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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第二章幕間.聖暦1086年秋~1090年冬-みんなでわちゃつく日々-
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A.そうだ。クルマを作ろう。……クルマ?

――――乙女ゲーとかファンタジーとかそういうやつは……たぶんもう死んだんだよ。きっとそうだ。

 ボクが両親と再会してから、忙しい日々が続いている。



 まず、ストックは例の、二個目の聖域建造でいろんなところとお話だ。


 いや二隻目だし、建造自体に難しいことはないんだがね?


 新技術は入れるし、アウラの体……サンライトビリオンを核にする、という点は前と違うけど。



 だから計画の策定とか、とにかく最初のお話合いが済んでしまえば、後は楽だ。



 こいつは、精霊アウラが精霊として力を振るえるようになるための、一助として建造される。


 今のままだと、ビリオンの周辺にしか力を及ぼせない。


 だからせめて、まずはこれを都市級にしたいという考えだ。



 ビリオンを組み込んだ聖域を作れば、その聖域はアウラの加護を受けられることになる。


 そしてアウラの加護が有効であると認められれば、そのまま王国領土としてに組み込まれることになった。


 領土となれば……ボクはその時点で、シルバ公爵の爵位を頂ける、とのご内定もいただいた。



 成人までは一部以外には内緒だし、後見もつくことになったけどね。


 王家と、あとビオラ様がシルバに籍を移すことになっている。



 彼女がビオラ・シルバとなっていれば……王太子の婚約者がシルバ家の人間。


 王家と公式に結びつきができるため、いろいろやりやすいのだそうだ。



 慣例では、アウラもやはり二人一組――番を契約者とする精霊だそうなので。


 爵位はボクとストックが持つことになる、はずなのだが。


 それは結婚まで待て、と言われた。



 気になる措置だが……まぁそれまではストックはロイド家、モンストン侯爵の娘だしな。


 ちょっとややこしいことになるんだろう。


 まぁ……ボクはスノーが、別のことを気にしてそうしたと睨んでいるが。



 そしてボクが忙しくしてるのはだね。


 いい加減、マリーにクルマ……神器戦車(タンク)を作りたくて。


 もりもりの要求を取りまとめ、製造しなければならない。



 盛り込めそうなものの検証とか調査は終わってる。


 工材も集めてあるし、パンドラは設備も充実している。


 あとは「どんなクルマにするか」が決まれば、すぐ作れる段階だ。



「というわけなんだよ」


「……どういうわけですか、ハイディ」


「ストックじゃないんだから、わからないぞ、ハイディ」



 マリエッタとアリサにジト目で見られた。



 最近二人は、割と一緒にいることが多い。


 マリエッタからアリサへの技術指導もあるんだけど……。


 実は、この二人に例の「ナノマシン」の手伝いを頼んだ。



 ちょっと思いついたことがあるので。適任だと思ったんだよね。



 まぁ……鍛冶場はあれには関係ないから、ここで二人一緒とは思わなかったけど。


 刀のこととかもあるので、マリエッタは鍛冶場にはよく来ているようだ。


 アリサは他の工房や研究室でよく見るので、あまりここには来ないと思ったのだけど。



 もちろん、マリエッタはエイミーと一緒にいることの方がずっと多いし。


 アリサは普段はマドカのそばにいる。今もまだ、触れるような距離に行くのは怖いようだが。



 アリサの力は計測も済んだので、本人が制御に猛特訓中だ。


 指導はストックが担当している。実は近い能力みたいなので。


 ただ最近のストックは船の外に行くことが多いので、そういう時はエリアル様。



 素質もあるし、それに見合った努力も続けている。


 そのうち魔導に頼らず、一級の魔導師並みのことができるかもしれない。


 楽しみだ。



「ん?すげぇクルマ作るって言ってたから、それを聞きに来たんじゃねぇのか?」


「さすがゴージさん。鉄の声を聞く男」


「ふん。それが聞こえなくて、鍛冶ができるかよ」



 この横にも縦にも長めで分厚い巨漢は、ゴージさん。


 パンドラのクルーで、専門は鍛冶。


 といっても、製造より研究がお好きだ。小器用だし、親方面だがインテリである。



 最近のテーマは「なんで刀ってのはこの製法で固くなんだよ。あぁん?」だ。



 ちなみに別に鉄だけではなく、様々な素材に詳しい。


 ストックは神器・魔道具工材が専門だけど、ゴージさんはそれ以外が手広い。



 そして魔都の出身者。


 あそこは六つの氏族が共同統治している大都市で、国には所属していない。


 自身で国も名乗っていない。



 外魔結症――皮膚や骨格など、肉体的な部分が魔結晶の影響で変質する病気。


 これを患った人たちが作った都市で「国に追放された者」の集いだから、国を名乗らないのだそうだ。



 今は別に外魔結症だからといって、国から追われたりはしないんだけど……。


 ああ、今も聖国は追い出してるって話だったか。


 聖女の教えなんだと。共和国の経典……記録逸話集には載ってないから、嘘っぱちだが。



 ゴージさんと、あと双子のダッジさんは、オーク族の出。


 肌色の変質や、肉体の肥大化が主に出ている人たちだ。



 いうほどこう、ボクのゲーム……というかその元の地球の知識にある「オーク」に似てはいない。


 顔は普通に人間だ。ただどうしても多少肥えやすいらしい。


 そして、肥えても体が別の病気にならない。ここが特徴といえば、特徴か。



 …………ん?


 そういや、さっきので理解されたってことはだ。


 ボクはゴージさんの認識じゃ、鉄か何かってことか??



 まぁいいや。

次の投稿に続きます。


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― 新着の感想 ―
[一言] まあ刀は切れ味的にも頭おかしいらしいからなあ。オーク族って多く食うからじゃないやろうなあ
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