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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第一章幕間.聖暦1083年夏~1086年春-二人が意味もなくいちゃつく日々-
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C-5.同。~最後にお土産を持って~

~~~~ひたすら食べてる。幸せ過ぎる。


(注意喚起)


本話と次話はR15らしい話です。


苦手な方はご注意ください。


「また来てくれよな、お嬢ちゃんたち!」



 見送ってくれた店主に、手を振る。


 両手いっぱいに、袋に入ったおにぎりを持って。


 笹包みにそれぞれが入れられていて、さらに紙袋で渡された。



 この袋、いいな?お弁当屋さんだということだから、ここも工夫があるのか?


 しっとりしたものが入っているのに、安定感がある。


 結構重いんだけど、破れる気配もない。持ち手もついてて、頑丈だ。



「至福の時間だった」


「工場をぜひ誘致しよう」


「そうしよう」



 力強く頷き合った。


 ダリアも満足げに頷いている。



「今日は二人とも、宿帰んの?」


「ん。お土産もいっぱいだしね。


 明日王城遊びにいっていい?」


「離宮脇の工場にいるから、直接来ていいわよ。


 話通しておくから」



 そりゃあありがたい。


 工場ってか作業場ってか、ダリアが自分用に持ってるとこがあるんだよ。


 離宮内でも作業はできるんだが、大物を扱う――例えば神器車を弄るときなんかに使う。



 話しながら、なんか作業できるかな。



「よっしゃ。何か弄りながら相談するか。


 ああ、まずはマリーの神器、聖人(reviver)からかな。


 調子はど?」


「すこぶるいいですよ?


 というか私、今まであんないい神器使ったことないので」



 あー……がらくたすれすれを使ってたからなぁ。


 マリーはその特技の関係上、本数をいっぱい使うんだけど。


 一つ一つはそこまでの代物じゃないんだよね。



 たぶん、オーバードライブすると一発で折れただろう。



「ベースのフェニックスが最高級品だったからな……。


 使いにくいとかはないのか?マリー」


「ないです。ああでも、まだあんまり全力で振ってないので」


「じゃあ今度またダンジョン行こか。


 イスターン周辺はないから、王国来た時でもいいし」


「次は洞窟らしいところがいいですねぇ」


「シャドウの近くで、まだ行ったことがないところにしようか。


 また案内しよう」


「楽しみにしてますね、ストック」



 マリーが素直に楽しそうだ。


 この人見知り全開が自然にしてると、何かこう、遠くに来た感があるなぁ。


 まぁそれだけ、ダリアとの暮らしがいい刺激になっているんだろう。



 それまでの過酷な道の分、穏やかに過ごせているといいな。





 そうしてボクらは分かれ。


 宿のベッドで、薄着で荒い息をするボクとストック。



 ……おにぎり食べてるうちにだね。


 こう、ついてる米粒のひょいぱく競争が始まりまして。


 まぁ買ったお握りは食べきっちゃったわけですが。



 もう何もついてなくて、上気して――滑らかなストックの頬を撫でる。



「ん……」



 素直ストックになっちゃった。かわいい。



 前にプリンを食べさせ合ってから、たびたびこういうストックを見られるようになった。


 少し甘えたような、普通の女の子のストック。


 ボクだけを見ている――綺麗な子。



 いつだったか。ちょっと裾をめくって見せるだけで、ストックは全力で飛びのいていたし。


 もっと迫ろうとしたらすごい動揺してて。


 まぁそれはたぶん――ボクに嫌われるのが怖かったのだろうけど。



 今もその基本は変わってない。


 この子、淑女だからねぇ。やらしいことへの耐性はまったくない。


 すごいむっつりなのに。ボクはそこがいいのに。



 なので油断して素直になってるストックは、言っちゃ悪いがお楽しみどころだ。


 ボクの拙い誘惑に、ちゃんと応えてくれる。


 今だけは、君のかわいさを存分に味わえる。



 ……………………。


 五つの誕生日に、自分の変態性を理解してからというもの。


 ボクは自身で思う以上に、ストックに対して前のめりだ。



 露骨な表現や行動は避けている。


 愛も囁かない。口もつけない。


 今ならそのギリギリが――憚ることなく、存分に味わえる。



 想像するだけで、背筋を甘い痺れが駆け抜ける。


 ストックが相手じゃなかったら、怖気が抜けてくとこなんだけど。


 甘い痺れが後から後から湧いて来て……頬を撫でる手先まで、伝わってしまいそう。



「……?ハイディ?」



 いけね、ちょっとばれた。


 ん……ならばせっかくだし、ちょっとおねだりしようかな。



 身を起こして。


 ストックも起きたので、掛け布団をはいで。


 枕に頭を乗せて、真ん中にでーんと仰向けに横になる。



「ね、ストック。ちょっとこっち来て?」


次投稿をもって、本話は完了です。


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― 新着の感想 ―
[一言] 多分5歳児がやってるのがまずいんかねえ
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