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75 上 解放までの道のり


 捕らわれてからどのくらいの時間が経っただろうか・・・・・・・・。

 もう、僕は限界です・・・・・誰か助けて・・・・・。

 儚げな華が似合いそうな美少年が居た。

(この時、コタツは元塾講師と元教師に説教中。で、見ていたのは聴音器を付けた工兵のみ。ちなみに工兵は他人事のように『うわぁぁぁぁぁ』とドン引きしつつ、個人的に持ってきたプロテインバーを食べて見ていただけで、それ以外は何も思ってもいなかった。女に人気のあるキンタと男に人気のあるコタツの差だった。これが逆だったら、決死の覚悟で彼は飛び込んだだろう。)

 身体の色々なところが痛いのを感じつつも、聞こえてくる声がある。

「おそらくなんだけど、あの二人(元教師と元塾講師)・・・掴まったわね。帰ってくる時間が遅いわ。」

「ええ! じゃっ、じゃぁ、ここはもう見つかった! 囲まれているかもしれないということ!?」

「そうね」

「『そうね。』じゃないわ! どうするのよ! これじゃぁ計画が台無しになるわ!」

 金切り声を上げて騒ぐ一人にもう1人がビンタを炸裂する音がした。

「お黙りなさい!」

「・・・・・・・」

 ビンタされたほうは頬を押さえて、殴った相手を見る。

「大丈夫よ。警察でもよくあるでしょ。人質が居る以上そう簡単に突入してこないし、人質に怪我でも負わせようとすれば、その命令を出した人間の責任になる。

 人は残念なことに自分のせいになるのは嫌なものよ。

 だったら、掴まるその瞬間まで・・・・・・楽しめばいいのよ・・・・」

 ニタリと笑みを浮かべる女に、もう1人もニヤリと覚悟を決めたが、僕はこの時、ただただひたすらに恐怖が足の先から頭のてっぺんまでサブいぼが何度も立ち上がる。

 二つの気配がこちらを向く。

 四つの視線がゆっくり近づいてくる。

 嫌でも呼吸が速くなる。

「うふふ、これから起こることに嬉しくて興奮してくれるなんて嬉しいわ」

「はあはあ、可愛い子が、怯えている・・・・・ジュルリ」

(この時、コタツは部下達に指示を出している。それぞれがそれぞれの位置に付き、突入の命令を待っているところ。)

 残念な男と残念な女二人が同じ部屋に集まった。

 この瞬間、ガラスが割れ、物凄い光が音と共に炸裂した。

「「「ギャァァァァァッァァァァァ!!」」」

 と、光にやられて叫ぶ女二人と、目隠しをしていたところ緊張がピークに達しているせいで悲鳴を上げる男が一人居た。

 1人の女は、本懐を遂げようと必死に本能的にキンタに近づこうとするが、二つ目の閃光弾が目の前で炸裂した。

「ああああああああああああああ」

 叫ぶ叫ぶ、閃光弾から出るガスも吸いむせている。

 続いて、ガンッ! コンコロコロ・・・・プシューーーーーと何かが出て行くが、反応が出来ない。

 次第に呼吸が苦しく鳴り出し、そして、皮膚が辛い・痺れたような・痒みとは違うかゆさというか最初に言った辛さ前進を襲いだす。

 目をやられているおかげでガスが大部分上にいっていることもあり、平気なのだが三人は一斉に恐怖から叫んだ。

「「「あああああああああああああああああああああああああああ」」」

 唐突に襲う体の異変と異音に毒ガスを投げ込まれたと勘違いしてのことだった。


 この女達が可愛そうなことがあるとしたら、今回の作戦リーダーが色々切れちゃっている人だったことが敗因で、今まで辛酸を舐めさせられてきた存在を甘く見てしまっていたということ。である。というか、自分たちの判断基準で見ていたことも敗因だった。


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