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地味少女
花の女子高生
ってよく言うけど、黒田真子には当てはまらないだろう。
ほどほどに長い黒髪
かわいくもなんともないメガネ
規則通りの制服
成績はちょうど中間
放送部に入っていて、行事とかでもいろいろ放送してる。
なのに、ほとんどの人から認識されてない。
男子たちによって、クラスで一番好きな女子ランキングが開催されたときには、好きな女子ランキングにはもちろん、論外な女子ランキングにも入らない。
球技大会が開かれたときは、一回もボールに触れなかった。いや、サッカーのときだけは触れた。相手が蹴ったボールが運良く頭をかすってくれて、真子はそれでサッカーが好きになったのだから。
他にも、真子の地味エピソードはたくさんある。それを本にしたら二冊くらいは作れそうな気もする。売れないだろうけど。
つまりは何が言いたいのかって、黒田真子は地味だということだ。例えば、全国地味な女子高生選手会なんてのがあったとして、その中で優勝なんて輝かしい成績すらとれない。地味に7位くらいをキープする。
それが黒田真子なのだ。
で、あるわけで…
黒田真子の異世界トリップは、地味に始まっていた。