C-6.同。~互いを少しずつ、重ねる~
~~~~ちょっと……だいぶ?食べ過ぎた。いろいろ満足した。
「ん……」
もぞもぞと、ストックが近づいてくる。
「ん、こっち」
ちょうどよいところで腕を誘導するように、手を添えて。
脚も。
「っ。これ……」
彼女の編んでいない髪が、頬に少しかかる。
四つん這いになった彼女が、見下ろしてボクを覗き込んでいる。
両手を伸ばし、肩を優しく下から支えて。
「ゆっくり、こっち来て」
「こっちって、この、これ」
少しの抵抗の後。
彼女の姿勢が少しずつ崩れ。
頭が、ボクの横に。
まだ肘と膝がたっていますねー?
優しく、まず肘から外す。
「あ、え?なにこれ、力、入らない」
ふふーん。君も知ってる、ボクの得意技だよ。
内から撫でるようにそっと……そうそう。
こちらの腕と肩を通しつつ。ストックに脇の下から、ボクを抱かせる。
「っ。っ!これ、はいでぃで、いっぱいに、なる」
すごいこと言うね君。
じゃあ下も。
膝を崩させ。
胸がぴったりと合わさり。
下腹までの隙間がなくなり。
太ももが、触れて。
……少し大胆に、足まで絡めて。
髪の中に指を通すように、右手で頭を抑え。
左手を背に添えて……ゆっくりと撫で上げる。
「逃げたら脚、腰に絡めて捕まえちゃうからね?」
「んっ、にげ、ない。にげられ、ないぃ」
力ぬけちゃってーら。
……かわいい。
「これ、は。ダメじゃ。やっちゃ、ダメな、やつじゃ」
「唇も触れてない。手も握ってない。
触れてはダメなところは――触れてない。
何もダメじゃないよストック。
ほら落ち着いて。ゆっくり、息、して」
「っ、っ。~~~~ぅ。ふぅ」
息をするたびに、少しずつ彼女の力が抜けていき。
「もっと。体重、全部かけて。
ボクに君のすべてを乗せて?」
耳元で囁きながら、腰回りを撫でていく。
最初にびくっとした体は、抵抗をやめ、柔らかくなっていく。
骨の当たるところを、少しずらしてっと……。
「たまらない……君の重みが、すごくいい」
「おも、くない?」
「ない。もっともっと重くていい」
お互い、かなり食べてるはずだけど、体重増えねぇよなぁ。
もうちょっとずしっと来てもいい……おお。
すごいぎゅっとされた。力強く。でもすぐ、力が抜けて。
ストックが深く深くもたれかかってくる。
この重さ、本当に心地いい……。
あんまり安定した姿勢じゃないからか。
たまに肌が、すり合わされて。
ぞくぞくする。
君はなんて滑らかで、柔らかいんだろう。
成長するにつれ、この体は女らしくなって。
もっと、柔らかく、深く沈みこむようになって。
……なんだそれ。たまらない。早く味わいたい。
ストックでいっぱいに、なりたい。
君の瞳を独占するだけで、あんなに嬉しいのだから。
それはどれほどの、幸福だろうか。
「髪、じゃまじゃない?」
「ん。はむってしそう」
「それはだめ」
だめか。レギュレーション違反か。
しょうがないので、深く息を……ちょっとお待ちを。
「ストック、やってない?」
「……ないしょ」
ずるしてボクの髪をはむりやがった。おのれ。
耳元に鼻を押し付けて。
存分に息を吸う。
「ぁ。ちょ、それ……ん」
諦めたのか、自分もやり始めた。
……ぞわぞわして。頭、ぼんやりする。
そのまま、結構そうして互いを吸っていた、気がする。
ちょっと思い至って。体をもぞもぞさせる。
「ハイディ?」
「ストック、その姿勢疲れて来たでしょう」
「……もうちょっと」
「ん。じゃあ、その後は、お風呂入ろう?」
「ぅ、あせ、くさい?」
「いい匂いしかしない」
「ぁぅぅ」
そしてそれを言うならボクだって汗かいてる。
男女ならともかく、この状況でそれは言いっこなしだぞ?ストック。
「違うんだよ。ね。
もうちょっと、触れたいなー?って」
「っ!」
「ダメならいいよ。
ただ……練習」
「っ」
「ね?」
ストックががばっと起き上がって。
ボクの手をとった。
「………………いこ」
目が据わってらっしゃる。
ふふ。いいとも。
無言で二人、脱衣所へ向かう。
手をしっかり、指まで絡めて、握りながら。
では夜も更けて来たので。
今日は、おやすみなさい。
ボクらはこれから、内緒の夜更かしです。
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