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14歳 〜初恋の記憶〜  作者: でいぶれーく
4/5

君という女の子は

「あの、昨日のテレビ番組見た?」

「○○○○のこと?」

意外とすんなりと会話に入れた。

ただ、気まずさはお互いあるようで。

「あー、あの場面面白かったなー」

「う、うん。そうだね…」

会話が続かない。

想定内のことだ。プランBに入る。

「そう言えば△△の新刊買った?」

「いや、まだ…」

「そうか、いやーあのシーンは…」

「言わないで!」

「ご、ごめん…」

くそ、埒が開かない。

戦いは常に二手三手先を読むべきだ、

とは誰かの言葉だったか。

まさかこんなハードな事とは思いもよらなかった。

 どうしようか、ネタはあと一つしかない。

「あの、課題を見せていただけないでしょうか…」

既に終わっている課題のノートを

一旦借りることで返す時にまた会話

することが出来るという算段だ。

「あんたね」

そこで突然君の口調が変わる

「考えすぎだよ」

僕はこのとき察した。

君は僕の算段など容易に見透かしていたのだと。

「課題なんて終わってるくせに。」

告白する前に見ていた笑顔がそこにあった。


君は凄いな。僕より数段大人だ。

「またいつも通りに会話しよ?」

「はは、参った。全部お見通しだったんだね。」

「昨日1日ずっと考え事してるみたいだったからね。」

僕を見ていてくれたという事実に

嬉しさがこみ上げる。

もっとも、振られたあとに感じる

嬉しさに、それ以上を何も期待出来ないのだが。

 

大人めいた考えを凝らしていた昨日の

自分が馬鹿らしくなるほどに、

君は、「良い」女の子だった。

 

君を好きになって良かった。

君を彼女に出来たわけでもない。

見据えすぎた将来設計は全て反故にされた。

それでも、僕の心に残るのは充足感なのだ。

不思議なものだ。


こうして、元の関係に近い形へと

僕たちは収束していった。

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