表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
267/518

20-4.同。~もしも未来を、授かれるのなら~

~~~~言いっぱなし作りっぱなしのボクらと違って、スノーは気苦労が絶えんな。



(重ねて注意喚起)


本作品はフィクションであり、すごくファンタジーです。


また、本部分の内容は、作品世界内でも例外的なものです。


ご承知おきくださいませ。


「場合によっては空も行けるんじゃないか?」


「それはエネルギーの無駄よ、ストック」



 ボクも、ただ上空へ飛ばすだけならダリアに賛成だが……。



「ダリア、ダンジョンを座標固定してるのってどうやってるんだっけ?


 やり方次第では、そっちでいけるんじゃないか?」


「あれは門の展開応用と考えられるわ。


 高い出力を要求されるけど、直に空を飛ぶよりはましね」



 よし、いけるか。


 あれなら、一度飛ばせばいいはずだ。



「あれ、質量で要求出力変わらないんじゃなかったか?」


「そうね。先に大きく作ってから、浮かせ……というか、別次元に展開できるわね。


 よく知ってたわねストック」



 んん?



「それはもうダンジョン作ってるってことにならないか?」


「あら。ひょっとすると同じ構造かもしれないわね。調べてみる?」


「興味はあるけど、手は回らなそうだねぇ」


「びおらぁぁぁ。ここ、こわい」



 ……妹がさめざめと泣いている。



「スノー。これからの王国では、これが日常よ」



 おう、慰めてるけどあなたはこっち側やんけ。


 何せ、世界の螺旋循環を机上から突き止めた人だからな。


 スケールが違うわ。




  ◇  ◇  ◇ 




 盛り上がっていろいろ夢が膨らんでしまった。


 どのみち、手をつけられてることは限られてるんだけどねぇ。


 我々が生きてるうちに、どれほどがちゃんとした絵になるかなぁ。



 休憩がてら工場の外へ歩いてきたら……。


 なぜそんなところで座り込んでるのだね、妹よ。



「ひっ、あねうえ」



 怯えられておる。



「君はあれか、なまじ内容が理解できるからそうなんだな。


 どのみち検証はともかく、そういう世界になるのはボクらの子どもか、孫の頃だよ」



 スノーがちょっとびくっとなって……こちらを向いた。


 隣に座る。だいぶ行儀悪いけど、こういうのもよかろ。


 気にするような服でもないしな。



「子ども……姉上は子どもは、どうするの?」



 おっと、予想外の話題だった。



 子どもねぇ。


 正直ボクはあんまり興味がない。


 というか、興味がストックに集中してる。



 だが、ストックが欲しいというのなら。



「どうするったって、求めるなら養子しかないが。


 ボクはストック以外に体を許す気はないぞ」


「ああ、それはその、そうだけど」



 おいこら妹よ。


 その言い方だと、何かあるのがばればれである。



「……そこで言い淀むなし。


 そうか、同性同士の王家にも、次代が存在しているのか」



 養子とか元王族の血とかじゃなくて、直系がいるということだろう。


 記録には……特に言及はなかったような気がするが。


 いや、これおそらく秘匿事項だな。



 同性でも子どもが作れる。しかも王家だけとなったら、ちょっと荒れるだろう。



「私も継承はまだだし、はっきりそうとは知らないけどね。


 あるんじゃないのか?とは思ってる」


「いやそれ、ボクは関係なかろ?」


「……ソ、ん”ん”。王家精霊と、アウラは、ちょっと他の精霊とは違うのよ」



 違う……どの辺だ?



「種が丸ごと、特定個人と契約する精霊だと言われているわ。


 王家精霊は、少なくともそうね。


 あと……彼らの囁きで、アウラもそうだと私は知っている」



 なんと。



「個がいないということか?」


「いいえ。個はあるけど、種族すべてが特定個人と契約する。


 そう。家じゃないのね。王家とはいうけど、これは王と王妃のまとまりなだけ。


 究極的には、あくまで個人との契約なの」


「そうなんか」


「姉上は、アウラとは契約して……るわね。


 あと、ストックもかしら?


 あら。そうすると王家精霊より、さらに特殊ね」



 王家精霊は、あのキッチンでのビオラ様とスノーの呟きからすると、二種。


 それが王と王妃、それぞれと契約するのだろう。


 だがアウラは、ボクとストックという二人と契約している……どういうことだろう。


「特殊っても……具体的にどう、とかは」


「ちょっとわからないわね」


「そうか。


 契約については……やはりそうなのか?


 こちらでも予想はしてたけど」


「ええ。間違いないわ。姉上とストックが、アウラの契約者よ。


 車両契約がきっかけになってると想像するけど」


「だろうね。そこはボクもそう思うが……」



 サンライトビリオンの車両契約のことだ。


 ただそれだと、ボクとストックだけやないんだけど。



「マリーやギンナもビリオンの車両契約してるんだけど?」


「んー……その中から、継承者を選んだ」


「王家と同じ仕組みか……あ。


 王家とそこが変わらないから、王家のように次代を残す方法があると?」


「確証はないけどね。でも、対を次代に指名するという様態が、同じに見えるのよ」



 そういうことか。


 どっちがどうなるかはともかく、子どもを設けられるかもしれないのか。


 実感がさっぱりわかない……。



「まじかよ……まぁ、そこはストックとそのうち相談するよ」


「そうして。


 でも姉上……野暮を承知で聞くけど。


 本当にストックでいいの?」



 本当に野暮だな。


 この子は意味もなくこんなこと、聞いたりはしないと思うけど……。


 その目を見るに、質問した理由は教えてくれそうにないな。

次の投稿に続きます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

――――――――――――――――

幻想ロック~転生聖女は人に戻りたい~(クリックでページに跳びます) 

百合冒険短編

――――――――――――――――

残機令嬢は鬼子爵様に愛されたい(クリックでページに跳びます) 

連載追放令嬢溺愛キノコです。
――――――――――――――――
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ