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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第二章幕間.聖暦1086年秋~1090年冬-みんなでわちゃつく日々-
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A-9.同。~神の身の如く空を駆け~

~~~~驚き役がいい仕事してくれて、ボクはとても満足だ。


『では行きます!


 災厄よ(Calamity)箱より出でて(call)――――。


 広がり(Level1)


 天に舞い(Level2)!!


 獣となれ(Level3)!!!』



 今日は獣ではなく、人だけど。


 まさにそれは天に舞うようで。



 全体ほとんどが小さくばらけた後。


 それぞれをつなぐように魔力流が結び。


 極小の神器がその周りを覆い。



 武骨で。しかしスリムで。


 確かに人型と呼べる。


 新たなマシンになった。



「ロボだーーーーー!?」



 ストックは反応がとてもよろしい。


 後でご褒美をやろう。



 ん?なんでエイミーは膝から崩れ落ちて……。



「馬鹿なああああああああああああああああああああ!


 負けたああああああああああああああああああああ!!」



 なんだその悲鳴は。



「悔しい!かっこいい!くおおおおおおお」



 あー、うん。何かこう、意欲につながればいいねぇ。



「『じゃ、そのまま今日の魔境掃討はお願い。


  一応、ボクらから見える方が掃討範囲ね』」


『はい!』



 言葉数は少ないが、マリーはだいぶテンションが上がっているようだ。



 魔境の魔物掃討は、このパンドラの大事な業務だ。


 エングレイブ王国から正式に請け負って、付近の魔境で実施している。


 今のところ予定の効力を発揮しており、満足いただける結果になっているはずだ。



 基本的に、船自体を動かせるものが担当となって、ローテーションしてやってる。



 ビオラ様、スノー、ボク、ストック、ギンナ、メリア、マリー、エイミーだね。


 マドカとアリサ、クエルとシフォリアもできるけど、彼女たちは予備扱い。


 ミスティやマリエッタは結晶出力が心もとなく、できるだろうけど控えてもらってる。



 まぁやるっつったって、パンドラから全門フルパワーで超過駆動して、魔導発射するだけ。


 それでだいたい一方向が、地平線まできれいになる。また湧いてくるけど。


 今も下に、みっちりひしめいてる。これが魔境ってもんだよなぁ。



 王国の西方と南東の魔境は、全然魔物がいないんだよね。


 ここは王国から見れば北西にあたるとこ。


 スピリッティアが建ってるとこより、だいぶ北。



 聖域ドーンもこの辺までは掃討してないから、結構いるんだよ。



 サヴァイヴァーがカッとんで行って、滞空。


 その右腕に、四角い魔石神器が集まってきて、棒のように連なっていく。


 衝撃干渉のための砲撃口が形成され。



魔力流投射砲(レールガン)、発射!』



 筒の先端から、それなりの大きさの魔石神器が発射され。


 轟音を立て、地上に破壊痕を残した。


 なお、魔境の地形はどういうわけか、破壊されても数日で割と復旧する。



「…………地形が変わったんだが」


「しばらくすりゃ戻るだろ。


 『マリー、高空射撃に切り替えて。


  もっと広範囲を巻き込むはずだ。


  そのまま、装弾を討ちつくして』」


『わかりました!』



 サヴァイヴァーが高度を上げる。


 んむ。身軽な感じの動作で見てて美しい。


 一応、空中接近戦も可能だし、マリーには試してもらってる。



 この辺は少な目だが、空飛ぶ魔物もいるからね。


 ああいうのも、ちゃんと撃ち落せるようになってる。



 高いところに滞空したサヴァイヴァーが、レールガンをまた発射。


 地上にクレーターがいっぱいできる。



『ん……終わりました。


 なんか弾多くなかったです?』


「『改良はうまくいったようだ。


  弾頭破砕後の復帰時間を短くしたんだ。


  最初に撃った弾が、復活して再装填されたんだよ。


  もう全弾戻ったんじゃないか?』」


『あ、ほんとです!これ弾切れほとんどしませんねぇ』


「『このままもう少し改良するよ。


  ダリア、お待たせ。制圧試験だ。


  少しだけ残してね』」


『わかってるわよ。【(multiple)(satellite)よ】』



 ダリアが、魔導制御でサヴァイヴァーの機能を起動する。



 ブロック状の大小の魔石神器が、サヴァイヴァーの周りに展開していく。


 土星の輪って言ったら、イメージが伝わるかね?


 そしてあれは、ダリアの発明した補助魔術陣がベースになっている。



『【怪鳥(flock) (of) 軍勢(fire)】』



 その一つ一つが、無数の鳥となって飛び立った。


 地上を一直線に――魔物に当たるよう、目指していく。


 当たった魔物は、融けるようになくなっていった。



「おいハイディ」


「なにストック」


「魔物の魔導抵抗はどこにいった」


「あるよ?抜いてるだけ」


「……さすがダリアだな」


「威力は誰がやっても同じだ。


 ダリアがさすがなのは、制御の方。


 うち漏らしがほとんどない」



 あの魔導式じゃ、こんなに倒せないんだけどね。


 実はあれ、神器を中核とし、魔力流が展開。その内側に小さな鳥がいて飛んでる。


 史上初、魔力流を打ち出す魔導、といってもいい。



 魔物は皮に魔導抵抗や防御力が集中しているので、内側を攻撃すると効果が大きい。


 魔力流で皮を破り、内部で魔導を炸裂させるのだ。


 その結果、いい感じに目にまで内側から届くと、倒せる。



 フロックの魔導そのものが、着弾時に燃え上がるような炎を出すようにしてあるんだよね。


 これで倒せる。幾度か実験した通りの結果だ。



 もちろん、普通にやるとその神器回収無理じゃろ?ってなる。


 そもそも、途中でたぶん壊れる。


 サヴァイヴァーは全部復旧して戻ってくるから、この運用が成り立つ。



 ほどほどに残った魔物に向けて、サヴァイヴァーが降下していく。


 あれだけいたのに、もう数えるほどしかいない。

次の投稿に続きます。


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