだよ? だからそれを蔑ろにしちゃ嫌われるよ?」


「つまり女って面倒くせぇっていう結論だな」


「そこら辺をわかってる人がいい男なの! 面倒臭い言わない、それに好きな人が悩んでて選んだんならそっちでもいいかなってなるんだから」


「ふぅん、そうなんだ。 じゃあ俺は凛にはそっちの服の方が似合うと思うな」


「え? そう? じゃあこれにする!」


「いいのか? よくわかんない俺が選んだのに」


「いいのいいの! 瑛太が選んだんだから。 あ、そうだ! 今度これ着て遊びに行こうかな」


「いいんじゃないか? 」


「瑛太と遊ぶんだよ? わかってる?」


「てっきり凛が好きな奴かと思ってたわ」


そう言うと凛の顔がカァ〜ッと赤くなっていく。


「ば、バカじゃないの!? 誰でもいいでしょ? 」


「いや、誰とか聞いてはいないけど?」


「はぁ〜、まぁいいや。これは買おうっと。 ん〜、後は下着でも買おうかな」


「はぁ!? 俺といて下着買うつもりかよ?」


「あ〜、瑛太ったら顔真っ赤。 私がどんな下着つけてるのか気になるの?」


「バカなのかお前? いくら友達でも俺は男だぞ? そんなの見られたいのか?」


「ん〜、そうだねぇ。 まぁ瑛太ならいいかなって。 友達は友達でも結構仲良いし、うん!」


そこは仲良くとか関係ないだろと思ったが凛はずんずん下着のコーナーに行ってしまった。


流石に入るのは遠慮したいので俺は書店のコーナーに行き週刊漫画を立ち読みしていた。


そしてしばらくすると凛から電話が掛かってきた。


「もう、私を置いてけぼりにしてどこにいるの?」


「ああ、本屋で立ち読みしてたわ」


「私といるのに単行動しないでよぉ〜、一緒に遊んでるのに」


「わかった、じゃあそっちに戻るから。ていうか今どこにいるんだ?」


「フードコート。 そろそろお腹空いたからなんか食べよ?」


そして凛が待っているフードコートに行くと俺が見つける前に凛が俺に駆け寄ってきた。


「勝手に1人でいなくならないでよ? お子様なんだから瑛太は」


「はいはい、ごめん。 で、何食べる?」


「服とか買っちゃったしマックとか安いしそれで良くない?」


「俺はあんまり腹減ってないしそれで良いや」


「じゃあ決まり!」


そしてハンバーガーを食べているとカラオケの時とは打って変わって凛はとても楽しそうにしている」


「うん? 何ジーッと私の事見て」


「いや、楽しそうだなって思って」


「うん、楽しいよ? だって瑛太と一緒なんだから楽しいに決まってんじゃん」


「え? 俺と?」


「あ、えと……だ、だって友達でしょ? そういんもんなんだよ! 瑛太は楽しくない?」


「まぁなんだかんだで楽しいかな」


「ならよかった!」


凛はそうして満足そうに微笑んだ。

俺と遊んで満足したのかデパートを出て今日はこれで帰るねと凛は帰っていった。 さて俺も今度こそ帰ろう……

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