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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第二章幕間.聖暦1086年秋~1090年冬-みんなでわちゃつく日々-
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A-4.同。~かつての検討を乗せる~

~~~~別に君の先を越す気はなかったんや。君の着想があったから、辿り着いただけやで。


「私は役に立てそうですね。


 人……というか、生物を検知するのでしょう?


 エイミーの言っていた、検出通知機能で」


「そうですコーコンスさん。


 接近報が欲しいところでして。


 ああ……でもそうか。


 人体じゃなくて、生物全体にして、魔素の有無で魔物かを区別すればいいのか」



 コーコンスさんはリザード族。


 鱗のような肌になり、色も青い。



 なお、マーマン族というのもあり、ボクは正直リザード族と区別がつかない。


 あまり出身氏族のことを尋ねたりすることもないので、関係ある人はデータだけ記憶している感じ。



 この方は生物関連の研究が多い。


 その都合上、薬師と医師の資格を持っている。


 確か魔都、共和国、王国、連邦、帝国のものを持ってたかな……。



 聖国は国の資格発行がないので。


 つまり全部だ。


 勉強・知識の収集に余念がない方でもあるんだよね。



 ちなみに二人とも女性だ。


 穏やかな淑女である。



「素晴らしい。検知し、その結果に区分を乗せて通知ができればいいですか?」


「そうですね。ほしいデータはその二つ。


 ユーザーへの表現は、別に検討しましょう」


「エイミー、手伝ってくれる?」



 エイミーがむくりと起き上がってきた。



「はい、コーコンスさん!」


「あら、エイミーをコーに取られてしまったわ」


「シー。この子はマリエッタのものです。そうでしょう?」


「そうね」



 コーコンスさんとワッシーさんが、優雅にお茶を飲みながら微笑んでおられる。



「ワッシーさん、いろんなものの検出やってみましょうよ!


 同じ魔導でも、結構違いが出ますし」


「わかったわエイミー。ふふ。早速手伝うことになったわね」



 エイミー。それダンジョンに魔物とか眷属検知に行ったりするってことかい?


 行くんだろうなぁ。割とビビりなのに、やるとなったら覚悟の決まる子だし。



 そういえば、こういうとこマリーの逆だなぁ。


 エイミーは前向きだけど、腰が引けてる。でも進む。


 マリーは後ろ向きだけど、とても前のめりだ。



 だからあのひねくれものが素直に「お友達」って言ってるのかもなぁ。



「エイミー、それ人はともかく、眷属とかならダンジョンでしょ?


 都合が合えば私も行ってあげるけど、マリエッタとかにも声かけなさいよ?」


「大丈夫よマドカ!クルマさえあればへっちゃらよ!!」


「油断するなしエイミー。


 最低でも、クルマがばらされても、君らを助けて逃げかえれる人間を連れてけ」


「クルマ……いやいや、壊されないでしょ」


「壊されるよ。ダンジョンには稀に、スローポークって特殊な魔物が突然出る。


 魔力流と魔導が効かない」


「え”」



 懐かしい。ミスティとこの時間で再会したときのことだ。


 魔導も効かないし、ミスティにとっては天敵だよなぁ。



 今は呪層火砲もあるから、倒せないってこともないけど。



「ハイディ、呪層火砲で倒せるんじゃない?」


「うん。ただ早くしないと、地面を叩いて車体をひっくり返してくる。


 上下ひっくり返ると詰んじゃうかもしれないから、気を付けたほうがいい」


「なるほど。もしかしてハイディ、戦ったことあるの?」


「あるよ。結構遭遇してる」


「えぇ~……」



 マドカが微妙に引いてる。



「…………あたし気になるのだけどハイディ。どうやって倒してるの?それ。


 魔物、なのよね?」


「はい、ワッシーさん。だから素手は無理なので。クルマで轢きます」


「「「「轢く」」」」


「弱点があるんだよ。そこになんとか体当たりすればいい。


 ああエイミー、自分でやろうとするなよ?


 ボクもできるだけであって、あんまりやりたくはない」



 今のところ、成功率100%だけどね。


 マリエッタならできそうだけど、エイミーじゃ難しかろう。



「ハイディ、アルに運転習ってたってだけはありますね……。


 私も存在は知ってますが、あれを轢くんですか。


 首ですよね?」



 コーコンスさんが不思議そうにしている。というか引いてる。



 パンドラの人らには、呪いの子を始め、いくつかの情報は共有してある。


 何もかも話してないけどね。


 ボクが皆と前の時間で知り合い、という点は言ってあるんだよ。



 大変お世話になった、ともね。


 ふふ……やっとお礼が言えて、ちょっと嬉しかった。



「首です。それなりの広さがあればジャンプしますし。


 そうでなければ、普通に轢いて転ばせたところを狙います。


 転んだ頭は狙いにくいですけど、何度かやってれば、倒せますよ」



 神器車はちょっと浮いてるから、地面に伏せられてると当たらないことがあるんだよね。


 単車の場合はタイヤ状の魔力流が出て接地するけど、魔力流なのであれで轢いても意味がない。


 車体を当てないといけない。そこがちょっと難しい。



「地面を叩いてくるのは、どう対処するんです?」


「壁か天井を走ります。同じ面じゃなければ、振動が弱まって転びません」


「「「「?????」」」」



 そんな不思議なことかなぁ?

 クルマの魔力流には、微妙な吸着力みたいなのがあるから、割とそういう走り方ができる。



 マリエッタが単車で屋根を跳ねまわったのだって、そうだ。


 この吸着力がないと、着地したら反動ですごいことになるからね。

次の投稿に続きます。


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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱハイディの運転はおかしい
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