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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第二章幕間.聖暦1086年秋~1090年冬-みんなでわちゃつく日々-
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A-6.同。~製作陣と詰める~

~~~~人の閃きは美しい、か。きれいな響きで、とてもいいね。


 ドライバーのアル……アっさん。この人は聖国出身らしい。


 ボクの運転の師。


 法衣でも着て大人しくしてれば、かなりの美形で通るんだろうなぁ。



 でもこう、本人はとてもロック寄りな人だ。


 髪も少し染めてるみたいだし、着てるの作業着ってかツナギっていうか。


 なぜだ。



 シドゥさんとケルケンソさんは魔都出身オーガ族。


 犬歯が牙になったり、角が生えたりする。


 ジドゥさんは角があるほう、ケルケンソさんは牙があるほう。



 そしてオーク族並みに大柄。もっと筋肉質だけど。



 でもお二人とも、荒事より道具弄りが得意だ。


 それぞれにテーマをお持ちで、研究もしてる。



 アっさんもそうだ。


 魔力流を始めとした、流れ……流体研究が専門。


 かっこよさそうだから始めたそうだが、内容はガチだ。



 宇宙のことも詳しかったし、割と他分野わたって深い知識を修めてる。



「あー、笑った笑った」



 マリーが戻ってきた。



 目指すところが決まったせいか、最近のマリーはちょっと落ち着いている。


 行動は相変わらずこうだが、人前からは逃れようとするあたり、エイミーとは雲泥の差だ。


 だがちゃんとした淑女は、そこでにっこり笑って腹の内で爆笑するんやで。



「お帰り、そんなに面白かったか」


「ハイディ最高」


「みんなが出してくれたアイディアやが?」


「それを実際作ろうとしてるところですよ。


 普通、笑い飛ばしません?」


「ボクはエイミーの人型魔道具だって、笑わんかったぞ。


 アイディアはむしろ、笑えるもののほうが革新的だ。


 そこに、実現されてない何かがあるってことだからな」



 もちろん、作られてないことには理由がある。


 それはやめといたほうがいいって代物なら、ブレーキをかけるが。


 単に技術的に無理だから作ってない、ってものなら。やってみなきゃ損だ。



「感心します」


「我々はそこのところ、膠着してますからなぁ」


「いやお二人とも、そんなお年寄りみたいなこといわんで?


 説明したとおり、今のボクは25くらいだぞ?」



 ジドゥさんもケルケンソさんも、そしてアっさんもまだ30前のはずだ。



「歳の話じゃなく、同じものばかり作ってたもので」


「パンドラでは、やっと意味あるものが作れそうです」



 そういや二人とも、魔都で魔道具や神器の量産に関わってたはず……。


 ほんとは試作とか開発がやりたくて、それで前のときはクレッセントに入った。


 が、滅茶苦茶な組織だったので、さすがに辞めてしまわれた。



 ボクに開発の基礎を教えてくれたのは、このお二人なんだよなぁ。



「じゃ、これが第一号ってことで」


「魔道具も組み込んでいいんですか?」


「場合によっては、神器機構に組み込む形で実現します。


 というか、結構魔導自体は使うので。


 式や制御次第では、分離して魔道具で組み込んだ方がいいかもしれません」


「なるほど。ならいくつか出してみましょう」



 まじか。そりゃありがたい。


 ジドゥさんは魔道具専門で、通な奴をおつくりだったりしたからなぁ。


 楽しみだ。



「神器はほぼ製造だけになるでしょうが……この機構を弄れるのは嬉しいですね。


 無数の神器で一つの機能を為すとは」


「ストックの発想ですね。


 フェニックスといい、リヴァイヴァーといい、たまにすごいもの出してきます」


「おお。そのあたりも彼女ですか。


 工材にも詳しいと聞きますし、一度お話したいですね」


「聖域は計画がまとまったら手を離れるので、直に帰ってきますよ」



 ケルケンソさんは神器が専門。


 工材も詳しいから、ストックとは確かに、話が合いそうだ。



 そしてストック。まだしばらく忙しいんだろうな……。


 あんまり帰ってこなかったら、迎えにいってやる。


 ストック分は定期的に補給せねばならんのだ。



「ハイディ。俺も何かしたいところだが」


「ああ、じゃあアっさん。かっこいいデザインよろしく」


「俺好みでいいのかよ?」


「マリー?」


「ぜひ!」



 そこんとこ、趣味が合うようで何よりだ。



 いやまぁ、普通にアっさんはセンスいいデザインをするから、大丈夫だけど。


 いろいろ知ってるせいか、無難なものから個性的なものまで、顧客の要望に応じたものが出せる。


 前の時間で知った、意外な特技だ。



「あ、私は?」


「マリーは細かいヒアリングをするから。


 しばらく毎日時間とって」


「あー。じゃあついでに勉強見てください」


「わかった。学校はど?二人とも」



 二か月近い夏季休暇期間が終わった。


 なのでダリア、マリー、ベルねぇはパンドラの転送路で学園に通っている。


 王立魔導学園は新王都スピリッティアに引っ越し予定だが、まだしばらくかかるらしい。



 新王都側に学園施設を建造し、使えるようにした上で、転送路を結び直し、学生を移す。



 まぁ王都引っ越し段階で、計画はされてたらしいから。


 三人が通ってる間には、移動になるんじゃないかなぁ?


 マリーだけは三年で学生終わりだけど、その後教師になるからね。



「変わりなくよ」


「ないですねぇ。ああでも、寮よりやっぱりここの方がいいです」


「それはあるわね。パンドラは快適だわ」


「なんだ、寮は合わなかったか?二人とも」


「アウラ寮はちょっと手入れが行き届いてないもの」


「ああ……そうだった。


 シルバ領が滅んでるから、領地から支援がないんだよな。


 他の寮は、対応する領の援助があるけど」


次の投稿に続きます。


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