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立ち入り禁止の家
駅の反対側の住宅地に、行ってはいけない家があるらしい。
20年前くらいに建てられた、形は普通の一軒家。
人気はないが誰か住んでいるらしい。
その家はひどく汚れていて、壁に蔦が這っている。
玄関の扉は釘で打ち付けられていて、全ての雨戸が閉められている。
人が出入り出来なくなっている。
ただし、家の真裏の一階のトイレの窓から、格子を外して中に入れるらしい。
中に入ると一階はゴミの山になっている。
二階にあがると、畳の敷かれた大部屋がある。
そこに赤い着物の女がいた。
女は、この家は独立した国家なのだと力説する。
入って来たからには、ここの国民にならねばならないと言う。
話を無理やり遮って、入ってきたトイレの窓から逃げ出す。
絶対に関わってはいけない家。