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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第二章幕間.聖暦1086年秋~1090年冬-みんなでわちゃつく日々-
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A-5.同。~さらなる発想を募る~

~~~~せっかくだからボクもお茶いただくんだった。コーコンスさんのお茶はおいしい。


「話し戻すけど。生体検知は手伝ってもらうとして。


 あと何かないかな?」


「マリーちゃんよね?攻撃魔導は難しいなぁ」



 マリーは超過駆動での魔導起動はできるが、まともに当たらない。


 制御がへたっぴなのだ。



 ただ。



「そこは君とマリエッタ、ミスティとメリアあたりと、同じだと思えばいいよ」


「マリーちゃんは運転手……ダリアちゃんが乗るのね?」


「そう。必ずそうとは限らないけど、砲手はいると思っていい」


「じゃあ、フロック入れましょう。ダリアちゃんならある程度いけるし。


 あれなら制圧力抜群よ!」



 エイミーが得意とするオーバードライブ、『怪鳥(flock) (of) 軍勢(fire)』。


 文字通り、鳥のような魔導が無数に飛んでいく技だ。


 一つ一つを別の属性や役割にできるため、制御は難しいが便利。



 ダリアが使うなら、牽制に持ってこいだろう。


 ダリアは大技の印象が強いが、小技の方が得意である。


 制御力はミスティの方が上だけど、あれはミスティが極まってるだけだからね……。



 今のところボクの知る限り、魔術と魔法と魔道具を同時起動できるのは、彼女だけだ。


 エイミーは単一種の魔導の連続・高度制御は得意だけど、多数種は難しいそうだから。



 ミスティはこっちで再会してから、一緒に戦闘する機会は少ないけど。


 あれで結構な使い手なんだよねぇ。



「そうだね。使ってもらおうか」


「じゃあ書き起こすわ!」


「ボクが清書するから、後で寄越すように」


「うぐぅ。ハイディのレビューはきっついのだけど」



 それはたぶん、エイミーをこれまで面倒見て来たマリエッタのが甘いだけだ。


 なんとか丁寧に、動くものになるように根気よく付き合ったのだろう。


 エイミーの式は、はっきり言って滅茶苦茶である。



 時にそれで動くことがあり、本気でわけがわからない。


 何せフロックは、彼女がその場改造したものだ。


 センスが溢れすぎている。



 だが改めて書き起こさせると、動かないものが出てくる。



「君が一から書いたのは動かんじゃろうが。


 言っとくが、ダリアに見せたら大変なことになるからな?」


「ふぐぅぅぅ」



 ダリアは機能の一つ一つまで、意図をレビューする。


 「設計意図は何か」


 「どうしてこの方針で実装しようと思ったのか」


 「別の方法で実現できないとする根拠は何か」


 等、延々と聞かれる。



 彼女のあれは、ブレイクスルーのきっかけになるから、とても助かるんだけどね。


 一つ一つに意図が、意思が、命が吹き込まれ、形になる。



 ま、彼女のとこに持ってくのは、慣れてるボクの役目だ。



「ハイディ、リヴァイヴァーはいれるのよね?」


「うん。あれはいれるよマドカ。マリーからの要望でもある」


「ということは、エルピスでできるっていうのより、もっと過激に使えるわよね?


 こう、矢玉にしちゃうとか」



 その発想はなかったわ。


 射出して遠くに飛ばして破損しても、聖人の力で復帰してくっつくのか。


 マリーは投げるのが得意だから、そういうのはよさそうだな。



 ……いや、かなりやばい攻撃手段になるんでは???


 射出する初速によっては、砲撃になるぞ……。


 壊れてもいいなら、そういう使い方もできる。



 一度だけ見た、クラソーの剣。


 引き金を引いて起動する、魔導の銃弾。



 銃の機構……爆発の魔導ならある……魔力流を利用して……。


 射出……対象指定……壊していいならいっそ……。



「あら。いい着想が得られたようね?ハイディ」


「っとすみません、ワッシーさん」


「いいんですよハイディ。いつだって、人の閃きは美しい」


「ありがとうコーコンスさん。


 エイミーとマドカも」


「いいのよ、役に立てたなら嬉しいし」


「私も。こっちもやっておくから、出来上がるの楽しみにしてる。


 マリーちゃんのだもんね。がんばらなきゃ」


「ん。じゃあちょっとまとめながら、次を聞きに行ってくるよ」



 だいぶ聞けたし、いったん整理したほうがいい。


 次は……ダリアかなぁ。



 おっと。


 せっかくだから、さっき聞いたことを二人にも尋ねるか。



「エイミー、マドカ。質問があるんだけど」


「いいわよ何でも聞いて!」「ハイディが質問なんて、珍しいわね」


「そうでもないさ。ゲームのことなんだよ。


 神器ってあったかい?」



 マドカは首をひねっている。


 エイミーは。



「2にはあるわよ。お金とるし、役にたたないみたい」


「そうなの?3にはないみたい。


 でもこの世界には、普通に神器あるわよね。


 どうして?」


「1のときも、お金とる産業廃棄物みたいのだったらしくてさ。


 こんな便利じゃないんだよ。


 だから3で消されたんじゃないか?


 ならいっそう発展させて、度肝を抜いてやるとしようかね」



 誤魔化すように言って。



「じゃ、またね二人とも」



 今度こそ、研究室を後にする。


 確かに、エイミーの口からはするっと出て来た。


 マドカが悩んだのは、インプットされた知識をさらった上で、ないと結論したからだろう。



 こんなに簡単にわかるものを、違った答えを返した奴がいるわけだが。


 どういうことだろうねぇ。



 どういうことだ、といえば。


 エイミーとマドカはどしてここにいたし?


 この二人も気が合うのか、たまに一緒なのを見かけるなぁ。



 いや、単純にワッシーさんとコーコンスさんのお茶に誘われただけかもしれんけど。




  ◇  ◇  ◇  




「魔力流に沿って動く、流体的防御魔術?


 いいでしょ、やってみるわ」



 さっすがダリア大先生!


 それで。



「なんでマリーはその。


 どっかいったの」



 ここはいわゆるガレージだ。


 隅にはエルピス、あと何台か単車や神器車が置いてある。



 ボクがここまでのことを話したら。


 マリーはどっか遠くに走って行った。



 …………奥からちょっと笑い声が聞こえる。



「私だって正直爆笑したいけど。


 まぁマリーのためだし、ぶっ飛んだものが出てくるのはありがたいわ」



 そこありがたがんのかよダリア。



「俺はわくわくが止まらないがね、ハイディ。


 早く見てみたいところだ。


 ジドゥ、ケル、お前たちはどうだ?」


「当然製作には関わらせてくれるんでしょう?腕がなります」


「ええ、お願いしますジドゥさん」


「あなたの神器は、本当に常識を破壊しますね。


 最高です」


「ありがとうございます、ケルケンソさん」



 この辺の人たちは、パンドラきってのメカ好きだからな。


 いい話ができそうだ。


次の投稿に続きます。


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