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その10


岸本とカフェに行った日の夜凛からLINEが来ていた。


『今日は岸本さんと上手くいった?』


『ああ、お陰様で上手くいったよ、ありがとう』


そう返すとしばらく返事が来なかったのでこれで終わりかなと思ってしばらくしたらまた返信が返ってきた。


『それなら良かった。 それでどこまでいったの?』


なんだそりゃ!? どこまでって何だよ?


『いや、普通に飯食っただけだけど?』


『なぁんだ、さすが経験なし』


『悪かったな、どうせ経験ないですよ』


『じゃあキスとかもしなかったんだね』


『当たり前だろ? 俺にはハードル高過ぎだわ』


ストレートに聞いてくる奴だなと思い画面を眺めていたがまた返信が来なかったので今度こそ寝たかなと思った。


すると30分以上経った頃返信が来ていた。


『私と練習してみる?』


『何を?』


『キスの』


はぁ? 何言ってんだこいつ? 凛とは友達なんだからするはずないだろと思ったがまた俺をからかってるんだな。


俺が変に慌てるとこれだから童貞君はとか意気地なしだもんねとか言われるのが目に見えてたので俺もからかうつもりで返信した。


『いいよ?』


そう返してやった。 その日はそれから返事が返ってこなかった。 まぁ寝たんだろ。 俺もその日はぐっすり寝た。


朝になり学校へ向かっていた。昨日の凛とのLINEのやり取りなどすっかり忘れて。するとまた凛が学校の近くで俺を待っていた。


「え、瑛太、おはよう……」


最後辺りが消え入りそうな声で俺に挨拶をした。


「おはよう、どした?」


「あ、あのさ、瑛太がいいってなら私はいいし、嬉しいけど…… まさかあんな事瑛太が言うとは思ってなくて」


学校へ行くというのにその場に立ち止まってモジモジと俺に顔を合わせないように伏し目がちで凛はボソボソと喋っていた。


「なんだよ? 改まって」


「そりゃあ、瑛太に言われたら改まるに決まってるでしょ! 私眠れなかったんだから」


「はぁ? 今更何言ってんだよ?」


「確かに今更だけど私、瑛太の事どんな風に見てたかわかる? 瑛太の事私……」


凛がまるで茹でダコのように真っ赤になりながらまだボソボソと呟いていた。

眠れなかった? ん? 昨日のLINEの事か……


「あれ? お前昨日のLINEの事気にしてたの? あれ冗談だろ」


そう言った途端、凛はキョトンとした表情に戻ったと思ったらまた顔を真っ赤にさせた。


「へ? あ、あれ? 冗談? 私何勘違いしてたんだろ? そうそう、冗談に決まってるでしょ! バカ瑛太!」


「っておい! 何急に怒り出してんだよ? 意味わかんねぇ奴だな!」


「うぅ、最悪…… 私なんて事言ってたんだろう。 全部瑛太のせいだからね!」


「最初にからかってきたのはお前だろ? いつもお前にからかわれてる俺の気持ちがわかったろ?」


「私瑛太をからかった覚えなんてないもん! いつも真面目です!」


「え、じゃあ昨日のLINEのキスも?」


「う…… あれはからかっただけです!」


「ほら見ろ、やっぱそうじゃん」


「悔しいー! 悔しい悔しい!」


「そんなにムキになんなよ? 寝てないんだろ?」


「なんで私じゃないのよ…… それもこれも瑛太が分からず屋だからいけないんだ! 瑛太、罰として今日は私と学校帰りどっか行くんだからね!」


「いや、罰ってなんだよ? それよりお前は今日は早く帰って寝た方が良いんじゃないのか?」


「休み時間とお昼に寝るからいいもん!」


「お前授業中寝落ちしそうだな……」


「その時は瑛太が起こしてね?」


「だったらすぐ起きろよ? いびきとかかくなよ?」


「失礼ね! あ、なかなか起きなかったら耳の辺り触ってね? ゾクッとするからすぐ起きれるよ、なんてね」


教室に入ると早速岸本が話しかけて来た。 凛はどうやら聞き耳を立てて聞いているようだ。


「広瀬君! 昨日は楽しかったよ。 それとね、昨日撮った写メ送るね」


そう言って岸本は昨日一緒に撮った写メと料理の写メを送ってきた。

ぶっちゃけ料理の写メはどうでもいいが岸本と一緒に撮った奴は嬉しかった。


岸本と何度か言葉を交わした後、また行くって約束したからねと可愛らしく微笑み席に戻った。


「瑛太、写メ見せて?」


「ん? ほい」


「へぇ、いいなぁ。 よく撮れてんじゃん。てか岸本さん私と同じの頼んだの? 」


「そうなんだよ、ビックリだよな」


「私と同じなのに私と違うな…… 」


「何がだよ?」


「ううん、こっちの話! てか私も瑛太と一緒に撮ろうかな」


「写メ?」


「うん、友達なのに1枚もないし。うん、そうしよう!」


「お前何張り合おうとしてるんだよ?」


「いけない?」


「え?」


「私ごときが岸本さんと張り合うのはおこがましいもんね?」


「んな事いってねぇだろ?」


「ウソウソ! 寝不足のせいで若干ピリピリしてるだけかも。少し寝たらよくなるよ、じゃあ朝始まるまで寝てるね? おやすみ」


そう言って凛は机で寝てしまった。 すぐに寝たようだが凛は意外と真面目で授業ではしっかりと起きていた。


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