表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
495/518

21-6.同。~その戦略、読み切って……引きずり出す~

~~~~最悪で馬鹿みたいな手でほんとにきやがった。どんな生産力だよ。チートか。


 途中、ストックを拾おうと思ったが、ネフティスが見当たらず。


 ……赤の腕輪を、少し弄ってから。



 優先すべきことがあるため、ボクはパンドラ近くに降りることにした。


 アウローラを低空まで持ってきて、飛び降り、地上に着地。


 龍はディードに頼み、そのまま飛ばしておいてもらう。



 ドッグからパンドラに入ったら、幾人かが出迎えてくれた。


 エイミーとマリエッタ、マドカとアリサ。


 ……よし。マリエッタとアリサがいれば、まずは大丈夫だ。



「共和国組は帰ってきてない?」


「ええ。あと魔都に行った人たちも。


 そっちで戻ってきたのは、ハイディだけよ」



 クエルとシフォリアもいない、か。


 となると、ここをこれ以上手薄にはできない。



「エイミー。ダンジョンから魔晶人が出て来てるみたいだ。


 それは?」


「こっちでも確認した。


 マリエッタに聞いたら、手段があるって言うんだけど。


 大丈夫なの?」



 マリエッタとアリサを見ると、二人が頷いた。


 これもまた、マリーも交えて準備してきたこと、だ。


 赤い腕輪を操作。彼女たちにピコマシンの大部分の権限を預ける。



「ピコマシンとアリサの力で、結晶破壊の魔導をばらまくんですよ」


「私は精霊の力を得たからな。マドカと合わせて、問題なくいける」



 頼もしい。


 わかりやすく言うと……ウィルスのようなものを、半島中に撒くんだよ。


 散布補助・管理にピコマシンを使う。散布そのものは、パンドラから専用弾頭を大量に発射する。



「エイミー、パンドラから二人に魔力供給を。かなり食うから。


 となると、こちらは四人で大丈夫だね」


「ハイディはどこか行くの?」


「ストックがいないんだよ」


「「「「!!??」」」」



 え。そんな反応するとこ??



「す、ストックがいないのに、ハイディが落ち着いてる……」


「雨じゃなくて、槍が降るやつでしょ、これ」


「荷電粒子砲が降ってくるのでは?」


「いやいや。ハイディ、すぐ探さないといけないんじゃ?」



 そんな反応するとこ……??



「リィンジアとウィスタリアも、帰ってきてないんだね?」


「ないけど」


「なら、居場所は分かりやすい。


 行き先も決まった」



 腕輪の示す相対座標も、予測と合っている。


 たぶん、そのうち座標点は消えるけど。



「どこに?」


「聖国だよ」


「「「「????」」」」



 あー……まだ説明してなかったしなぁ。



「最初ウィスタリアとリィンジアには、ボクとストックに対する融合機能が入っていた。


 同じ結晶だから、触ったら一つになるように、と。


 これはゲームの展開に戻すため……だと思ったんだけど」


「違うの?」


「それだけじゃないってことだよ、マドカ。


 やりたかったのは、聖女リィンジアの再現」



 どうしても、クストの根がいない中で東宮が仕掛ける戦略としては、違和感が抜けなかった。


 でも星帚という呪いを信奉する集団や、聖国とのつながりを思うに。


 彼らからの要望を受けての計画なんじゃないかな?これは。



 ストックの体は、リィンジアの本来の転生体。


 リィンジアベースで統合することで。



「それにより、『いと長く流れしもの』の活性化させる」



 彼らの聖女、そして信仰対象を呼び覚ます。



「え、活性化、するの?」


「奴はリィンジアを食って、そのまま封印されたそうだから。


 中にはリィンジア本体が、まだいるだろう。


 そして外に同位体がいれば、引き合う。


 ストックとリィンジアが融合し、聖女が没したという竜神山を訪れれば、出てくる」



 ドラゴン・ディードの発言からの、予測だ。



「大変じゃないの!?」


「だからアウローラを用意したんだよ。


 いろいろ必要だったけど、今の状態なら一人でも対抗できる」



 流れしものは、クストの根に囚われ、離反したというが。


 ならそいつを封じたときの再現戦って感じか?これは。



 もちろん、当時と役者は違うわけだが。



「だめじゃないの!!倒しちゃったら、ストックたちが……」


「そこも大丈夫だよ。ボクはストックの救出に赴く。


 アウローラには、ディードの意思を借りて、戦っておいてもらう。


 だいたい、今後の動きはわかったかい?エイミー」


「うん、わかったけど……その。ほんと落ち着いてるわね?ハイディ」



 めっちゃ心配されてるし。


 気持ちはまぁ……わかるけどさ。


 ずっと準備して、覚悟してきたことなんだよ。これは。



 しかもまだまだ、序曲ってやつだ。



「正念場というやつだ。


 ボクはいつか来るこの日のために、備えて来たんだから」



 アリサとマリエッタの顔に、少しの緊張が走る。


 この決戦に前後し、ストックが帰るというボクの見積もりが……伝わったのだろう。



 そう。だから流れしものから、呪いの祖たるものを切除し。


 祖霊をボクから追い出すのは……ただの前哨戦だ。



「ああ、共和国に行った人らは、帰ってこないとは思うけど。


 もし来たら、パンドラで待機。動かし方は、エイミーに任せる。


 ここに残ってる子らもね」



 共和国組……というか、ビオラ様たちはおそらくは別件だな。


 娘たちも、がんばってくるのだろう。


 先の質量弾は察知できたろうから、この好機に動かぬわけもない。



 マリーとダリア、リコはこのままパンドラにいてもらったほうがいい。


 オリーブはどのみち危ないから、戦闘局面には連れ出せない。


 あとは……



「私たちはどういたしましょう。主よ」



 遅れてやってきた、センカと、フィラの二人。



「アウローラを預ける。ディードが主だけど、補佐してやって。


 ほかの子らも乗ってるし」


「分かりました」


「王様、がんばろう」


「ああ。じゃあ……」


「待って!!!!」



 ドッグに声が響いた。

次の投稿に続きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

――――――――――――――――

幻想ロック~転生聖女は人に戻りたい~(クリックでページに跳びます) 

百合冒険短編

――――――――――――――――

残機令嬢は鬼子爵様に愛されたい(クリックでページに跳びます) 

連載追放令嬢溺愛キノコです。
――――――――――――――――
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ