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9話 コタツ 下 3

俺と父は僅かな旅行道具とトランクケース一つを持って、夜ので海の近くの海上自衛隊駐屯地の中でも船を見ながら父は笑顔で俺は考えることを止めていた。

……イヤッ! やめちゃ不味いだろ。

何で!? 何で、こんなところに居ちゃってる俺たち?

父の横顔見てもニヒルにライトアップされてる空母見てるだけだし恐怖以外何者でもねーよ。


心の中で今の気持ちをぶちまける俺は声に出せないでいる。

だって、海自の人たちが忙しそうに所々駆け回り、何か見送りの家族が百人くらい集まってるんだもん、声を出して父に詰問できるわけない。目立つわ!!


とは言え、聞かなければ俺の疑問は解けない。

「ねぇ、父さん。ちょっと聞きたい……」

振り返り心を落ち着け聞きたかった。

父は先程まで居た場所に居なくなっていた。

………あああああ!!

左右何度も見、念のため前後、上下を確認。


結果。 イナイ。

「少年、大丈夫か?」

俺の心に余裕を無くし呆然としていた所に海自の制服を着た自衛官が話しかけてきた。

え? 俺はお兄さんがいることに疑問を思いじっと見る。

お兄さんは俺が見ている理由に気がつき話してくれる。

「いや、君が突然発狂し、誰かを探すようにしてたから」

迷子かな〜と来てくれたらしいが、俺発狂してたんだ。

「あ、いや、ごめんなさい。一緒にきた…」

父さんが居なくなって、と俺は言おうとした。が何処からともなく父の声が夜の港に響いた。

「おーい! リューウ!!」

 手を挙げて近づいてくる父。

 夜間でライトは点いているとはいえ暗さのため階級表は見えない。

 海自の兄ちゃんはうちの父の階級表が見えるところまで近づくと急激に慌てだし、お疲れ様です。ときれいな敬礼をする。

「すまなかったな。ちょっと面白そうなものが見れそうだったから、ちょっくら行っている間にパニック起こしたみたいだな。がはは」

 父は敬礼を返して気さくに若い自衛官に話しかけた。

 海自の兄ちゃんは父の話を聞き、緊張して頷いている。

 というのもウチの父陸上自衛隊の二佐だったりする。父曰く『俺はある一定の条件下の中では下手な少将よりも権限が上だ』胸を張って言っていたがこれには理由があるが今はそれどころではない。

 

 俺が父の名言を思い出している間に父たちの話は終わりをつげ、海自の兄ちゃんは逃げるように去っていった。

 さてここで本題だ。

 父さん! 焦る気持ちを落ち着かせていったつもりだが、父の手が俺の前に来、俺の発言を止める。

「お前の言いたいことはわかる。が今回は安心しろ。俺の若い時の話をした密航なんかはしない。ちゃんと許可は取ってある。というよりもだ、海外旅行に行くと上に報告したら、『ついでだから船(母艦)で連れて行ってやるよ』って言われていただけだ。ここに来るまで教えなかったのはお前をびっくりさせるためさ」

 父は俺に驚いたか!? と言うようにどや顔で言ってくる。

 この時の俺は父の言葉に一気に安心し深く考えることをやめた。

「それと今回船に乗せてくれる艦長さんにあいさつに行くから元気よくお礼を言うんだぞ! 本来だったらこんなことは普通の自衛官でもないんだからな!」

 俺は元気よく頷き、乗船時までじっと待ったのだった。



 船に乗った時、父の伝手で母艦の艦長さんに会った。

 その時元気よくお礼を言ったんだが、後々考えてみるとあの艦長さんのドン引きした表情が今の俺には理解できる。この後の俺の悲劇が始まるのだった。

次話 コタツ 下 4



後、次話が投稿されるまで暇だと思われる方は、


小説名


とある兵士の(非)日常


香ばしい少年ヒーロー


と言うコメディー小説上げたので暇潰しがてらに読んでわいかがでしょうか?

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