表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
380/518

4-3.同。~神器学。我が研究の粋~

~~~~なんか気づいたら、皆が雑に身内にされている。言っておくが、ボクの発案ではない。


 それにしても、いろいろ無茶してるとは思うんだが。


 王家が後見について、全力で支援しているためか、よく考えるとおかしいことが次々実行されている。


 シルバは復興したてで人材不足ゆえ、こういう滅茶苦茶な芸当で人材を流されているのだ。



 そうしてでも復興したい、という王国の意図もわかる。


 精霊の力と総神器構造の豊富な魔力で、旧シルバ領とは比較にならない鉱山資源が出るし。


 いやほんと。なぜ鉱物が出るんだよ。神器船から。



 いろんな思惑が絡んで、急速に復興しつつあるシルバ領とシルバ家。


 幾人かは、本家に養子入りしてはいるものの、いずれは分家を作って出ることになる。


 おそらく、ボクとストックが結婚し、次代の話になり始めたら。



 なお、王国の精霊とは契約に魔力がいるし、精霊と契約できないと分家は作れないのだが。


 アウラは特殊な精霊ゆえ、魔力なしのエイミーでも契約が可能だ。



 ボクとストック以外については、その下が……まだ確認はしてないものの、たぶん難しいが。


 アウラと契約できそうな子を養子に迎え、盛り立てて行くことになるだろう。


 講師になってる人間がやたら多いのも、その辺に理由がある。



「一応ボクからも言っておくけど、さっきのエイミーもシルバ姓だし。


 パンドラの所長もシルバだから」


「え。じゃあその所長さんが、シルバ公爵なんですか?」


「違うよオリーブ。シルバ公爵は理由があって公には出ていない。


 だから内緒。ボクも答えられない」


「はぇ~……」



 なんか感心された。された?


 ま、未成年だからね。ちょっと言えないのですよ。



 お、講堂の扉を潜って、ホワイトブロンドの女性が入ってきた。



「さ、もう一人のシルバが来たから、席に着こうか。


 今日は挨拶と触りくらいだろうけど、疑問があったら書いておくといい」



 皆、慌てて席に戻った。


 ボクもストックと一緒に、最後列に並んで座る。



 ダリアは面倒を見るといった手前か、二人の近く――と見せかけて、講壇が見やすい位置へ。


 マリー鑑賞して過ごす気だな、これは。



 リィンジアは隅っこ。少し空けてウィスタリア。


 ボクらの前には、固まって友達やらが七人ほど。


 ……多い。多くない?



「みんなはど?寝不足だったりしない?」


「平気よ」「実はちょっと」「……まぁ大丈夫だ」



 順にギンナ、スノー、メリア。


 おいそこの妹。


 っていうかよく考えるとギンナとメリアも答えおかしいだろ?



「「「「そんなことよりおなかすいた」」」」



 高等部の欠食児童どもはもっとおかしいだろ??


 確かに娘たちと友達のマドカ、アリサはまぁ育ちざかりかもしれんけどさ。



 今朝君らの腹に消えた大量の野菜や炭水化物はどこいったの??


 豆と卵と肉も食ってったろ?どうなってるの???



「間食用のお弁当は、この後にしなさい。


 次は購買が開くから駆け込みなさい。


 昼は弁当にし、午後は食堂に行くように」


「「「「はーい」」」」



 素直なのは大変よろしい。


 弁当を二個持たせておいてよかった。


 なお初等部通いの時を思うと、それではまったく足りない。



「初等部児のおかんみが強いな……」「強いわね」「姉上だし」


「君らは後で研究室来ても、間食は渡さんでいいんだな?」


「「「ごめんなさい」」」



 素直で結構。


 結局、あんま食べないのって家ではダリアとマリーくらいか?


 あとミスティか。彼女は甘味以外は普通だ。



 なぜパンドラには大食乙女ばかり集まるのか。これがわからない。


 各人のカロリーがどこに消費されてるのかは、もっとわからない。



 さて。


 そろそろ準備もできたようだし。


 我が助教授の講義、拝聴するとしよう。



『みなさん、初めまして。


 別の講義で会ったことのある人たちは、おはようございます』



 マリーはすでに、学園で教師経験がある。


 ただし、この講義は新しく設けられたものなので、また別だ。



『今年から開講した、神器学講義を担当する、マリー・シルバです』



 神器学。


 ボクの作った学問だ。


 もう少し前に成立はしているんだが、今年度から学園のカリキュラムに組み込まれた。



『神器はいまだ学問足りえない。ゆえ、神器を科学することで学問とした。


 それがシルバ公爵――本学永世教授の神器学です。


 ご本人は、ゆえあって公式の場に立てません。


 私は研究チームの一員として、神器学を広める立場にあります』



 そうそう。とったんだよ永世教授。


 前の時間では、二回しかトライできなかったからね。



 学園考査は、20歳以下なら受講料を払って誰でも受けられる。


 試験を受け、三年連続で1950点を取得できれば、晴れて永世教授の座を得られる。


 ずるなんてしてないよ?前の時間では、その時期の試験は受けてないしね。



 ただ、学園と連携している最新の研究施設にいれば。


 勉強なんてし放題だ。前だって二回はとってるし、楽勝だよ。


 ボクは見聞きしたことは、忘れないからね。



 というか、とらないと神器学立ち上げられなかったからなぁ。


 論文を出すついでにとった。


 とったときは、内でも外でもちょっとした騒ぎになった。



 先を越されたと、ベルねぇやマリー、ついでにエイミーはしばらく落ち込んでいた。


 ダリアは爆笑していて、ストックはすっごいドヤ顔だった。二人は前の時から知ってるしね。


 その上で、みんなでお祝いしてくれた。ちょっと嬉しかった。



 外向けについては、シルバ公爵の事情と一緒で、内緒だ。


 学園長とかにはもちろん、話は通ってる。


 ただ、神器学教師はマリーに務めてもらうことになり。



 代わりといってはなんだが、研究スタッフの一員だった彼女は、晴れて学園助教授になった。


 おかげでダリアとも結婚できたわけで。


 そもそも、ボクの永世教授取得の理由の、半分はそのためだ。



 でも悶々とするものがあるのか。マリーは酒を飲むと、この件で時々絡んでくる。


 君、酔わんやろが。



「どんな方なのかしら、シルバ公爵」



 ちょっと呟きが聞こえたけど。


 ごめんねリィンジア。こんなちんちくりんです。

次の投稿に続きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

――――――――――――――――

幻想ロック~転生聖女は人に戻りたい~(クリックでページに跳びます) 

百合冒険短編

――――――――――――――――

残機令嬢は鬼子爵様に愛されたい(クリックでページに跳びます) 

連載追放令嬢溺愛キノコです。
――――――――――――――――
― 新着の感想 ―
[一言] 愚痴言うついでに絡んで甘えてるんじゃないかなあマリー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ