最終章
夏祭り
久美に呼び出された瞳は
夏祭りの前日
伊佐本久美 から電話があった。
久しぶりに会って
話がしたい と言われて
指定された日時
指定された場所へ向かった。
そこには
伊佐本久美 と 赤浦夏生 がいた。
なぜ・・・?
少し、嫌な予感がした。
「先輩、私達 付き合うことになったんです」
衝撃的な言葉だった。
え?
付き合う?
いつからそんな関係に・・・?
「そう・・・、なんだ」
その後は何を話したのか
あまり覚えていない。
近況だったような気もする。
早々に家に帰った。
ショックで
しばらくの間、頭が真っ白だった。
もう、赤浦夏生君とは
話すこともできない。
心の中に ひとつの言葉が浮かんだ。
さようなら 赤浦夏生君。
しばらくは連絡を取らないことを心に決めて
自分の思いを封印した。
数年後
赤浦夏生と伊佐本久美が
同じテーブルで話をしている。
「先輩、綺麗ですね」
「そうだな」
瞳は 白いドレスで登場すると
席についた。
新郎の上司の方々の話がしばらく続いた後
高校の時の親友が祝辞を述べている。
久美子「すごい人と結婚したんですね」
赤浦 「そうだな」
「なぜ あんな年の離れた人と・・・」
伊佐本久美 は不思議そうに言った。
「そういう人だったんだよ、きっと」
赤浦夏生は言う。
「それって、どういう・・・」
久美子が言いかけた時
会話を遮って拍手が湧いた。
ケーキカットが終わり
次の余興が始まっていた。
結婚式はつつがなく終わり
会場の外のロビーで
ブーケトスが行われた。
キャッチしたのは
瞳の高校の後輩。
ブーケトスの通り
後輩の結婚はその後すぐだった。
あまり時間がなく
祝いの言葉を直接言う機会がなかった。
瞳はブーケトスの後
新郎を連れ立って奥へ消えて行った。
~終
瞳
人生の岐路。
タイミング。
何が人生を決めるのか
本当にわからないものです。
知り合いの人の実話を元に
書き起こしたものです。
このお話をされた女性は
ドラマか映画のようだねと
よく言われるのだそうです。
初めての執筆で
一気に書いたので
文字数が少なく
短編小説になりました。
このお話には
読者の皆様はお気づきかと思いますが
続きがあります。
たくさんの人に読んでいただけて
光栄です。