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【完結】逆行した幼女と令嬢は車で旅に出る~ボクは4歳で攻略されたので、乙女ゲーや王子たちは今更来てももう遅い~  作者: れとると
第一章幕間.聖暦1083年夏~1086年春-二人が意味もなくいちゃつく日々-
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B-2.同。~前からボクを知る者たちのコメント~

~~~~マリー?ちょっとマリーさん???


「続きまして。ファイア大公家ご令嬢」



 いや、ギンナなら大丈夫やろ。



『ハイディ?そうね。望まれるならなるわよ。


 あの子が私を恋人に望むなんて、ないでしょうけど』



 吹いた。


 お茶は入ってないけど、むせた。



『彼女は私の理解者。挑むべき頂。


 そして自分が貴族令嬢であることを忘れるくらい、完璧な淑女。


 いつも見惚れてるわ。戦いの中でも、本当に美しかった。


 あの山で斬られた瞬間、歓喜を覚えたくらいだった。


 それはあり得ないことではあるけれど。


 あの子に望まれる――――悪く、ないわね。


 ベルと比べて?


 ……………………。


 ベルは私の唯一よ。比較はできないわ。


 ハイディもまたそうだとは言えるけど、別口ね』


「以上」


「…………」


「…………」


「コメント」


「…………ボク、ギンナ倒しちゃったからね。


 それで美化されてるんでしょ」


「コメントありがとうございました」



 幼児がつやっぽい声出さないでほしい。



 というか、唯一……ベルねぇが?


 あの二人、前のときほとんど関係なんてなかったよなぁ?


 こっちで会ってから、何かあったんだろうか。



「続きまして。元第三皇女にして、現モンストン侯爵家ご令嬢」


『ハイディ?愛しているとも』


「カハッ」



 血が出たわけじゃないけど、何かで胸を抉られたかのように体が跳ねる。


 何言い出すのメリア!?



『だが伴侶として喜ばせるのは難しかろうな?お互いに、興味が湧くまい。


 ハイディがそうしろというなら、喜んでするがね。


 ああいっそ、尽くし合うのもいいな?たまらん想像だ。


 まぁ、そうはならん。私は太陽を汚す趣味はない。


 ミスティと比べてみよと。ほほう。


 ミスティの場合は、望まれれば、ではない。私の望みだ。


 私はあまり主張が得意な方ではないが、これだけは譲れん。


 あの女は、私のものだ。二度と離すものか。


 ハイディは――いくらでも拾い手がいるだろう?』


「…………」


「…………」


「コメ」


「メリアはストレートだからな。そこを強く踏まえてるんだろう。


 それを踏み越える気は、ボクに対してはないということだ。


 ミスティがいて、それどころじゃないしな」


「コメントありがとうございました」



 すごい疲れた。どっと重さが体に来る感じが……。


 あとストックの圧が強い。強すぎる。



「最後はこちら。イスターン連邦アーサー氏族の王女殿下」


『ん?好きよ。今すぐ抱いてほしいくらいには』


「……!……ッ!」



 ボクはあまりの単語に何か体が跳ね回ってる。



『でもあの子、私のことは趣味じゃないわね。


 ああ、ストレートだってとこじゃなくてね?


 好みの問題よ。私はいいけど、たぶん良い仲になっても無理させちゃうわね。


 負担はかけたくないのよ。あんなに真っ直ぐ私を見てくれる子の、重荷になりたくない。


 そうでなくてもたくさん無茶をするんだから。私が少しでも支えてあげないと。


 でも……好いてくれたら、素敵ね。どんな王子より、王女より、最高よ。


 ハイディ以上の人を、私は知らないわ。


 マリーと比べて?比べらんないわよ。


 私はマリーのために生きてるの。私の世界とは、マリーとそれ以外。


 マリーとハイディの比較は、できないわ』


「…………」


「白状しますと、あの子には一度、迫られたことがあります。蹴り飛ばしました」


「コメントありがとう。


 で、そういう感情は向けられたことがないって?」



 ないです。ダリアのあれは、彼女の気持ちがぐっちゃぐちゃになったときのやらかしだから、ノーカン。


 普段はほんと、そんな風に全然見てこない。思い返してもない。


 それに比べると、ストックの方はだいぶはっきりしてる。学園の頃からだ。



「ないよ。それは間違ってないし。


 内心はともかく、みんなボクを恋人や伴侶にしたいとは考えていない。


 詳細もそうだし、最初に君が言った通り、無理寄りの無理、なんだろ?」



 ストックが肩を竦める。



「らしいな。よくわからん。


 こんなに好いているのに、そこは絶対無理なんだと」


「同性愛者も混じってるのにな。どういう情緒なんだろう……」


「むしろ逆に聞かれたぞ」


「逆?」


「『ストックはハイディの何がそんなにいいんだ?』って」


「何がいいんだよ?」


「何もかもだよ」



 さらっと言いやがって。



 たぶんこう、みんなの……あれやこれやは。


 障害を越えて、ボクの気持ちを無視してまで、そうする積極性はない、ってことなんだろうな。


 そしてストックには、あるいは各々が自分の伴侶と定める相手に対しては、それがある。



 気持ちを無視っていうと、だいぶ語弊があるけど。


 万難を排する?というか。人生を賭して、というか。



「というかこんなの、いつの間に録ってきたんだよ」


「こないだちょっと集まったろう?そのとき、七人で卓を囲んでな」


「ボクがビオラ様と一緒に、カワーク行ってる間だな?それ」


「そうだ。『第四回ハイディ語り』の中で行われた。


 さすがにそれぞれ、個別で対面方式でとったが」


「君たちさてはばかなんだな!?」



 ボクを肴に茶や酒飲んでたのかよ!?


 しかも四回目って多いだろ!!





 なお、後日「七本目」を発見し、聞いた。


 正直、六人のはとっっっっっても控えめだったとだけ、ボクからはコメントしておく。


 ちょっとこう……幼い身には、刺激が強すぎた。



 犯人には、罰としてまず七本目を一緒に聞かせ。コメントを求め。


 八本目を作って、聞かせてやった。



 特に怒ったりはしなかったよ。うん。


 おかげで、何でそこまで思ってて恋人は無理なん?って疑問が、氷解したから。



 つまり友達らは、ボクの容姿が好みじゃないのさ。


 もちろん、今の子ども姿だけじゃなく、大人の時のも含めてだ。


 ダリアやマリーにしてもそうみたい。



 そこがHITしてるようだったら……ボクは半島から逃げ出す羽目になってたろうなぁ。


 そうならなくてよかったよ。


 ボクも、ストック以外は無理寄りの無理、だからね。

(注釈というか言い訳。あるいは感想)


重たい感情がハイディに集中する、百合ハーレムにならなかったのは何で?


という疑問からスタートした小話です。


ハイディは作中女性からは絶望的にもてません。ストックの趣味が変わっているのです。



普通、友達に好意を向けられるというのは、あまりいい気分ではないでしょう。


ただ半数はハイディと殺し合ったことを覚えていますし、皆それを知っています。


それゆえに気を遣った結果……なぜこんなことに?



お酒のせいで、漏れてはいけない何かが垂れ流しだったのでしょう。


素面の子がいますが……ちょっとストックをからかっていると思ってください。たぶん。


ストックの分?載せてはいけない悍ましい情緒で溢れたので、カットされました。



ハイディのストック評についても、御察しです。長さは120分フルにありました。



なお容姿については、ハイディは「男性から見るとかわいい。女性から見ると普通以下」です。


ストックはその逆で、とても綺麗ですが、男性からは好かれないタイプです。

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