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9-2.同。~その女、国を追われた皇女~

~~~~次回作関係者……だけどちょっと違うのか。この辺、詳しい情報持ってる人がいないんだよなぁ。


「王国に研究友達がいるって聞いたんだけど、違った?」


「あー……たぶん合ってます。


 ボクとストックのことでしょう」



 ダリアはあれで縁や恩を大事にするので、結構交友関係が広い。


 今生で一時、王国で活動していたこともあるが……研究仲間というなら、ボクらだろう。



 だが気になったのはそこではなく。



「エイミーは、ダリアとはどういう関係なんだ?


 魔女姫でも、サレスでもなく、本当の名を知っているのは、些か気になるんだが」



 ストックが聞いてくれた。


 彼女の名を知っていて、かつボクらのこともちょっと聞いてるなら、かなりの仲良しでは?


 いつの間にこんな友達ができたんだ?ダリア。



「きっかけはソラン様なんだけどね?その後友達になったのよ。


 彼女、魔道具に詳しいし」



 ダリア自身は魔術を中心にした魔導の研究者だが、魔道具も当然に詳しい。


 その理由は、ボクが適当な魔道具を作って、試験を手伝ってもらってたからだけど。


 魔力ないから、ボクじゃ動かせなくてねぇ。



 まぁ最近は収束充填機構があるから、小さいものなら自分でやるけど。



「魔道具なら帝国の方が進んでるのでは?」


「そうでもないわよ。兵器利用できそうなものしか、評価されないから。


 ロマンがないのよねぇ」



 ロマンとか言い出しやがった。


 ……勘だが。たぶんエイミーもやべぇ人だ。



「二人は何を研究してるの?」


「私は神器工材が専門。ハイディは」


「神器構造と制御。


 知ってるかもしれませんけど。


 イアベトゥスで作ってる中型神器船、あれはボクらのです」



 イスターン連邦所属、インクレス王国の街、イアベトゥス。


 連邦北端にあり、今回のボクらの旅の終着点だ。


 いろいろあって、そこで中型神器船パンドラを建造している。



「知ってるわ!新型神器船!ぜひ乗ってみたい!!」


「いいですけど、帝国に情報もってかえっちゃやですよ?」


「あー……そこ言っちゃうけど、帰らないからいいわよ」



 なんですと???



「……お母上が、亡くなったんだな?」


「ん、そう」



 ああ、ストックは前の彼女のことを知ってるから、事情が分かるのか。



「第二皇女派閥は解体。私はお払い箱。


 ただ継承権はまだはく奪されてないから、その前に高く売りに来たのよ」



 わかるけど言い方ぁ。



「皇女をやめた後だと、ソラン様はともかく周りは納得しませんものね」


「どどどどどどどうしてソラン様の名前が出るのよ!?」



 なんだこいつ乙女か。



「事情は分かりました。


 じゃあドーンに入って、そこから海洋を回って連邦に行きますので。


 途中、首都でダリアに合流します。


 王子にお会いするなら、そのルートで大丈夫でしょう」


「……違うのにぃ。


 でも、ジュノーに寄ってくれる?たぶん、南寄りにいると思う」



 ジュノーというのは、連邦の持つ聖域の一つだ。


 国「内」を巡回している、珍しい聖域。


 連邦は国内に元魔境があるから、そこを巡察している。



 寄ってほしいってことは、ソラン王子はそこにいる可能性が高いのか。


 連邦も帝国と同じで、王侯貴族の子弟が爵位と領地を持っていることが多い。


 ソラン王子なら、ジュノーの爵位を持っててもおかしくない。



 ジュノーが巡回しているのは、ミクレス王国の領土。


 アーサー氏族の管轄だろう。



 こちらの予定とはちょっと変わるが……まぁいいか。


 クルマ旅が、船旅になるだけさ。



「分かりました。ただ、行っていきなり入るのは無理ですから。


 ミマスかディオネ……あるいはイスターンまで行かないとですね」



 航行している聖域には入れないので、どっかの街の窓口で手続きを行うことになる。


 シャドウで、ドーンやユリシーズへの申請を行うのと一緒だ。



 ミマスは連邦南端の街。ディオスはもう少し中央よりだ。



「そうね。ミマスでできればいいけど。だめならディオスがいいでしょう。


 でもディオスの場合、あそこは『河向う』だけど大丈夫?渡河手段ある?」



 イスターンは、大きな河が流れていて、河の東と西に大きな都市が分かれていくつかある。


 三日月の明るいところが西の穀倉地帯、暗いところの多くが砂漠、境目がその河と考えるとわかりやすい。


 河の名は、ギボス。



 由来は月絡みじゃなくて、北から南に流れているのに、なぜか中ほどの標高が高くなっているから、らしい。


 北から国中央までは、河の流れが重力に逆らっているんだ。


 不思議な河である。見ても意味が分からない。



 そしてあの国は橋を建てない。理由はよくわからんが。


 なので河は、何らかの船で渡らなくてはならない。


 連邦は魔術による魔導船での水運が盛んだが、民間用は少ないか高いはずだ。



 少なくとも、皇女が手段の是非を問うくらいには、高くつく。



「あります。


 ドーンで、小型神器船のエルピスに乗り換えます。


 あれは水上も行けるので。


 さっきも言った通り、あれで海上を通って連邦入りしますよ」



 聖国だったら勝手に自前の船で渡ったりしたら、憲兵がすっ飛んでくるが。


 他の国ではそんなことはない。



 というか、エルピスの移動はダリア経由で連邦に話が行ってるはずである。


 都度の連絡や手続きはいるかもしれんが、止められたりはしまい。


次の投稿に続きます。


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