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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第二章幕間.聖暦1086年秋~1090年冬-みんなでわちゃつく日々-
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C-5.同。~目に見える者たちへ、手を尽くして~

~~~~アルコール入れてぐいっとやりたい。うまい。


「どうして神器が作れるのか?だね。


 魔結晶と他の物質がくっつくのは、謎なんだよ。


 しかも融合の解除までできる。


 だが、仕組みがわかっていない。


 これを解明する」



 このテーマを選んだのは、マリー自身の力にも関係があると思ったからだ。


 結晶もないのに神器を扱い、自身がオーバードライブすることすらできる。


 遠隔の神器をも自在に起動する、神に愛された女。



 彼女の力は、神器という謎の先にある。ボクはそう予感している。



 まぁ今は……もう一つ大事なテーマがあるから、そっちが先になってるけどね。


 早くしないと、ドーンや連邦の人々が、周りから認識されなくなる。



 これについては、スノーに手伝ってもらって、少し前進している。


 あの子はビオラ様と違って、役から外れるのは確実だが、まだ「コニファー王女」なのだ。


 彼女が役から外れて認識されなくなるのは、11の誕生日前。まだ先だ。



 もちろん、それを待ってたら間に合わないので、先に予想を立てながら研究を進めている。


 役とは何か。人の認識とどうかかわっているのか。それがカギになる。



「それは……人体との結合も?」


「メインじゃないけど、そこもわかるね。


 結合解除の治療法は、また別に研究しないといけないけど」


「わかったら世紀の大発見じゃない……」



 ギンナとベルねぇが引いてる。



「そうだよ。マリーが助教になれるくらいには、ね」


「むー。ハイディ、なんでマリーちゃんばっかり手伝うんです?」



 ああ、それはそういや言ってなかったか。


 ボクはそれぞれの事情は把握してるけど、皆はそうでもないだろう。



「そこはだね。


 ボクとストックは問題なかろ?


 ミスティとメリアも、メリアが10歳になったら正式に婚約だ。


 君らは道ができた。今そこを歩んでる最中だ。


 で、マリーとダリアの、特にマリーがまずい」


「聖国のひも付きだから、ね?


 あそこは難癖付けそうだし」


「そう。だから、王国ががっつり抱えるだけの理由がいる。


 そのための研究と助教の椅子」


「そっかぁ。確かに自分でとなると、マリーちゃんかなりかかるだろうし。


 永世教授は……時間が足りないだろうし」



 がんばってとれないこともないが、マリーは早々にそっちには見切りをつけた。


 これはベルねぇとの目指すものの違いだ。



 ベルねぇは、研究の先に別のものが控えている。


 永世教授は足掛かりであって、その先も含めてとにかく速度が必要だ。



 マリーは、研究職そのものが目当てだ。


 ぶっちゃけ、聖国を追い払って、マリーを娶れればそれでいい。


 永世教授だって最低三年かかるんだから、同じ期間で実績あげても得られるものに違いがないのだ。



 あと、やらせてみた感じ、研究向きという面もあるね。


 そのまま仕事にしてやっていける感じだ。


 助教になった後は、好きにやらせてもいいモノ見つけてくると思う。



 ベルねぇは不正解を排除する悪癖があるので、あまり向いてはないかなぁ。


 正しいだけを追ってたら、見つからないものがあるんだよね。



「ベルねぇは、実際の研究の段に入ったら手伝ってあげるよ。


 どっちみちパンドラとの共同にした方がやりやすいし。


 だから今回みたいに、うちとして共和国と繋ぎを作りに来てるんだしね」


「え”。私たちのためにわざわざってこと?」



 不思議なことをおっしゃいますなぁ。



「ん?そうだよ?


 ボクが何かするのなんて、ストックを除いたら友達や家族のためくらいだ」



 ま、そのボクに自由にやらせてくれてる、ビオラ様のおかげでもあるけど。


 ほんとに何でもは頼まないけど、このくらいはわがまま言ってもよかろ。


 パンドラや王国の利益にも、ちゃんとなるしね。建前ってやつはばっちりだ。



「ハイディ、前はそうじゃなかったと思うけど」



 前って……ああ、クレッセントか。


 あそこじゃ確かに、ほんと誰彼構わず世話を焼いていたからなぁ。


 ありゃ自分が持たん。もうやらん。



「ああいうのはもうやめた。


 見えない誰かのためにがんばってやっても、徒労だ。


 それなら目の前の人を大事にするよ。


 見返りなんていらないけど、足元疎かにするとひどい目にあうからね。


 で。マリー向けは2-3年で終わらせる。


 その後はそっちの準備に入るからね」


「そんなもんでできちゃうの!?」



 ある意味もうできてはいる。


 ただ、他の人でも明らかな形にするのに、時間がかかる。



 ベルねぇの驚きは、これから探すと思っているからのものだろう。



「もう当てがついてるし。計画も細かく立ってる。


 マシンタイム……設備の解析にかかる時間があってね。


 これが結構長いから、どうしても時間はかかるんだけど。


 それを基準に、もう最後の発表まで線は引いてあるよ。


 再現実験プロジェクトの打診も始まってる」


「ええぇぇぇ……始まったばっかりなのに」


「ゴールが見えないのに始めちゃだめでしょ。


 ベルねぇもそうするんだよ?」


「ん……覚えとく」



 素直でよろしい。



「ストックは最近留守にするそうだけど、何をしているの?」



 ギンナが話を変えた。


 ボクも気になる内容だなぁ、それ。



「私か?内緒だ。まぁスノーの仕事だよ」



 スノーの?


 思い当たるのは神主絡み……。


 あるいはボクが前に言った、イベントやサイドストーリー絡みか?



 ぱっと思いつくのは、魔境の主・邪魔(ヤマ)だな。


 まさかアレを狩り回ってるとか……?


 やりかねんな。



 だが言っちゃなんだが、ストックがそれを手伝うのは、意外だ。


 ボクの出した懸念だから、積極的に取り組むのは一応わかるんだけど。


 別にストック本人が出なくてもいいよな??



 だってあれ、ビオラ様がエルピスで出てけば即粉砕だぞ。


 他の人間は出番がない。


 となると……ストックがもし手伝ってるなら、何か他に仕事がある。



 なんだろうなぁ。


 こいつがわざわざ、日をまたいでまで外に出るなんて、よっぽどなんだが。


 帰ってくると甘えっぷりが激しいし。そこまでするほどのことなんかね。


次の投稿に続きます。


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