14.大波
小学生の時に
眼の前を通り過ぎた青年と
再び出会い
6月初めの日曜。
小5の時にすれ違った
自転車の青年に再び出会う。
彼は既に社会人になっていた。
お互いその事には
気づかなかった。
というか気づいていなかった。
公園の一角の看板に
大きな地図が描かれている。
それを眺めている男性。
そばには青いバッグがついた
ロードサイクル。
瞳「あのう 道に迷ったのですか?」
道が3方向に分かれている公園前の道。
遠方から来る人が道を聞いてくる。
この男性もそうなのかと思った。
光一「あ いや、そうじゃなくて
地図を見ていたんだ」
地図・・・
手書きで描かれているその地図は
景勝地 と
大雑把な地域の地図が描かれていて
かなり古いのか色褪せていた。
自分の家に帰ろうとすると
光一「少し 話しませんか
この辺のことを知りたくて」
引き止められてしまった。
けれどこのまま別れるのも
しのびなくて了承した。
近くの海辺まで行き
座って話をした。
話は弾んで
お互いの話になって
住所を交換して
2週間後に 文化祭があることを話した。
午後は高校の夏服を取りに行く。
季節は梅雨へ向かっていた。
名前は
上川光一
中学生の時 こっくりさんをした時の事を
思い出した。
3.波間 の続き になります。
今まで通り過ぎていた公園に
たまたま立ち寄っていたのだそうです。
偶然、というか
運命の出会い(!)