詩
名も知らぬ少女
名も知らぬ少女の小さな笑顔
顔も知らぬ青年のたった一言
声も知らぬ老人の震えた肩
名も知らぬ少年の一粒の涙
心に刻みつけられたものたち
目に焼き付けられたものたち
何も知らぬ人たちだったけれど、ささやかなものだったけれど、
確かに彼らは、私の何かを変えた
窓際
青々と広がる空の彼方
建ち並ぶビル群の向こう
そびえる山々の果て
辺りを覆う霧の先
どこまでも続く森の終わり
見えぬそれを見つめるのは、
現実からの逃避行か
未知への好奇心か
自由への羨望か
あるいは、