表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

4月1日「花粉症」

僕はおそらく花粉症だ。


病院で直接診断されたわけじゃないから断言はしてないけど定期的に外に出ると咳と鼻水が止まらなくなる。


これを花粉症と言わずしてなんというだろう。外出恐怖症?あいにく僕はとても社交的な紳士なのでそんなことはないよ。


しかしこのままでは日常生活に支障が出る(もう出ているけど)。僕は重い腰を上げて近所にある病院に行って花粉症の証を手に入れ、薬を入手すると決めた。


病院について待合室で僕の順番が来るのを待つ。もちろんここに来るまでも僕は顔にとんでもない被害を受けてしまってボロボロになっている。花粉を僕は許せないよ。


「早坂さん。2番診察室にお入りください。」


小説を読んでいたら15分ほどで僕の番が来た。


「早坂さぁ〜ん、今日は花粉症でしたっけ〜、大変ですねぇ〜。僕は生まれてこの方花粉に怯えたことないからわかんないんですけど、すっごく辛いらしいですね〜。ま、そこ座ってくださいよ〜。軽く質問したら採血しま〜す」


何だこの医者。すっごくフレンドリーに僕のこと煽ってくるんだけど。しかもすっごいスピードで話が進んでいく。とんでもない人だ。


軽くアンケートを取られた後本当にすぐ採血された。

その間も及川さん(首からかけてるやつに名前が書いてあった)はずっと僕に軽口を叩いてきたけど、鋼の意志で全て無視していたので省略する。


ていうか絶対やり方違うだろ。こんなすぐ終わるものじゃないって。


「はぁ〜い。それじゃ1週間くらいで結果が出るからもう帰って大丈夫だよ〜、お疲れ様でした〜」

本当に一瞬で終わってしまった。


よく調べないで来たからちょっと待てば結果が出るものだと思ってたばかりに時間の空白が生まれてしまった。


折角なので、1週間分の空白を僕が自己紹介をして埋めてあげようと思う。


早坂一輝、7月生まれ15歳でこの春から高校生。趣味はゲーム(広義)と読書。



...残念ながら1週間も取り持つほどのステータスを僕は持っていなかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜1週間後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


申し訳ないがインチキをして時を飛ばさせていただいた。


今日は4月6日、検査結果がでたとのお達しを受けて鼻水ビロビロ涙ドバドバマスク男はまた病院へと来ている。


傍から見たら相当な不審者だな。通報しないと。


「早坂さぁ〜ん、お久しぶりですぅ〜当院は今日も大盛況でお待ちいただいてる方が沢山いるのでぇ、結果のご報告だけさせていただきますねぇ〜」


「まず1つ目ぇ〜、春に多い花粉ですがぁ、残念ながら陽性ですぅ〜」


知ってた。わかりきっていたことだとはいえ医者に言われるとなんか凹むな。僕が悪いわけじゃないのに。


「続いて2つ目ぇ〜。夏の花粉ですがぁ、これも陽性でぇす〜」


...マジか。そもそも今の今まで僕は夏にも花粉が飛ぶことを知らなかった。


「さらに3つ目ぇ〜、今度は秋の花粉ですがぁ、こちらも陽性ですぅ〜」


なるほどね。僕は花粉に愛された男らしい。まぁ、夏の花粉とかいうわけわからないやつもダメならこれもダメでしょう。


「ラスト4つ目ぇ〜。冬の花粉ですがぁ、これまた陽性ですぅ〜。大当たりですねぇ〜」


「大外れですよねそれぇ!?」


しまった。病院で大声で医者に怒鳴った挙げ句僕の猫かぶりクールキャラが偽りだとバレてしまった。


やはり今日は


「最悪な1日だ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ