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12話 上 下 6 中


「いや、〈酷い〉とかじゃねーから、一通り内容知っている俺から言わせて貰えばお前らのほうが酷いから、つーか最低だから」

 オブラートの包む事を忘れたかのような、ただひたすら攻めるようなその言葉が聞こえたのはこのときだった。

僕は・・・僕だけではなくリンカとアーコ、それに回りの野次馬達はコタツを見た。

「わ、私たちのっ、何処がっ、酷いって、いうのよ!」

 若干泣きが入っていたアーコがコタツに噛み付くように叫んでいた。

「いや、そうだろ。

 お前らコイツに好意を今まで向けてきたんだろ?

 ・・・でも、こいつ(キンタ)に、好きだと、貴方が好きですともっとも解かり易い言葉でアピールしていたわけではなんだろ? ・・・で、終いには自分たちの思いが高ぶってこういう形の告白になってしまい、キンタがお前らの気持ちに気が着かなかった事に傷ついて悪者にしているけど実際は中途半端なことして迷惑掛けられているのはキンタじゃねーか」

 最初何を言い出すんだという雰囲気だったのに言葉を明確にすると回りも確かにと頷ける話しになった。

 僕は親友に救われた気がした。

 そして、親友は女の子達に僕だけにわかる悪意に満ちた追い討ちを掛け始めた。


「つーかさお前らキンタのこと好き? ・・・・なんだよな?」

「そっ、そうよ・・・」

「でも、最終的に好きな相手を悪者みたいに追いやったのか?」

「・・・・・・」

「実際の話、お前らは別にキンタのことを好きじゃないんだろ?」

「・・・・ふっ、ふざけないで! キリン君のことを好きじゃないなら、こんな事になってないわよ!!」

「って、いうけど、本当に好きだというなら、好きな相手を傷つけないように上手くやるか、そっと、見守るものなんじゃねーの?」

「・・・・・・・・」

「もう、解かってんじゃないの?」

「・・・・・・」

「お前らは、キンタが好きなんじゃない。自分自身が好きだから、自分の思い通りにならないからこんなことをしでかしたんだろ!?」

 人のせいにすんなよ。と冷静に冷徹に止めを刺した。

 恐らく刺しすぎたんだよな。この時に。ま、この後、俺の目の前にいた女共はギャン泣きしだし、俺が悪者チックに鳴り出した。

 でも、俺からも言わせて欲しいんだが、こいつらに何度も割を、ストレスを食わされた俺としてはここまで言ったっていいじゃないかと思うのだが、女共は女共の結束がある。

 翌日からどう伝わったのかは、知らないが今回の元凶は俺と言う事になり、女共からは総すかんを位、男共には英雄に祭り上げられたがこの時の結果から俺は思春期の女を・・・・サカリの着いた雌を嫌うように成って行ったのだった。



 その後、騒ぎを聞きつけた教師共がやってきて、現場の収拾に努め、関係者は事情聴取することになり、僕らの移動授業はそれで終わった。が、俺とキンタについては終わっていない。


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