表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第二章幕間.聖暦1086年秋~1090年冬-みんなでわちゃつく日々-
339/518

A-10.同。~魔を討ち払う、勇者の鎧なり~

~~~~つい盛り込めるだけ盛り込んでしまった。


「ビオラ様、見えます?」


「あのくらいなら平気」


「『マリー、残りの掃討を始めてくれ。


  切り札も切ってほしいが、任せる』」


『かっこよく決めてやりますよ!』



 サヴァイヴァーの右手の中に、刀が形成されていく。


 刀として撃ち直した聖人(reviver)と同じ形状のものだ。


 背面の噴射口がさらに火を吹き、速度を上げて小さな魔物の群れに突っ込んでいく。



 一振りで何体か掻っ捌かれた。



「ハイディ」


「ストック?」


「接近戦は必要なのか?」


「必要。接近『された』場合の対処能力が要る。


 そもそもに神器車だぞ?遠距離にずっといられるとは考えにくい。


 速度では魔物の方が上だし、魔導師もそうだ」


「あーまぁ、そうだな?そうだな」



 ご納得いただけたようだ。よしよし。



 お、サヴァイヴァーが先のものよりも長く大きな砲身を作り始めた。


 やる気か。残りが結構直線状にいるしなぁ。



『荷電粒子砲、発射!』



 砲身から一瞬、魔力流の光さえ消え。


 次の瞬間、レールガンに勝る大爆発が。残りの魔物を飲み込んだ。



「ハイディ、あれ」


「獣の矢を解析して、つけてみた」



 ボクは生身で撃てるからな。


 撃って計測・解析し、実装してみた。



「『ダリア、残敵』」


『ないわ。このセンサー便利ねぇ。


 フロック、かなり制御しなくても当たったわよ』



 よしよし。



 実はサヴァイヴァーの一番優秀な部分は、ここだ。


 いろんな人のアイディアによって、センサー部分がほんとすばらしい。


 使用者が使いやすく、そして邪魔にならないいいものに仕上がった。



 防御、復活、そしてこのある種の電子戦能力。


 生き残りにその力の中軸を置いた、ある意味神器車らしい神器車だ。


 ついでにとんでも攻撃性能がついてる。それだけである。



「『そりゃよかった。気を付けてお帰り』


 所長、以上です」


「いいわよ。正式採用しましょ。


 それで?」


「マリーより出力の落ちる人向けのものを、同コンセプトで開発しようかと。


 ま、人型魔道具とは路線が異なるので、共存可能だとは思いますが……」


「やったるわ!絶対すごいの作ってやるんだから!!」



 エイミーはやる気で大変結構。




「ハイディ、どの辺りを運転手のターゲットにしてるの?」


「パンドラを余裕をもって動かせる子、までです。


 色付き結晶を前提とし、販売はしません。


 一機試作して、量産は待った方がいいでしょうね。


 過剰戦力です」


「そうね。試作をプロジェクトにして頂戴。


 ああでも、優先度は落としてね?


 あなたは他にも大事なことがあるんだから」


「はい。他の子に任せてみようかと。


 例えばまぁ、クルマの欲しそうなボクの娘やその友達、とか」


「「「「ほんと!?」」」」


「量産試作、ワンオフの一台ができてる。


 ここからのスタートですから、弄るのにちょうどいいでしょう。


 どうでしょう、ビオラ様」


「任せるわ。


 ああ……私自身は、とてもいいと思ってるわよ?」


「ありがとうございます。


 詳細はまた後日詰めようか。


 『マリー、お疲れ様。ダリアも』」



 サヴァイヴァーが戻ってきて、無事着陸した。


 車両形態に戻っていく。



 そして二人が降りて来た。



「んあー!楽しかった!やっぱり最っ高のクルマです!」


「…………クルマ?クルマとは」


「ヘタレさんは水差さないの!」


「むぐ。ヘタレは返上したぞ」


「ハイディからも指輪もらっといて?」


「なぜ隠してるのに知ってるんだ!?」


「ご両親の前で思いっきり自慢したって、聞きましたよ?


 そこの小姑さんに」


「スノー!?」


「ば、マリーばらすな!!」


「ストック。ボクと結ばれた証を知られるのは嫌か?」


「い、いやそんなことは……」


「ふふ。だからヘタレだっていうんですよ。


 堂々としてればいいのに。ねぇ?ハイディ」



 こら。抱き着くなマリー。


 …………君随分育ったね?


 前の時間じゃ、もっとがりっがりじゃなかったっけ??



 ちょっと食糧事情が改善しすぎたか。そうか。



 あれ?ストック。その赤い光は……。



「よし。では今から汚名を挽回しよう」


「落ち着けストック。


 汚名を返上するか、名誉を挽回しろ」


「大丈夫。私は冷静だ。


 ――――今すぐそこをどけマリー。私の場所だ」


「マリーがどいても君がいていいとこじゃないから。


 人前だから。落ち着けやどこが冷静だ」


「私だって人前でイチャイチャしたいんだー!!」


「ぶっちゃけた!?ちょ、誰かストック止めるの手伝って!!」



 その日は珍しくなんかわちゃわちゃして。


 その後、謝ったり落ち着いたりなんだったりして。


 みんなで楽しく飲んで騒いだ。



 マリーとダリアは、ずっと嬉しそうだった。



 …………お待たせ。マリー。

ご清覧ありがとうございます!


評価・ブクマ・感想・いいねいただけますと幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

――――――――――――――――

幻想ロック~転生聖女は人に戻りたい~(クリックでページに跳びます) 

百合冒険短編

――――――――――――――――

残機令嬢は鬼子爵様に愛されたい(クリックでページに跳びます) 

連載追放令嬢溺愛キノコです。
――――――――――――――――
― 新着の感想 ―
[一言] マリーかわいいなあ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ