赤い魔物と黒の人―その3―
「で、ボウズ、お前が探してる魔物ってのはどんなだ?」
「ん、とにかく体毛が赤いやつら」
「体毛が赤い?そんなやつここらには辺に住んでないだろ」
「いや、それがいるんだよ。多分人為的に何かされたやつら何だけど、通常より強い上に理性がぶっとんでる」
「ワハハハ、魔物に理性を求める方がおかしいだろう」
「同じ種族を傷つけてまで攻撃してくる奴等だぞ?普通のやつらはそんなことしない、あいつらだって多少は物の分別がついてたんだよ」
「ふーむ、そいつは知らなかったな。あんなやつらにも理性があるのか」
「確かに俺らを見つけるなり襲いかかってくるあれに理性がなんて信じがたい話だけどね」
どこかズレた話を繰り広げながら、俺達は町からでて森の近くまで来ていた。話し合いの後、日が頂点を回る間にさっさと行こうということになり、そのままこちらへ来たのだ。隣でガシャガシャと常に音がなるお陰で、計画通りに集まる魔物とここにくるまでに既に何回か襲われたのだが………。
その時、近くの草むらがまたガサッと動いた。
「お、またお出ましか?」
また数回ガサガサと動いたと思ったら予想通りそこから魔物が飛び出した。ガァルッと鳴きながら三匹の普通のジャバがこちらに走り来る。
「またハズレか…」
そんな簡単に終わるとも思ってはいないが、思わずため息が漏れる。できれば魔物の住みかである森につく前に終わってほしいという淡い期待はまだ捨てきれない。
「よっと」
そんな走り来る三匹を、グラニドは肩に担いだ大剣で軽く撫でるように切ると、それだけで三匹は血を撒き散らしながら吹き飛んだ。相変わらず怪物のごとき力を振るう男だ。ただ今度は、吹き飛ばしたその後ろから更なる影が現れた。そいつは俺のトラウマである、人ほどの大きさで、ただでかいだけのはずなのに群れると厄介なことこの上ない魔物、グランドボア。
「ぬん!」
グランドボアの猛烈な突進を大剣を横にして受け止めるグラニド。その隙に俺は剣を抜きざまに前足を1本切り落とし、そのままの勢いで剣を思いっきり眉間に突き刺すと、グランドボアは足をばたつかせながら力尽きた。
「終わったようだな」
突き刺した剣を引き抜くと、それまで止められていた血がそこから吹き出して、俺の外套を少し濡らした。血と、獣の臭いが入り混じった臭いに顔をしかめながら、剣を奥まで突き刺したときに感じた、確かに生があった感触を手を軽くふって振り払う。
魔物のなんてもう何匹か分からないほど殺したが、未だに殺す感覚には慣れることが出来ない。日本では動物を殺すことなんてまず無かったから、こうして敵意を向けてくるようなやつでも殺した後の後味が悪い。まぁ最近はそれを感じる回数も減ったが、これはこっちに来て俺も少しずつ変わって来たということだろうか。
「はぁ、もうこいつらが出てきちゃったのか」
「こんなので嫌がってたら後が持たないぞ、うだうだ言ってないで早く覚悟を決めてしまえ」
「分かってるよ、大丈夫」
「本当にか?」
グラニドは疑うように俺の顔を見てくる。数秒の沈黙が生まれたが、俺は自信をもって返す。
「もちろん、今回は前回と違って理由があるからね」
「ふ~む、ならいい」
あれ?何だか思ってた反応と違う。ならいいって済ませるような話じゃないのに。俺まだあの話を話してなかったっけ?
「あれ、グラニドさん」
「何だボウズ」
「明後日の夜にあの町で大規模な魔物の進行を受けそうだってこと言ったっけ?」
「ハァ?お前何を言ってるんだ」
眉をひそめて睨まれる。別に俺は悪い冗談も何も言ってないんだけどな。
「いや、俺とした魔物の話を思い出してよ」
「毛が赤いという特殊変異の魔物のことだろう?」
「うん、その時に俺言ってるよね?」
「何をだ?」
まったく、ここまで言って何で分からないんだろうか。今の話と確実につながる話をしているというのに。
「人為的にやられた可能性が高いって」
そこでようやく話が繋がったのか今まで細められていた眼が大きく見開かれる。
「つまり今探している奴等を利用してやられるってことか!?お前は何でそういう大事な話を前もって言っておかないんだ!!」
何で言わなかったとか言われてもそんなことの答えは常にひとつしかないだろう。
「うん、忘れちゃってたぜ☆」
すると途端にグラニドの顔が怒気に満たされる。
「バカヤロウ!!なに考えてんだ、そんなの人の命に関わることだろうが、忘れたで済ませるんじゃねぇ!」
今までに無いくらい激昂するグラニドに流石に恐怖を覚えて、流石にふざけるのを止める。
「いやいや、別に考え無しだった訳じゃない。確かに対策をしっかりとるなら、あの場で話して他の人にも伝えてもらうべきだったけど、何しろ何も証拠が無いんだよ。俺だって昨日襲われて張本人に聞いたばかりなんだよ」
「いや、それでも……」
「襲おうという奴がわざわざ他人にその予定を明かすなんてことは普通しない、だから信じきる訳にはいかなかった。それにエミナに頼んでもしこの話が嘘だったら彼女の家の信用に関わる、商人である彼女たちにそんなことさせたら生活に関わる。だから軽々しく頼めないんだよ」
実際は忘れていたというのが大半を占めていたのだが、一応こういうことも考えてはいた。俺の過ちで誰かの人生を狂わせる訳にもいかないし、最悪正体バレてもいいから本気でやれば何とかなるとも思っていた。
「う~んそうか、それなら仕方ないか…」
そうして軽く肩を落とすグラニド。正直俺は彼がここまで怒ると思ってなかった。確かにあの反応は普通に思えるが、こんな田舎町で調査の護衛なんてよくわからない依頼へ即座に一人で頼むほどの暇人、そして戦いを好む姿があいまって俺は彼にただの戦闘狂というイメージしか無かった。
だからこそ気になったのかもしれない。
「グラニドさん」
「ん、何だ」
「あんたは何のためにそんな戦っているんだ?」
ただの戦闘狂では無かった、ならばそれなりの戦う理由が彼にはあるはずだ。俺はその答えに非常に興味がある。そんな俺の好奇心を知ってか知らずか、グラニドは真剣な顔をして考え込み、しばらくして顔をあげた。
「それは…俺がこの町で一番強いからだ」
「期待して損したわ!!」
あまりにも悪い方向へ予想通りだよ!!
「おいおい、人の話は話は最後まで聞くべきだぞ?特に年上のはな」
「え、そんな出だしで始まる話に何を期待すればいいの?」
俺が最強だなんて言い出しちゃう真性の戦闘狂の痛い大人に、学ぶ事があるとは思えないんだけれど。
「まぁそう言うな、俺が一番強いってことは他の奴等は俺よりも弱いってことだ」
「いやもういいんだけど……どうでも」
うんざりした俺の声を気にすることもなくグラニドは続ける。
「俺はこの町が、好きだ。王都にいた頃のような目新しいことはないが、必死に毎日を生きる温かいこの町の人たちが好きだ」
…うん?急に何の話だ?
「だがこの町は魔国に近く、国境付近の比較的強い魔物が来る。町の冒険者でも複数人で行動していれば大丈夫だろうが、万が一にやられる可能性が無いわけではない」
その真剣な語り口調に引き込まれ、気づけば俺は彼の話を真剣に聞いていた。
「そして俺はあいつらより格段に強い、これは他の冒険者を卑下している訳じゃない。別にあれだけ強ければ仲間とともにいれば問題ないだろう。ただ、俺はこの手で自分が好ましいと思った環境を人を守りたい…ええっとつまり…」
言葉に詰まったグラニドは頭をがしがしと掻き、そして再び言葉を絞り出した。
「何かのためというならば、町の人を守るためだ。一番しっくりくる言い方をするならば、自分の手で守れる奴でありたいからだ」
その内容はあまりにも単純で分かりやすくて、だからこそ俺はそう思える彼がとてもまぶしかった。
「ほら、俺が魔物を呼び寄せてあれだけ戦えば、少しでも他の奴等の危険が減るだろう?」
そう言うグラニドの口調がまるで何かを弁明しようとしているようで、俺は思わず小さく笑った。
「ん?何かおかしいことを言ったか?」
「いや、別にそういう事じゃないただ」
「ただ?」
「結構格好いい大人やってるじゃんと思ってね」
俺の言葉にグラニドは目を丸くし、やがてその巨体を大きな笑い声で震わせる。
「当たり前だ、お前は俺の何を見ていたんだ」
「ただ戦っているんじゃ何やってるのか伝わってこないよ」
そんなに遠回しに守ったって誰が気づくものか、やり方が不器用というか強引というか。危険にさらさないという行為としては最善だろうけど、格好つけすぎじゃないかと思う。
「まぁ、やりたくてやってるならいいのか」
「そういうことだ。さぁ、さしあたってはボウズのいう赤い魔物とやらを片付けようじゃないか」
気づけば二人とも足を止めていて、太陽も頂点手前まで昇っていた。遅れを取り戻すように少しスピードを上げて歩き始めたグラニドの隣へ並ぶように、俺も速度を上げて歩く。
歩いている間、モヤモヤとした感情が俺について回っていた。
英雄と呼ばれるように頑張って、最終的に逃げ出した俺は、結局どうしたかったんだろうか、何になりたかったんだろうか、……どうありたかったんだろうか。
目的地の森には、太陽が頂点を回る頃に着いた。手前の木々の間から落ちる木漏れ日がとても神秘的なのだが、奥の方は昼間なのに薄暗く、それがとても不気味に感じられる。
「えーと、町で話した通りやることとしてはひたすら魔物を狩るだけ。ただ最初に行きたい所があるからついてきてね」
これから長い戦いになるであろうから、最後に今一度確認しようとグラニドに話を振る。が、それもあまり必要無かったようで。
「ああ、大丈夫だ理解している。さぁ早く行こうじゃないか」
「そう?じゃあ行こう」
軽く応えて、俺は走り出す。目指すのは一昨日見た死体の山。後ろに続くグラニドの鎧がガチャガチャと鳴り出す。それが辺りに響くと、薄暗い空間から不気味な魔物の鳴き声だけが返ってくる。
さぁ、調査開始だ。
召喚されたことの効果で飛躍的に向上された脚力は、足場の悪い森のなかでもそれなりの速度を作り出し、俺は風をまといながら鬱蒼とした森を駆け抜ける。行く手を何度も枝に遮られるが、それを払い、切って落とし、とにかく止まることなく進む。何度かバスケットボールぐらいの大きさのコウモリ、スニーグが襲ってきたがそれも一撃で切って落とす。必死に走る間ずっと後ろの方で笑い声と轟音、それと何度か木が倒れる音がしているのが非常に気になったのだが、それよりも想像される情景が恐ろしく感じられて後ろを一度も振り向けなかった。
5分くらい走ったところで俺達は急に開けた場所に出た。無論俺とフリアが戦闘した場所だ。そこの一角に位置する死体の山があった場所に近づくと、徐々に腐臭強くなってくる。俺は外套で軽く鼻を覆うが、鎧姿で覆える物など持っていないグラニドは物凄く嫌そうな顔をしていた。
「着いたのか?」
「うん、あそこ」
後から近づく魔物が気がかりで、自然と早足に山へ近づくがその前でかがんで調べている人影を見つけて俺達は速度を落としす。
「待って」
「ん?どうした、あれを見に来たんだろう?」
「いや、誰かいるでしょ」
あんな怪しい奴を気にしないで行けとか、このおっさんは何を言っているんだ。
「屋敷の人たちが調べに来たんだろう、気にせず行ってこい」
確かにそうなんだけれど、調べている奴は黒めのフードを被っているのだ、どうにもあの夜の奴が思い起こされる。今更自分達が捨てたあれを調べるもなにも無いとも思うが、ここは一応用心していこう。
「分かった、行ってくる」
俺は剣を取りだし、なるべく自然な感じで静かに歩き出す。フードを被った奴は全く気づくようすもなく、俺は簡単に背後をとることに成功した。そしてそのまま背後から首筋に剣先を当て、首を押さえる。
「っ!!」
「動くな」
ビクッと動きはしたが、何とか力で抑え、更に首もとの剣を主張する。
「お前は屋敷から来たのか?」
しかし、何をいっているのかというような様子で反応が無い。するとフードの奴は剣に映る俺の顔がちらりと見た。
「……!!」
何故か驚いたような反応をし始めるフード。いったいなんなんだろうか。
「ボウズ避けろ!!」
呼ばれてとっさにその場から離れながら振り向くと、ついさっきまでいた右肩の辺りをナイフが通過していった。そのあまりの速さに、魔物と戦いのなかでは久しく感じなかったほどの危険を感じる。フードの奴はその隙をみて攻撃をしてくる様子はなく、ただ離れていった。森の奥から同じような格好をした奴等が更に二人現れ、気づけば俺らは囲まれる形になっていた。
「大丈夫だろとか言っていたのはどこの誰だっけ?」
ぜんぜん話が違うじゃないかと背中合わせのグラニドに言うが、彼は別にこんなのなんとも感じていないようであまりの緊張感のない声が返ってくる。
「どこの誰と言われても、ここの俺だがそれがどうした?」
「どうしたって、俺達襲われているんだけど?」
場合によっちゃさっきの話の奴かもしれないのに、グラニドはさっきからあ~だのう~だの歯切れが悪い。
「まぁあれだ、あんまり強くなさそうだから勝てるだろ」
いったいそれは何の根拠をもっていっているのか分からないんだが。しかもそれが相手に聞かれていたのか、心外だとばかりに三人ともこちらへ向かってきた。
「ほら、余計なこと言うからこうなる!」
俺の方に一人、グラニドへは二人が襲いかかる。俺は片手剣をもつ相手へ、牽制に魔法で作ったナイフを投げるが危なげもなく弾かれてしまう。見るからに相手は手慣れているんだが、これのいったいどこが弱いのだろうか。
俺とグラニドへはお互いの背を弾くようにして相手へ走り出す。上段に振り下ろしてくる剣を直前で思いっきりバックステップして避け、その振り下ろした剣を狙って俺も剣を振るうがそれは剣の腹で受け止められてしまう。だが更に俺は左手にナイフを顕現させそれで切りつけるが、それも避けられてしまう。苦し紛れにそのナイフを投げつけるが、相手も盾を反対の手に作り出して楽々と弾く。
むう…地味に強い。そもそも俺は剣の腕がたつほうでは無いからな。何て言い訳を心のなかでしてみる、実際精霊魔法とか使えば瞬殺出来るだろうけれどそれも今じゃ無いものねだりだ。ならば剣士のように剣だけでじゃなく、俺らしく色々やっていきますかね。
お互いに距離をとって仕切り直す。半身に剣を構え、剣先を遊ばせるようにゆらゆら揺らす。そのまま場が硬直するかと思われたが、相手は先に動き始める。滑るようにこちらへ近づいてきて、俺なんかと比べ物にならないほどしっかりと体重が乗った横なぎが繰り出される。それを腕力任せに剣で受け止めきる、そして今度はこちらから、左手にもう一度ナイフを顕現させて剣をへし折るように手元へ叩きつける。
「クソッ!!」
おお、こいつの声初めて聞いたな。なんて悠長なこと考えてたら、ナイフは寸前で相手の剣に弾かれてしまう。その直後、ナイフはその刀身をボロボロと崩しながら急に激しく発光し始めた。これは俺の予定通りである。俺も前見えないけれど。後は適当に相手を突き飛ばす。そうすれば、さっき相手の背後へ作って置いた鳥もちに全身くっついていているはずだ。
時間がたって徐々に光が薄れていくと、俺の目の前にはもっちもちの水溜まりに落ちたフード野郎の姿があった。
「な、何だったんだっ」
「さぁ?自分で考えれば?」
悔しそうな相手の声に、俺は気分よく返す。種明かしすると、マグネシウムと火薬を無理くり固めこんだナイフを作り出して、それにさっきの剣戟による火花で火を着けただけである。
相手の剣を手から奪い取り、俺はそれを地面に叩きつけて今度こそへし折る。まぁこれで無力化出来ただろう。もう終わっているのかとグラニドの方を見てみると、彼は既に戦闘を終わらせてこちらを見ていた。向こう側には敵が二人とも転がっていた、血が出ていない所を見るとただ吹き飛ばされて気を失ったという感じだろう。恐らく俺よりも早く戦闘を終わらせたのであろうグラニドが、ニヤニヤしながら俺の方に歩いてくる。
「ずいぶん遅かったんじゃないか?」
「別に競ってないでしょ」
こんなことで競おうとするなんてこの人は子供なんだろうか。そう、これは競い合いなんかじゃない、だから俺は悔しくなんて無い、悔しくないんだよ。
そこで何故かクククとグラニドから笑いが漏れる。いや、何なの?と視線を向けるがグラニドは何でもないと返してきた。何でも無いなら笑わないと思うのだが。
「次はどうするんだ?」
んっ、と軽く咳払いしてからグラニドは言った。それが会話をそらそうとしている物だと気づいてはいるが、それを追求してもしょうがないので俺はそのまま続ける。
「俺が襲われた奴の格好と似ているけど、声が違うし、赤い魔物をけしかけてこないからあいつとこいつらは関係無いと思う」
一応の見解を述べて、だから…と続けようとしてそういえばまだ顔を見てなかったことに気づいた。
「ちょっと顔だけでも見ておこうか」
そうしてさっき捕まえた奴の方を見るが、そこにあいつはいなかった。
「あれ?」
辺りを見ると、グラニドが倒した奴らもいなくなっている。ただ、俺の探し物は思わぬところから答がでた。
「あいつらなら、さっき二人の方がお前が捕まえた奴助けてどこか行ったぞ」
「は?」
いや、何いってんの?
「いや、だから逃げたと言っただろう」
「言ってよ!!」
大事な事でしょうが!!
「いや、てっきり気づいてるかと思ってな。それに関係無いとも言ったから別にいいかと」
「良くないでしょ!、少なくともこっちは襲われたんだよ!?」
いやぁ悪かったと頭を掻くグラニドにはあまり反省した感じは見られない。そんな態度に俺はがっくりと肩を落とすしかない。
「で、一応聞くけどいついなくなったの?」
「いや、だからあのとき次はどうするかと聞いたのだが」
あのときか!ずいぶんと早いなコンチクショウ。さて、もう普通の調査に戻ろうと死体の山に近づくが、すると急に地鳴りがし始めた。
ドドドドドドド………………。
となる音に俺は嫌な心当たりがある。その証拠に音を聞いたグラニドが喜色を浮かべている。
「喜べボウズ!リベンジマッチだ!!」
やっぱりかよ!と心で叫びながら俺もしっかり剣を構える。数秒後、森から次々と影が飛び出した。
「ブヒィィィィィイイイイイイイイイ!!」
ずんぐりとした体に鋭い牙、茶色の剛毛が身体中から生えている奴等がぴったり十体。
トラウマ再来ですかコノヤロウ!!