自問自答の中で
僕はどうにも、
周りに流されていたようだ。
クラスのカップルに対して、
羨望の眼差しを向けてたのだろう。
だからといって、何の計画性も持たず
玉砕した僕は愚かだと言わざるを得ない。
いや、中学生だし…玉砕覚悟の告白
なんて珍しくもないさ。
と、自分を慰める。
思春期なのだ。
もの思いに耽るのも悪くない…と
心中で語る自分はどこか惨めだ。
それら全てが悲しい自己肯定である事に気づいていたからだ。
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気まずい。
人生で初めての告白は黒星を飾った。
その事実は受け止めているが、
問題は、失敗したあとの行動を考えていなかった事だ。
当然ながら、いつもなら平然と出来た
会話もうまく切り出せない。
閉塞感だ。
告白というのは、一種、賭けだった。
賭けに買った場合は、
当然ながら「勇気」に対する「彼女」
が対価として払われる。
ただし負けた場合は、
「勇気」を反故にされるだけでない。
「仲のいい友達」から「気まずい人」
へとクラスメートを変貌させる。
大体、だ。
元の関係に戻れるはずがないのだ。
中学生というのは、まだ子供だ。
「しょうがない」と割り切れるほど
精神的に強くないのだ。
いや、割り切れるようになっては
もう告白そのものに重みがなくなるの
だが。
そんな事を考えているうちに1日が
過ぎる。
他愛もない会話、君の笑顔を思い出す。
寂しさ、を認識した。
時間が過ぎれば、元の関係に戻れるのか。
この気まずい関係のまま、同じクラス
で過ごすのか。
その日はあまり寝付けなかった。
「君」は思ってた以上に、
僕の心の居場所を占有してたらしい。