29-3.同。~ネタ晴らしの時、来たれり~
~~~~初対面のかーちゃんにおかんみが強いと言われた。解せぬ。
「その、だな」
すごい遠慮がちな声が……これ、ダンかな?
「すん。なによダン。無粋ね」
「いやス……コニファー。さすがに、説明がほしいのだが」
感涙してるスノーが、目元を拭きながらダンから目を逸らした。
「…………おい、こっちを見ろ自称姉」
「自称じゃないわよ公式よ」
「いいから説明を……おい、なぜお前たちまで目を逸らす」
バイロンが俯いてて、カーティスが明後日に顔を向けている。
肩震えてるぞ、弟たちよ。
「ははう……え?」
おいかーちゃん。目元押さえんな。口元おさえろ。
あととーちゃんは沈痛な面持ちやめろ。
腹ん中で笑ってねぇだろうな。
ダンは隣のコーカス様を見上げた。
「私は何も聞いておりません」
非情な通告。うまいこと返しやがって。
そら誰もあなたには言わないし言ってないだろうよ?
王子に伝わっちゃうからね。
でも明らかにわかってる顔してるよね、大公閣下。
「スノー、貴様!?」
ついにダンが、スノーの肩を掴みにかかった。
ボクもさすがにちょっと、ため息が出た。
「スノー。君の仕業だろう。何とかしろ」
「あねう……おっとハイディ嬢。
人聞きの悪いことを言わないでいただきたい」
そこで白を切るのかよ。
「姉上っていったか!?知ってたな!!」
「さぁなんのことだか。
リィンジア嬢。
あなたなら何かご存知じゃないかな?」
ダン王子の首が回って、思いっきりストックの方を見た。
ストックは不敵に笑っている。
なお直前までは、おなかをかかえて俯いていた。
変わり身早いな。
「では僭越ながら、わたくしから改めてご紹介させていただきましょう。
よろしいでしょうか?」
ストックが、ボクらの方を見る。
しょうがないので、ボクは頷く。
お父さま、お母さまも頷かれた。
「あちらのハイディ嬢は、三つ子で生まれてすぐ、聖国に浚われました。
アリシア王妃殿下の実子……ダン王子殿下の姉に当たられます」
「三つ子!?しかも浚われただと!!??」
いいリアクションだなぁダン。
「ついでなので白状しますが」
おい、なにを白日の下に晒す気だストック。
って左手を掲げて、右手を薬指に添えたってことは……。
彼女が少し薬指の根元あたりを掴んで回すと、そこに指輪が現れた。
魔導でかけている隠ぺいを、解除したのだ。
「本日、正式にわたくしと婚約を結んでいただく予定です」
「はぁ!?」
「もちろん、両家とも承知済みです。
この新王都を作り、王家夫妻をお招きしたのは――――わたくしですから」
「あ、え、つく、は??????」
ついに、ダンの理解を越えた。
一応、ボクも同じように解除して、指輪を見せておく。
「お、綺麗な指輪じゃん。ハイディ、ストックちゃんも」
「はい」「ええ」
お母さまにお誉めいただいて、思わずにっこりしてしまう。
ストックにあげた指輪は自信作だしな。改良は進める予定だけど。
ストックも特に言わなかったけど、ボクのしてる指輪にもなんか仕込みがあるんだろう。
ふふ。明らかになるときが楽しみだ。
「それから、この二人を紹介しなくてはなりません」
ストックが、クエルとシフォリアを見る。
二人が少し進み出た。
「こちらがクエル、そちらがシフォリアです」
「クエルです」「シフォリアと申します」
「その、ふたり、は……」
明らかに髪の色、目の色がストック譲りな二人。
並ぶとそれがよくわかる。顔も似てる。
「わたくしとハイディの娘です」
「?????????????」
ダンのお顔が猫状の何かになっちゃった。
宇宙の真理とか見てそう。
お。袖引っ張られた。
「ねぇハイディ。確かにストックちゃんそっくりだけど。
どゆこと?」
「詳細はまたお話しますが。
呪いの子と同様の原理です。
事情があって、未来から故意に呼び寄せました」
「ふぅん……ああ、あの子たちが」
「まだご報告はしていませんが……」
「聞いてる」
いやな言い方じゃなぁかーちゃん。
精霊の囁きってやつか。
問題は、なぜこの二人のことが囁かれたのか?だよ。
国にとってそんな重大事なのか。
まぁ破滅の未来からやってきた二人だから、さもありなんだけど。
それだけじゃないような予感がするな……。
おお……ついにダンが膝から崩れ落ちた。
四つん這いになっておる……。
次の投稿に続きます。




