12 可愛い
「あれ?その子は?」
「うふふ〜。誰だと思う?」
「う~~ん…俺の知ってる子?」
アレン様が顎に手を置き、こっちを穴が開くほど見てくるでは、ありませんか。
フーカさんも、ダンテさん、ムカさんもが、ニヤニヤしながら結果を傍観している。
お、推しが……ジ――っと私を見つめてくる。
め!目が、目が眩しい~~!!
か、確実に召される……!
あぁぁ……魂が…ぬ、抜ける~~
口から魂が漏れ出てしまい、チーンとなって放心してしまった私に、フーカさんが「大丈夫?エリナちゃん!もどってきて~~」と肩を揺さぶる。
そんな様子をみてか、アレン様が私に気付いた。
「あぁ!!エリナちゃんか!!だいぶイメージが変わったな」
「これから私と街にデートなの。エリナちゃん可愛いでしょ?私の自信作!」
「ああ。可愛いな」
フワっと笑う推しに、か、可愛いって言われてしまった……。
――むしろ貴方の方が可愛いですっ!!って全力で叫びたい!!
これ以上は、もう過剰摂取ですっ!
推しで胸がいっぱいです!!
「フ、フーカさん!もう行きますよ!!」
フーカの腕をとって、逃げるように離脱して、街に向かったのだった。
☆☆☆☆☆
「わぁ~~!!」
目の前には、色とりどりの糸を駆使して作られた髪留めやリボンが数々並んでいた。
トンカール領地は織物が盛んだって聞いていたけれど、シルクに似た光沢のある素材で高級感と、なめらかな手触りが素敵だわ。
「これなんて、フーカさんに似合いそうです」
「これは?エリナちゃんの髪に映えそうよ?」
お互いに、気になるものを手に取って鏡の前で合わせてみる。どれも凄く素敵で迷ってしまう。
フーカさんと、あーだこーだ言いながら楽しく買物を終え、そろそろお昼になるので、一息するためにカフェでお茶をすることにした。
席にについて、さっき色々みてきたお店の話題で盛り上がる。
「どれも可愛かったですね」
「ええ。トンカールは色使いが素敵ね」
私とフーカさんの髪には、先程購入したお揃いの髪留めがしてある。フーカさんが髪留めをそっと撫でる。それだけで、色っぽくて同じ女性でも見惚れてしまう。
――私も、フーカさんみたいな女性になりたい。憧れちゃうなぁ~。
食事を終えてゆっくり食後の紅茶を楽しんでいると、店の外が何やら騒がしい。
「……何ですかね?」




