表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/79

67  麒麟 秀太 上 下 麗子 のカオス


 親父が折れて教官側で参加が可能になったことに俺は驚愕していると副団長室の扉がノックもなしに開いた。

 そこにいた人物にそれぞれが声を掛ける。

 そこにガチャリと扉が開く音が聞こえる。

 そちらに全員視線を送り見てみるとキンタのオトン麒麟 秀太である。

「と、父さん!」というのはキンタ。

「秀太伯父さん!」というのが俺

「秀太おじ様」というのは麗子さん。

「秀太さん?」が、どうしたの。が母。

「秀太団長が如何したんだい?」が山田1尉。

 で、うちの親父は、

「どうした団長殿、俺になんか用か?」

 一番偉そうだった。

 ツーか、このおっさん(父)なんて偉そうなんだ。とか思っているとニヤリと俺を見てくる。キモイな。

「あっ、ああ、人が多いなぁ、しかも龍君が居るのはなんとなくわかるがまさか息子と麗子ちゃん・ツバメさんがいるとは思わなかった」

 少し呆れとも拍子抜かれた様子でいる伯父さん。しかし、伯父さんがこんな感じなのは久しぶりに見る。

 いや、家ではこんなんだけど、仕事中はもっとキリリとしていて格好いい。

「それはそうと、空挺レンジャーに龍君を訓練隊員として参加させるという話は容認できないことを伝えに来た」

 俺が吃驚しているのを見られてどうも冷静になった模様である。いつもの仕事モードだ。

 しかも、俺の事をレンジャー教育反対をしに着てくれるなんて、伯父さん惚れそうだよ。

 キラキラした目で見ているとなぜか麗子さんがムスッとしている。なぜだ? まさか、伯父さんに嫉妬か? いや、男なんですが、と見ているとふと視線が合った。

「「・・・・・・」」

 俺も相手も視線を逸らし、「あっ・・・」「いや・・・」なぜか顔が厚くなるのを覚える。

 お互いもじもじしているとその間にキンタが「失礼」と冷めた感じで割り込んできた。

 キンタは冷めた顔で瞳の奥には嫉妬と憎しみが見え、その先にいる麗子さんはキンタの突入で冷静さを復活させているが瞳の奥には邪魔されたことの憎悪が見える。

 なんかコレはコレで血が繋がっているんだな~。と妙な二人の血のつながりを感じた。

 その間の父たちの会話は、

「ああ、その話はさっき無くなったぞ」

「ん!? ほ、本当に!?」

「ああ」

「珍しいな、副団長が方向性を変えるなんて」

 いぶかしんでいる秀太伯父さんがこれから驚く。がその前に超良い顔している俺の親父。

「ああ、教官側として参加がさっき決まった」

「それも自衛隊組織として駄目なんだって!」

「国家が俺と約束している。自衛隊の法は関係ない。その約束を反故にするなら今すぐ私はこの国の兵士をやめて、元いた国に戻り将軍職に戻る」

 必死な苦労人秀太伯父さんにガチで自身が思っていることを言う父に、顔を抑えて、ああもう。と叫んでいる。

 そこに助け舟になぜか母が乱入した。

「ウルフさん」

 父と伯父さんは無言で母を見る。

 珍しすぎてだ。基本父のすることに母は口を出さないがなぜか今回は違った。

「ウルフさん。今回はレンジャーにかかわることは見送りなさい」

 伯父を擁護する。豆鉄砲かする父、ついでにウルフさんは父の母のみ呼ぶ愛称である。

「な、なぜでしょうか?」

 父はなぜか敬語で母に尋ねた。

 こんな父でも母を溺愛している。溺愛している母が怒ってどっか言ったらめちゃ凹む。それが嫌な父は母のたまにつく我侭を聞く。たまにだからこそ聞くのかもしれないが機嫌を損ねようとはしない。

「龍はね。今回初めて恋人を作ったのよ! その恋人が逃げないように愛を私たちと同様に育てる必要があるの。

 その場合。離しちゃ駄目でしょ!

 それに妹経由で太郎君の許婚麗子ちゃんらしいじゃない? そんな許婚解消するのに龍が直接乗り込むなり、一緒に言って励ますなりしなきゃならないんだから、訓練なんてしている暇はないのよ!」

 父は母の言葉を最後まで聞いた。聞いて簡単に「わかった。それならしょうがない」と肯定しやがった。

 母よ。ああ、母よ。

 それを聞いていた麗子さんの顔がパーッと輝き母を「お母様」とぼそりと呟き、キンタは目と口から血を垂らしている。

 それを聞いていた秀太伯父さんは「えっ? 何の話? って、太郎!! 何で血の涙と口から血流してんの?」とここから麗子さんが一歩前に出た。

「秀太おじ様、よろしいでしょうか?」

「ん? 何かな麗子ちゃん」

「私、太郎さんと許婚も婚約も本当はしたくありません。私は私のお父様と好きな人が出来たら婚約を破棄していいと言われていますし好きな人が出来ました。だから、申し訳ないのですが太郎さんとの婚約はなかったことにしてください。」

「・・・・太郎との婚約は嫌なの?」

 堂々と高らかに言う麗子さん。でも、その手は震えている。色々な葛藤があるのだろう。俺は彼女の戦いだからその手をとろうとは思わないが、でも横にいようと思い邪魔な奴を退かして彼女の横に立つ。

伯父さんは何かを考えてから確認するように聞いてきた。

「はい、申し訳ありませんが」

 隣に来た俺に気がつき嬉しそうに微笑む麗子さんと俺を見て、「ああ」と納得し頷く秀太伯父さんが、普通に、

「やっぱり、本家は嘘を言っていたんだね。解ったこの話はなかったことにしよう」

 と家の父同様に簡単に頷いた。

 吃驚している麗子さんに伯父さんは、気がついたのか応えてくれた。

「本家(麒麟家)からの打診はあったんだが、君が太郎との婚約を望んでいると聞いていたんだ。

 でも、時おり会う君(麗子ちゃん)は太郎と一緒にいても楽しそうじゃなかったのを知ってたんだ。

 周りが緊張しているとか言っていたし、君に直接聞こうと席を立とうとすると他の人間が気を見たのか話しかけてくるしで喋れなかったから、だから、今回君がどう思っているのか聞けてよかったと思っているよ」

 優しい笑顔を浮かべる伯父さんに俺はついつい聞いていた。

「だったら、もっと時間を作ったり、連絡手段確立して聞けばよかったジャン?」

 そしてら、伯父さんは申し訳なさそうな表情をして、

「すまない。仕事が忙しいとかは言い訳になるから違うのだが、親戚だし、ちょこちょこ会うから次の機会があればでいいや出先延ばしにしてしまっていたよ。

 すまない。」

 唖然とする麗子さんと俺。トントン拍子に婚約が解消して呆然としているキンタ。

 そこにさらに伯父さんの過去話を若干入れてくる。

「正直私も元々許婚がいたんだ。・・・」

 ああ知ってます、母ですよね? 心の中でふと呟いてます。

「私は彼女とちょこちょこ会っていたのだが、正直会わないなと思っていたんだ。でも家のために我慢しなきゃとか思っていたときがあったんだ私はね。

 でも、相手の子は違ったみたいで、・・・」

 母を見ている伯父さんに母が快活に笑って、

「それ、私ね」

 相槌を入れる。が伯父さんは話す。

「うん。で、その子といってもツバメさんなんだけど、海外に逃げちゃったんだよね。まぁ、所為、振られたという状況だったんだけど、その後ツバメさんとそっくりだけど性格は真反対で大人しい女性のスズメさんを紹介されてお互いに一目ぼれして相思相愛になったんだ。

 私は今幸せでね。

 だから、何が言いたいのかというと、君が我慢しないで本当に好きな人と一緒になってくれたほうが良いと思っているんだよ。

 現に昔の許婚が幸せそうで今はいい友達でいるし、だから、僕も好きな子がいるなら家族のために我慢でなくて好きな事一緒になってほしいと思うから君の考えを尊重するよ。

 太郎もきっと・・・・」

 伯父さんはとてもいいことを言っている。とても、麗子さんが泣いてしまうくらいいいことを言っているがキンタのことは気づいていなかった。気づいていなかったが、今、太郎もの下りで気がついた。

 キンタが白く燃え尽きているのを。燃え尽きて呆然とした今にも風で飛んでいきそうなキンタを見て、気がつく。

 息子は麗子ちゃんを好きだったのか!! と、でも麗子さんは、伯父さんの言葉が嬉しくて、グスッグスッと涙目の麗子を交互に見ていると麗子が歓喜とお礼の言葉を述べる。

「おじ様、麗子は嬉しく思います。こんな勝手な事を言ったのに応援してくださるなんて、

ありがとうございます。麗子は麗子は龍様と幸せになります!!」

 そして、この恋愛ごとに太郎と同様に鈍い伯父さんは気がついた太郎の恋敵が俺(龍)であることに。

 伯父さんは苦笑いして、う、ううん。頷いてこれ以上の発言をしないよう注意しだした。

 おそらく、今日家に帰ってキンタとスズメ伯母さん交えて家族会議になりそうだ。

 そして、こっちは全部理解したうちの父母が色々なことを考えてニヤニヤ笑いあっている。おそらくあの変の笑いは俺を魚にしている感じの話だ。

 すさまじくこの部屋、カオスだ。

 このカオスはコレより30分ほど続くのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ