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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第二章幕間.聖暦1086年秋~1090年冬-みんなでわちゃつく日々-
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A-8.同。~その名は不死者~

~~~~マリーとは、結構これからいろいろやることになりそうだ。頑張れ、友よ。


「ほー。で、できたのがあれ、と」


「まぁね」


「赤い普通のモンキーボックスに見えるが?」


「見えるねぇ」



 フレームは緑、ボディが赤だ。


 なおボックス自体はビリオンに近い。


 もっとなめらかな流線形だけど。



 外からは見えないけど、すでにマリーとダリアが乗り込んで、準備済み。



 魔境でやるわけにもいかんので、パンドラの上部……屋上で試乗となった。


 といっても、試験のためにマリーとダリアには十分動かしてもらってるけど。


 今日はお披露目というやつだ。



 ストック以外にも、パンドラの面々は勢ぞろい。



 午後遅く、まだ強めの日差しが照り付けている。


 その中で、逸るようにたびたびマリーの愛車が気炎を上げている。



「名前は決まったのか?」



 結局、ストックはこいつができるまで忙しいままだった。


 だからほとんど関われていない。



 ふふん。今日は驚き役に徹してもらうぞ?ストック。



「サヴァイヴァー」


生存者(survivor)?」


「そう、不死者(survivor)



 さ。デモンストレーションの開始だ。


 ビオラ様の方を見る。



「じゃ、見せて頂戴」



 ビオラ様の手を、スノーがめっちゃがっつり握ってる。


 人前だっつーの。


 まぁこう、この子はとんでもないものが飛び出すのが怖いんだろうけど。



 ボクは眼鏡……サングラス状の透明なやつを取り出し、かけた。


 つるのところの先、スイッチを入れて。



 …………よし。雑音がとれてきた。つながったな。



「はい。『マリー、聞こえる?』」


『ばっちりです!』



 彼女も同じ眼鏡をしている。



 ウェイブグラスと名付けた魔道具。


 ジドゥさん、エイミーと一緒に作ってみた。


 短距離無線通信による、音声通話が可能だ。



 魔石神器の貼り付けにつかっている、短距離無線の応用である。


 そんなに長距離はいけないが、中継機構を入れた神器経由で、それなりに安定した音声通話が成立する。


 つまりまぁ、パンドラとエルピスの間とか。パンドラとあのサヴァイヴァーの間とか。



「『じゃあよろしく。走行テスト、飛行テスト、戦闘テストの順ね』」


『わかりました!』


「まてハイディ。クルマで設けられない試験項目の名が出たが?」


「それがあるんだよ。クルマが飛ばないなんて、誰が決めた?」


「お、おぅ」



 ストックが引いてる。珍しい。



不死者(survivor)、行きます!』



 赤い神器車が、パンドラの屋上を爆走する。


 結構なスピードのノリだなぁ。


 というかデモも兼ねてるからって、飛ばさなくても。



 加速して一気に屋上の端の方まで行き。


 一度Uターンしてきて、停車。


 また発進。



 うん、よどみない。



「『ダリア、ど?』」


『揺れもない、負担もないわ』



 結構。



「『マリー、パンドラの上部魔力流をどける。そこから飛べ』」



 足元から制御し、魔力流に干渉。



「オーバードライブ。『神力(Data) 災害(disaster)』」



 重魔力照射鏡の作成応用で、マリーたちが出られるように穴を開ける。


 こうしないと魔力流同士が干渉して、止まっちゃうからね。



『では!【涅槃の彼方より(Salvation)来たれ(call)】!』



 神器車の前後に、同じような神器車が出現し――ばらける。


 サヴァイヴァー自体の装甲魔石神器も展開。


 互いの魔力流が、特殊な制御で引き合っていく。



 互いに引き合い、走行しながら徐々に整っていく形。



 形がちょっと特殊で……あー。地球で言う、ホバークラフトってやつだろうか?


 ああいう形状をイメージしてほしい。



 後部の二つの噴射口が火を吹き、加速。


 パンドラから――――飛び立った。



「飛んだー!?」



 素直な驚きをありがとうストック。



 なお下部にも近い噴射口があり、背面のとここので出力を得て、飛んでいる。


 どう飛んでいるのかは……実はボクは分かってなくて。


 この辺は、アっさんにお願いした。飛ばしたいって言ったの、あの人なので。



 んむ。加速、減速、上昇、下降、旋回も大丈夫そうだな。


 通信も切れてない。安定している。



「『マリー、ダリア。ど?』」


『運転する分に問題はないです。


 直感的に動かせますしね』


『こちらも、なんでこれ静かで揺れないの?』



 その辺は、実はケルケンソさんだ。


 船に揺れ防止を入れた話をしたら、思いつかれて実装してくれた。



「『仕様書にかいてあるから、また解説してやるよ。


  マリー、そろそろいいだろう。次だ』


 皆さんは淵まで移動しましょう」



 マリーが飛び立った方ではなく、近い淵の方に皆を誘導する。


 一応人が落ちないように柵を立ててあって、その手前までくる。



 ボクらの上をサヴァイヴァーが、後ろから前へ飛び去って行った。

次の投稿に続きます。


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