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その13


「それにしても私達ラブラブに見えたんだねぇ」


「友達同士なのにおかしな事言うよなぁ」


「あっ、そうだ! もし付き合ったら瑛太はガチガチになっちゃいそうだし……」


「なっちゃいそうだし?」


「えいっ!」


すると凛は俺の腕に手を回してくっついた。


「はっ!? 何やってんだよ?」


「こら! 暴れない!」


俺の腕を通して凛の胸が思いっきり当たってる。 そして凛からいい匂いが漂ってくる。 こいつ意外と胸あるんだな……


「お前こんな事して……」


「例え友達だって瑛太にしかこんな事してあげないんだから!」


「何でだよ?」


「もし、岸本さんにこんな事されたら慣れてない瑛太だとガチガチになっちゃうでしょ? だから瑛太を鍛えようとしてやってあげてるんだから!」


確かに岸本にこんな事されたら卒倒してしまいそうだ。 凛はギュッと俺を掴む腕に力を入れ密着してくる。


凛もかなり可愛いのでどうしても緊張するしドキドキしてきた。 俺は岸本が好きなのに……


「岸本さんに悪いと思ってる? でもまだ付き合ってないからこれくらいはいいよね? それに私だって超恥ずかしいんだから…… こんな事するの初めてだし」


「え?」


「オホンッ! だからお互い様! 練習だと思ったらいいんだよ? 瑛太だって私を友達だと思ってるでしょ? だったらたまには協力して?」


「強引だなぁ、だけどわかったよ…… てか胸当たってるんだけどそれはいいの? 」


「そんなデリカシーない事言わないの! 私も恥ずかしいって言ってるじゃん。 てかもしかして瑛太緊張してるの? 私にくっつかれて」


「そりゃあそうだろ……」


「フフッ、そっかそっかぁ、ねぇ。今日は何しよう?」


「誘っといてそれかよ、奈々にさ、俺ダサいからもうちょっとマシな服買った方がいいって言われたんだけど」


「奈々ちゃんわかってるねぇ、確かに瑛太の服装ダサいけど」


「お前もそれ言うのかよ……」


「でも私ダサいからって瑛太の隣歩きたくないとか言わないから安心してね? じゃあ服買いに行くの? 結構お金掛かるかもしんないよ?」


「お年玉あるんだよ俺には」


「へぇ、いくら?」


「2万円かな」


「うーん、まぁそれくらいあればいいんじゃない?」


「そんな掛かる?」


「デパートだとブランド品ばっかりだからねぇ、1着、2着くらいそこで買って後は安い所で買えば?」


「凛選んでくれないか? 俺に似合いそうな服」


「私瑛太はダサい方が安心出来るんだけど……」


「なんだって?」


「ううん、かっこよくなっちゃったら他にも女友達作って私の相手してくれなくなるでしょ?」


「俺がそんなコミュ力あるように見えるか?」


「あはははッ、見えないね! でも寄ってくる人もいるかもね」


「お前彼女みたいな心配してるな」


「うっ…… うるさいなぁ! わかったわよ! 選んであげるわよ、その代わりお金パーになっても知らないからね!」


「マジかよ? 2万パーになるのかよ!?」


「瑛太に似合いそうなブランドなら私わかるから! でもそんなに高くないので可愛いのにしてあげる」


「可愛いのかよ…… かっこいいのがいいのに」


「かっこよくて可愛いのね! はいはい」


そしてデパートに行きとりあえず凛は俺がどんなのがいいか選ばせてきた。


「え〜、瑛太のセンスって最悪…… オタクっぽい服かダサい服しか選ばないなんて」


「似合ってればダサくてもいいだろ?」


「そんなんじゃモテないよ〜?」


「じゃあどんなのがいいんだよ?」


「もう暑くなる時期だから半袖だねぇ、こっちのミルクボーイとかのブランドが私のオススメ!」


「どれどれ……」


確かにいいかも。 映画とかのコラボの服もあるしデザインも女子ウケしそうなのってこんなのか。なるほど、これがかっこよくて可愛いのか。


「どう? いいのあるでしょ? 結構大きめの服だけどそういうデザインだから問題なしだし」


「いや〜、凛に選んでもらって良かったけど値段が……」


ブランド品ってやっぱ高い。Tシャツに6000円以上とか正気か!?


「ね? 結構掛かるって言ったでしょ? 女の子は外見に気を使うからね」


「俺は男なんですけど?」


「女の子は外見に気を使ってる分男の人も外見に気を使ってる人のが好印象なの。 私は別に無理はさせたくないからいいけど。 2着くらいにして後は安いところで買わない?」


「それだと俺も助かるわ」


他にも見て回ったが俺が選ぶ服はことごとく凛にないわーとかなんでそんなの選ぶの? とか却下されまくりだった。 俺のセンスが壊滅的なのか男と女が選ぶ基準が根本的に違うのかまったくわからん。


「じゃあお昼食べよ? 瑛太お金使っちゃったから私が奢るよ!」


「いいのかよ? お言葉に甘えるぞ?」


「瑛太ならいいよ! 優しい私に感謝だね!」


そして俺達は軽い昼食を取り凛の奢りで映画を観て、デパートを出て安い所で他の服を買った。


「それにしても凄いね、岸本さんは」


「何が?」


「瑛太にそこまでして好きになってもらおうと思わせるなんて……」


とても寂しそうな顔をして凛はそう言った。


「凛?」


「だから今日買った服は全部私好みの服にしてやったのだ!」


「お前なぁ……」


「あははッ、大丈夫大丈夫。 変には思われないから! 私のセンスを信じなさい、今まで隣で瑛太をずっと見てきたんだから!」


「はいはい、ありがとうな」


「オシャレになるのは構わないけど私はそのままの瑛太もよかったけどなぁ」


「ダサいのに?」


「うん、そんなの関係ないと思うよ? 岸本さんだってそうだと思うし」


「あれ? そぉいや、腕組んでた時言ってたよな? こんな事するの初めてって。 てことはお前も俺に偉そうに言うほど経験ないんじゃないのか?」


「うるさい! 私はずっとずーっと前から好きな人がいるの! その人のために大事な事はとってあるの!」


そう言われてみればこいつ告白されても好きな人いるって断ってたよな。


そしてその日はその後ゲーセンに行ったりプリクラを撮りたいと凛はいい一緒に撮ってその日はお開きになった。

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