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波音の彼方  作者: 時任渉
12/17

12.波跡

卒業式

合格発表


人生の岐路

卒業式の次の日が

県立高校の合格発表。

合格の書類を受け取るため

学校に行かなくてはならない。

受験した高校で合格発表を直接確認した後

中学校へ。

書類を受け取って見回してみると

赤浦夏生の姿がなかった。


合格発表から数日後

なんとなく散歩で

広場近くの海岸へ行ってみた。

ぼんやりと砂浜に座って海を見ていると

赤浦夏生がいて

人差し指と親指を曲げて

両手で写真のフレームを作って

私を見ていた。


「な・・・なによぅ」

少し恥ずかしいし、焦る。


数歩そのまま近づいて来る。


「な・・・っ」


「はは 久しぶり」

屈託のない笑顔で話しかけてきた。


「う・・・うん 久し・・・ぶり」

ど、どうしよう 何を話そう。


「高校 どうするの?」

「私立学校へ行く

えびさんは?」

「県立受かったから」

「そうか よかったな」

「うん・・・」

「春から高校生だ」

「そうだね」


・・・

・・・・。


沈黙が続く。


「またな」

赤浦夏生がそう言って

広場の方へ戻って行った。


さっきの指フレームの意味は

わからなかった。

聞けずにそのまま。


踵を返して家に戻った。


指フレーム


絵を描く時に

よくやるやつ

と 赤浦夏生が言ってました。


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