その26
「わっ、瑛太もう食べたの? 早食いはあんまり良くないよ、ほら伶奈ちゃん焦ってるよ?」
「あ? すまん、伶奈はゆっくり食べてくれ」
「う、うん」
伶奈が食べる所を見ると小動物みたいで凄く可愛い。 頑張って食べている所が微笑ましい。
「え、瑛太君、そんな見られると恥ずかしいよぉ〜」
「伶奈の食べてる姿が可愛いいなって思って」
「むすぅ〜、私も頼む!」
「お前腹減ってないんじゃなかったのかよ?」
「伶奈ちゃんが美味しそうに食べてるから私もお腹空いてきちゃったんだもん」
「新村君、あっちでラブラブバトル繰り広げてるんだから私達ももっとラブラブしようよぉ」
「勝手に1人でやってればいいだろ?」
「あぁん、新村君に冷たくされるのもときめくけどたまにはデレてもいいのよ?」
「じゃあせめて俺がボコられないようにさせてから言ってくれよ」
新村とやらはいじめられてるんだろうか? あんなに可愛い顔してるのにな。
ジーッと新村を見ていたら朝日奈がムスッとして自分の顔で新村を遮った。
「ええと、広瀬君だっけ? さっきから新村君を視姦して何してるの? まさかそっち系?」
「い、いや、別にそんな意味はないけどさ」
「瑛太君、見るなら私を見て欲しいな……」
「そうだよ瑛太、私でもいいから!」
「あ、あんたら必死過ぎて恥ずかしくなってきた……」
今野が呆れたようにそう言う。 確かに何凛もそんなにムキになっているんだ?
俺より好きな奴にもっとムキになればいいのにな。
「あ、私のも来た来た! 美味しそ〜」
凛も伶奈と同じくBLTサンドを頼んだんだが結構大きい事を失念していた凛は少し食べてと俺に頼んできた。 結構苦しいんだけど?
「そのままかじっちゃって!」
「凛ちゃんって瑛太君の事当たり前のように言えて羨ましい」
とても小さな声で伶奈が呟く。
「はい、新村君、あーんして?」
「いいよ、てかやめろ」
「あーん!」
あっちはあっちでなんか面倒くさそうなやり取りをしているがこっちでは……
「んぐっ、んぐっ」
ププッ、伶奈の真似をしているのか凛は頑張ってBLTサンドを頬張っている。可愛く見えるようにしているつもりだが普通に食べてた方が可愛いと気付いていない。
むしろ今の食べ方は笑いを誘っているようにしか見えないぞ? しかも上目遣いでこっちを見ているから余計笑える。
「クックッ…… ブフッ」
「な、なんで笑ってるのよ!?」
「だってお前の食べ方面白すぎるぞ? なぁ伶奈」
伶奈も笑いを堪えてフルフルと震えていた。
「あはははッ、ごめんね凛ちゃん面白いね」
「凛、あんた普通に食べれば可愛いのに……」
「あ〜ん、もう見ないでよ! 食べ辛いじゃない!」
「あんた自分が見せつけるように食べてたくせによく言うわ」
そして凛も食べ終わり今日はこれで帰る事になった。
「じゃあ鈴菜さん、私達はこれで帰るね」
「あ、うん! しばらく会えないけど元気でね!」
「凛ちゃん、鈴菜が学校に戻ったらまた仲良くしてあげてね?」
朝日奈が凛に言った。 てか朝日奈の家に泊まってストーカーがどうかなるものだろうか? と考えたが俺にはどうしようもないので突っ込むのはやめた。
そして伶奈と今野は家が逆方向なので駅までだ。俺達は3人で駅に向かった。 駅に着き別れ際の電車に乗る前に伶奈が俺に近付き俺の腕に抱きついた。
いきなりだったからびっくりしたけど伶奈からくっついて来てくれた喜びの方が勝った。
「今日は付き合ってくれて楽しかったよ! また遊ぼうね」
「伶奈が楽しかったら俺も楽しいよ。 気を付けて帰れよ?」
「うん! じゃあまた明日」
そして伶奈と今野は電車に乗り帰り俺と凛が残された。
「瑛太、今日は楽しかった?」
「そうだな、伶奈とももっと仲良くなれたと思うし。 だけど凛が来るなんて思わなかったぞ」
「あの、邪魔だったかな……?」
「最初はなんでいるんだ?って思ったけどさ、やっぱ凛がいると楽しいな」
「ッ!」
「ん、どうした?」
「瑛太ずるいよ、伶奈ちゃんにも好かれててさ。私だってそんな事言われた……」
「言われたら? 」
「抱きつきたくなっちゃうじゃない!」
「いきなり来るなよ! 危ねぇなぁ」
「て…… あれ? それだけ? 恥じらいとかないの?」
「それ盛大に自分にブーメランしてるのわからないか?」
「えー!? ちょっと前まであんなに焦ってたくせに!」
「いや、流石に慣れるだろ?」
「うっ…… そういえばなんでか知らないけど今日といいなんか可愛い子ばっかに囲まれてたもんね。私1人くらいじゃ平気ってわけ?」
「平気ってわけでもないけど……」
「私なんてどうでもいいんだ、所詮そんな中の友達の1人だもんね? うぅ……」
凛はうずくまって泣いてしまった、しょうがないので落ち着かせてやろうとおれもしゃがみ込み凛の側に寄ると凛はすかさず俺にキスをしてきた。
「あはは、引っかかったぁ、女の子はたまにズルい手使うから気を付けなきゃね!」
「お前なぁ、だからってキスとかするなよ」
「これも瑛太の特訓の内なんだから文句言わない!」
「あ、それで思い出した。ほい、これ」
凛にあげようと思ってさっきUFOキャッチャーでとった景品を渡した。
「え? これって?」
「いつも凛にお世話になってるし、俺なりのお礼だよ」
「…… 嬉しい、一生大切にするね」
「一生とか大袈裟な……」
さっきみんなといた時は見せる事のなかった満面の笑みで凛は喜んでいた。




