鬱々ショート2 悲しみは天国 楽しみは地獄
鬱リハビリNo.2
悲しい気分になるなら天国。楽しい気分なら地獄。
俺は悲しみの中に生きてきた。父からは疎まれ、母からは哀れみをうけ、人生は悲しい気持ちでいることを求められる人生だった。だから、今まで生きてきた33年間は悲しい気分で生きる事こそが俺の喜びだった。俺は終わっている。
そうでなくても、今の世の中で中卒ニートで33になるまで社会に出ることなく、引きこもって生きてきた人間に優しく接してくれる者などいない。社会的にも俺は終わっている。
そんなある日、俺はふとこんな生活から抜け出したくなった。ただの気まぐれだ。
親のすねを骨の髄までむしゃぶり尽くす。こんな、生活はもううんざりになった。どうか神さま、私が自立した社会人として生きることに協力してください!!
私はハローワークへ行き、企業の面接を数社受けることになった。こんなことは初めての経験だ。
面接の結果は全て葉書で送ってくれるそうだ。審判の時は近い。胸がドキドキする。
結果はこうだ
「今回は採用を見送らせて頂きます。」
全ての面接に落ちた。 だがしかし、本音を言うと私は安心した。神は今回の面接で私を求めている社会など無いことに気付かせてくれた。
今回の面接結果には感謝している。この世界に不要とされているクズ人間をこの世に作りたもうた神と、私の両親には、私を一生養っていくという義務があるという事に気付かせてくれたのだから。
悲しい気分になるなら天国、楽しい気分なら地獄。今日も俺は天国で親のすねをかじって生きている。
読んでいただきありがとうございました