10 イメージチェンジ
サーカスが移動になり、新しい領地にやってきた。
故郷を初めて離れて、見慣れない街並みにテンションが上がっちゃう。
今いるこの世界は、真ん中に王都があり、それを囲むように6つの領地が存在している。
私が住んでいたのは、王都の南側にあったバリュエという領地の端にある田舎の地域だった。
今度訪れた場所は、バリュエ領地の隣のトンカール領地。
ここは織物産業が盛んな場所だから、ここにいる間に推しヌイの材料もゲットしたいなぁ〜って思ってるんだよね。
まずはサーカスの舞台を作ったり、準備期間が暫くあるから、今日はフーカさんと一緒に街を探索することになってるの。
「フーカさん!おはようございます」
「おはよ〜!エリナちゃん。う~~〜ん……」
出会ったそうそう、フーカさんが私を眺めて唸りだした。
?????、何かしら?
自分の格好を見てみる。
何を着ていこうか…、あんまり気にしていなかったけど、いわゆる田舎あがりの娘って感じの服に、いつも通りに茶色の髪を2つに三つ編みにしている。
そんなにいつもと変わった所はないはずだけど…?
「……エリナちゃんって、いつも三つ編みだけど、何かこだわりとかある?」
「……いいえ?……とくには、ないです。作業しやすいってだけで…」
「……お化粧は?」
「…日焼け止めくらいです」
そういえば!この世界に来てから、化粧っていう、化粧はしてないかも?
ラルクと外を飛び回って遊ぶことが多かったから、ソバカスができた頃から、日焼けしないように注意はしてたけど……。
ポンっとフーカさんが手を打つと、
「エリナちゃん!折角のお出かけだし、良かったらイメージチェンジしてみない?」
「……イメージチェンジですか?」
「そう!エリナちゃん、磨けば変わると前から思ってたの!まだ時間もあるし、私の部屋にきて!」
「は!はい」
目をキラキラするフーカさんの圧に、思わず即答してしまった。
「うふふ。楽しみだわ〜」
そう言って、フーカさんに手を取られ、フーカさんの部屋にやってきた。
――うわぁ……可愛い!!
フーカさんに案内された三面鏡の前に座ると、魔法のように、あれよあれよと三つ編みを解かれ、顔にはメイクを施され……
―――誰?これ……?
鏡には、可愛らしい少女が映っている。
「やっぱり、エリナちゃん!素敵だわ!みんなにお披露目しに行きましょう!」
「えっ!?え?!お披露目って」
「さぁ!行くわよ」
まだ戸惑っている私の手を引いて、フーカさんは部屋を出て、サーカスのメンバーのところに連れていこうと進みだした。
そ、それって!?
!!あ、あ、アレン様にも??
「ちょっと!待ってくださ〜い!フーカさん!!」
フーカさんにウルガの推しヌイを託してから、まだアレン様には会っていない……!?
心の準備がぁぁーーー!!




