2 出発
いよいよラルクの出発の時。
村の皆が総出でラルクを見送りに出てきている。もちろん私もだ。
「ラルク……気を付けてね」
私は、はにかむ笑顔でラルクを見送った。
それはまるで、周りからみたら、辛い別れを耐えてるように見えていたと思う。
「ああ。エリナの為にも早く帰ってくる」
そう言って、ラルクは笑顔で魔王討伐へと出かけて行ったのである。
ラルクの姿が見えなくなるまで、村の皆と一緒に手を振っていたエリナだったが、馬車が見えなくなると同時に、クルリと両親の方へ振り向き、懇願した。
「父様、母様……。私、、暫くの間、ゆっくり休んでも?」
「あぁ…、勿論。家の手伝いは気にせずに、気分が落ち着くまで少しゆっくりしてればいい」
両親もラルクの事でショックを受けていると思っているみたいで、快く承諾してくれた。
――よし!これで自由時間を確保できたわ。
あとは……。部屋に戻ってっと…。
私はまず、『修行の旅にでます。後で手紙をだすから、心配せずにいてください』両親に宛てた手紙を急いで書いた。
そして旅の荷造りを始めたの。
修行って何?っていうと……サーカスの団員のよ。
4カ月毎に移動サーカスは各地を旅して回っている。
アレン様もついには移動してしまうから、一緒について行こうと思うの。
きっと!このタイミングだと、両親も村の皆も、ラルクを追って旅立ったと勘違いしてくれると思う。
まさか、推しを追いかけるなんて、誰も思いもしないはず。
もちろん!入団テストに受からなきゃ入れないのも知ってるし、ただの村娘に何が出来るんだって話しだけど。
フッフッフ。
何を隠そう私ってば、前世の記憶があるチートってヤツで!そこは乗り切れるに決まってる…はず。
えええい!!無謀だって言いたいのは分かるけど、当たって砕けろって言うし、女は度胸っていうじゃない?
そこは推し活の粘りと根性の見せどころよ!
―――いざ出陣!!まいります!!
エリナはトランクいっぱいに、サーカス入団の為に必要な荷物をギュウギュウっと詰め込んだ。




