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7話 コタツ 下 2

「聞こえてんなら反応してくれない?」

 と、冷徹な声を出して、聞いてからハヤ五分たつ。

 俺の気持ちとしては後、五分でHRが始まるから話がないならどっかいってほしい。

 ん? 黙ったダチに苛立ちや怒りを覚えないのかって? 覚えないね。悪いことしたと言う気持ちから許している訳じゃないことは伝えておこう。


 では、なぜか?

 それはねキンタの表情が何顔諦めた死んだ顔になっているからだ。

 正直にこの顔には覚えがある。そして、記憶にまだ新しいせいで俺まであの時の事を思い出してしまう。


 中ーの夏頃であり、父に四度騙された記憶だった。

「お前(俺)、一週間後には夏休みだろ? じゃあ、暇だろ!」

 嬉々としてそんな質問をしてくる父がいた。

 俺はと言うと過去三回に渡る父の子供教育に付き合わされている。

 その中で四度目は父の、そして俺の集大成である。と言うか集大成でなくば次は俺が死んでしまう!


 一端落ち着こう。じゃないとあの悲惨なこと思い出して体が病的に震えてきやがる。


 ふー。…よし!


 あの時の俺は全力で拒絶して見せた正直俺にくれるのか?と疑問に思いつつ野生動物さながら警戒心全快で手を伸ばすことはなかった。

 父は鼻でため息を着くと、そんなに父は信用ないのかと寂しそうに笑い、

「ああ、今までの事はすまないと思っている。

だがな、父はお前に強い子に育って欲しかったんだ。だから自衛隊の新隊員教育や夏・冬のレンジャー教育に出したんだ。(三年がかりで)」

 父はいつの間にか神妙な顔と父の愛で俺に訴え掛けてきて、俺もなんだか心にぐっと来つつもきっと『何かある』で踏み止まていた。

 父は優しく俺に微笑みかけ言葉を紡ぐ。

「だからさ、父さんは今までのお前の労を労おうとちょっとした企画を催すことにした。」

「…企画…?」

 俺はついに喋った。

 父は驚くように目を開き、小さく「ふっ」と笑い、すぐに優しい笑顔で微笑んだ。

「ああ、なんと海外旅行をプレゼントするぞっ!!」

「えええっ!? 海外に行けるのっ!」

 本当にっ、て聞き返したわ。

 父も何だか猛烈に楽しそうに「本当さぁ!」と頷いている。

「だから、このお金は海外行って友達にお土産買うお小遣いってことさ。」

 そういって父は、中ーには大金の5万円を差し出し、良い笑顔して頷いていた。


 そして、渡航当日父と俺は荷物を持って一隻の空母艦と3隻の護衛艦の前にいた。

次話 キンタ の続き

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