13 トラブル
外が何だか騒がしい…。
「…何でしょうね?」
「トラブルでもあったのかしら?」
食事も終わり、そろそろ店を出ようとしていたところだった。
「子供が貴族様の馬車に轢かれたらしいぞ」
様子を見に行った店員の声が耳に入る。
―――馬車に?怪我などなければいいけど…
それに相手は貴族。悪い予感しかしない。
私に出来ることなんて、何もないかもしれないけど。もしかしたら、ヒールが使える自分が役に立てるかもしれないとソワソワする。
「フーカさん、私ちょっと様子見てきてもいいですか?」
「えっ!?エリナちゃん!?」
私はフーカさんを店に残し、店を飛び出した。
カフェからでて50m程先に人だかりが出来ている。きっとそこだろうと思って近づく。「どうしたんですか?」って聞いてみると、
「少年が馬車に轢かれたんだが、中に乗っていたのが、運悪くトンカール領主の娘のバニラ嬢だったみたいだ。可哀想そうに…」
「少年の様態は?」
「意識がないみたいだよ」
私は慌てて周りの人に「すみません…」と声をかけながら人混みをすり抜け、どうにか前に出して貰う。
頭から血を流して倒れてる10歳くらいの少年を大切そうに抱きしめながら、その母親らしき女性が、泣きながら馬車から降りてきた従者に訴えていた。
「申し訳ございません。申し訳ございません。何卒、お許し下さいませっ」
「その少年が飛び出してきたから、馬車が揺れてバニラ嬢が頭をぶつけてしまったではないか!どうしてくれる!」
「申し訳ございません。申し訳ございません…」
「バニラ嬢の額が赤くなってしまったのだぞ!貴族に害をなしたらどうなるか、分かっているだろうな!」
「……っ!!…お、お許し下さいっ!申し訳ございません!」
母親は泣きながら、地べたに額を擦り付けるながら平謝りを繰り返している。その横には、グッタリとした少年…意識がない様子。
見ていて気分が良いものじゃなかった。
貴族と平民の差があるのはわかっているけど、目の前には怪我をして動けない少年がいるのに、まず目の前の命を助けようと思わないのだろうか!
何かっ…何か、いい手はないのかな??
それとなく、シレっと少年を助ける方法…!
いつもお読み頂きありがとうございます。
年始は何かと忙しく、次の更新は3日の朝7時30分になります。




