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蛞蝓の星の者
ガレージにナメクジ星人を匿っている。
人間と同じくらいの大きさで、ナメクジを立たせたような姿をしている。
不快なにおいがする。
ナメクジ星人は水を求めてこの星に旅をしてきた、と少女は言った。
少女といっしょにナメクジ星人を助けることにした。
毎日、ガレージに水を運んで、彼らにかけてやった。
それでも日に日に、彼らは弱っていった。
ある日限界が来た。水が足りなかった。
公園の噴水に行けば助かるかもしれない。少女が言った。
夜、ガレージからナメクジ星人を連れ出す。
懐中電灯に反射するナメクジ星人。
ナメクジ星人を歩かせる。
歩く度に彼らは少しずつ溶ける。
噴水を前にして、ナメクジ星人立ちは全て溶けてしまった。
一人、地面にへばりついた残骸を眺めた。