55 親友の会話 上 下 3
俺達は、本の僅かな時間それぞれの立場から見た俺の親父の事を思って、やや気落ちすることに成ったが、「取り合えず、生」みたいな感じで、行こうか?と、指を指した。
キンタもその意味を理解して、二人して肩を並べて歩き出した。
僕らのこのような行動を見て僕らの知り合いは、大概こう言う。
『お前ら、喧嘩してたんじゃないの?』や『お前ら、喧嘩にならないの?』とかが多いが、四六時中基本一緒に居る双子張りに生活していた為か、「まぁ、しょうがない」で納得してしまう。
もっと、言ってしまえば俺とコイツに関しては、遺伝子の半分が同じと言っても過言ではなかったりする。
というのも、お袋同士が確かに姉妹なのだが、一卵性の双子で、遺伝学上は同じ遺伝子を有している。(まあ、性格が真逆だけど)
ゆえに、僕らの遺伝子を構成する上で一番強く有しているのは親父の血と言う事になる。
ハァ~・・・・・。コイツになりたいとは思った事はないけど、もう少し・・・・いや、ないものねだりだ辞めておこう。
「ねぇ、ところでコタツ。
いつからこんな特殊な・・・・こと、出来るように成ったの?」
二人でサクサクと枯葉や枯れ木を踏み音をさせ、小さな山から下りている途中に無言より、放したくなったのかキンタが聞いてきた。
俺はキンタの質問にとても疲れた人の顔をして、短く答える。
「中学生くらいの時・・・かな・・・・・」
「それは叔父さん、関与?」
「ああ、親父は自分の子供に何かがあった時に強く生き残れる存在が欲しかったみたいだ。
その一貫で今回も連れて行かれそうに成った。」
疲れ切った俺の表情を見て、キンタも想像して「そう・・・・なんだね」と何かを考える様子を見せる。
まあ、そんな事はどうだっていい。
向う先から声が聞こえ始める。
「おーい! おーーい! 軍曹――ォ!! 太郎クーーン!! 居たら返事をしてくれーーーー!!!!!」
「おーーーい!! グンソーーーー!!!! 麒麟家の御曹司ぃぃぃ!!!」
「若――――!! 麒麟家の御曹司はどうでもいい!! 若―――――!!!!」
どうも捜索隊に混ざっているのは自衛隊とうちのオカンの家の男衆らしい事がわかる声だった。
まあ、現状現状だから俺も大声を出して、返事を返した。
「俺は、ここに居るぞーーーー!」
数秒の時間を置いて下のほうから歓声が上がったのだった。
あでゅー




