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その日の夜はハルカが来るはずだった。
正確に言うともう来てるはずだった。前から思ってたけどどうやって俺んち入ってるの?犯罪だからね?
ただその日に限って家には誰もいない。親はもちろん、ハルカの姿がない。
いやハルカがいないのは当たり前なんだけど当たり前じゃないというか、、
(ピンポーン)
インターフォンが鳴った。ドアを開ける。
そこにいたのはハルカ。明らかにおかしい。
制服がボロボロ
「どした?」
俺の問いかけに対してハルカは笑って答えた。
「まあ見てみろよ!ベースは完璧に無事やで!さあ練習しよ!」
もうこれ以上はきかないようにしよう。色々面倒だ。
いつも通りの練習のはずがまるで別人のようにハルカのリズムが狂っている。本人も分かってるようだ。
「ごめん!もう一回やろ!」
ハルカが謝るがもう分かる。何をしても今日はだめだ。
今日はもう辞めよう。そう言おうとしたその時だった。
「俺イジメられてるんよ。ダサいやろ?」
ほら、やっぱり面倒な話になった。
「お前絶対聞いてこないと思ったから先に言ってやったで!もう練習辞めよう思ってたやろ?!」
言っても言わなくても辞めることになったやん。
ハルカが続けて笑いながら話す
「俺結構好き嫌いはっきりしとるやん?やっぱり周りが受け入れてくれんのよ。
無視してくれてたのはよかったんやけど、遊び道具見つけたみたいにイジられだして、気づいたらボロボロにされてたわ!笑えるやろ!」
胸が死ぬほど痛い。俺とまったく同じ状況だった。ただ1つ違うのは好きなものが同じだった奴らに会ったこと。
たったそれだけの違いなのに、、こんなにも、、
「ハルカ、ベースは絶対辞めるなよ。武道館に俺が連れて行く」
ハルカは驚いて言葉がでない。
「そんでバカにしてきた奴らを見下せるようになろう」
普段喋らない俺の意見が珍しいのだろう。少し沈黙が続いた。
「は、武道館か、、ならお前がボーカルなら可能性あるかもな」
「俺がボーカルやってやる。ギターもドラムもお前も皆で武道館でLiveしよう」
ハルカは圧倒されている。俺も逆に自分で何言ってるんだと思いながら止まらなかった。
「、、、いけんかったら責任とれよリーダー」
「ああ」
「ギターとドラム、見つかったんやな」
「最高のメンバーを揃えたよ」
このやり取りのあとハルカは帰った。
服はボロボロだったが明らかに顔の表情が変わっていた。何かを見つけた、光を見つけた顔だ。
、、、完全にミスった。心配させないために適当なことを言ってしまった。全然最高のメンバー揃ってない。
ただ言った事実は戻らない。
そして、俺はメンバーに放課後、音楽室に行く前に話をすることにした。
「ベースを入れたい」
奏と愛が談笑してる中に割って話しかける
「え?!何急に!あんた喋れるん?!珍しいやん!」
愛がおちょくりを入れる。
「まあ、ちょっとだけ聞いてみようや、何かあるんやろ?」
奏が真剣な目でこちらをむく。
正直色々言いたいことはある。イジメのこと、技術のこと、ただそんなことを言える訳がない。言えることは1つだけ
「俺の友達なんよ」
愛と奏が顔を合わせる。
「そうか!!ええやん!お前の友達なら大歓迎や!」
「うちのドラムさばきにビビらんかったら入れたる
で!」
ドラムをさばきにビビることはないが了承してくれた。
そして本題の内容に、、
「しかも他校」
、、、おもわず奏が笑った。
愛はもはや爆笑している。
「この学校ってか基本的に他の学校のやつ部活で入れてええの?!なんかいかんかったことない?!」
愛のおっしゃる通り。恐らくだめ。前に野球部がふざけて他校から助っ人いれて試合したことあったがそのおかげで部活停止。
「でも、お前が選んだんやろ?!何とかしようや!」
奏が俺の肩を叩く。こうゆうとこが鼻につく。けど、ありがたい。
さあこんな話をしているともちろん遅刻だ。
慌てて3人音楽室にむかう。
奏が最初にたどり着き勢いよくドアオープン。
「すいませーん!おくれまs」
「てめぇーら初日からなに遅刻しとんじゃわれぇー!」
遠くからでもわかった。これはブチギレてる。
次に愛と俺がたどり着く
「さーせん!!てか先生今日ピアノ弾いてないやん!」
おいまじか火に油と灯油を流し込んでどうする。
「ほ、ほぅおもろいやつらやな」
すごい、ブチギレてるさらに上にいくことによりもう意識が飛びかけてる。こんなやり方があったとわ。
いや、そんなことよりいつベースの話をするか、、
とりあえず今じゃない。まずは先生の機嫌をとってちょっとしんみりにした環境を作りその後、、、
「あ、そいえば他校のベースいれたいんやけどいい?!コイツの友達なんよ!」
全てを悟った。奏のお陰で考えてたもの全てが終わった。
「どうゆうことや?」
悪魔の視線が俺に向けられた。
「事情はありますが言えません。ただ、俺の友達です」
悪魔はすかさず質問を投げかける
「ベースやりたいやつならこの学校探せばおると思うで」
俺は被せるように答える
「コイツじゃないとだめです。武道館にいけません」
悪魔の顔をしていた先生は耐えきれず吹き出した。
「はっはっは!あんた本気で昨日の話してたん?!武道館?!最高やん!」
続けて悪魔が話す
「よっしゃ!ほんならあたしがなんとかしよわい!」
え?ほんとに?無理やない?どうやって?
「とりあえず〜校長室いってくるわまっとけ」
そう言い残して悪魔が出ていった。
10分後、笑顔でかえってきた悪魔
「おう!なんとかなったで!とりあえず明日から連れてこい」
すげーぞこの悪魔。いや、今は天使か。
「とりあえずお前〜奏やったか?ギター弾いてみろ」
天使が奏の方向いて指示を出す
「おう!やっと出番か!待ちくたびれたで!ほな!いくでー!」
、、、ここは、、そうか、、アンプに繋いでチューニングもしてないギターによる爆音で死んだのか、、、ふっ、、ゴブリンか、、、
目が覚めた。いやてかデジャブ。これはとんでもないレベルだ。
「どうや!うまいやろ!音がなるんやで!!」
あー恐れ入ったよ。まさかここまでのレベルの低さとわ。
「お前うち殺す気か!」
愛がブチギレてる。まあ普通の反応か。
さて天使さんは、、、あ、だめだ悪魔になってる。
「てめぇなんだいまのわ、、、耳という商売道具を壊しに来たのか?」
悪魔が怒りで震えてる。
「まあ!今からうまくなんだよ!いこうぜ武道館!」
ありがとう気持ちは受け取った。気持ちはな。
どうしたものかね。
「次はうちや!このドラム借りるで!」
音楽室においてあった電子ドラムに座る。
「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
す、すごい、何て速さだ。物凄いスピードでどんどん壊してる!どんな力してんだこの人。
よかった、本物ドラムならもうまじで終わってた。
多分窓ガラス割れる衝撃波が出てた。
あ、奏の反応h
「なるほど、悪くはない。だが、スネアが弱いなそこを鍛えないと」
これは、完全に分かるドラムの単語だけを言ってるだけだ。
「いやうちもそう思っててん。ここのドラムセットスネア弱いな〜。まあ将来は武道館立つんやからこれくらいなんとかするわ!」
君がさわってるのはスネアやない。シンバルや。
だめだ終わったなんだこいつらは。
想像はしていたがまさかここまでとは。
いや、むしろここまで同じレベルと同じ目標を持ったやつが集まったんだ。
やってやる。絶対に。
あれ?そいえば悪魔は、、、?!?!
「あ、あ、あた、し、、の、、電子ドラムが、、」
泣いてる。家から持ってきたんだろう恐らく。
多分皆怖がってるだけで恐らくいい人なんだろう。
「先生ごめーん!弁償するー!何円?三千円こえる?!」
赤ちゃんが楽しむドラムセットなら買えるかもなそれで。
「、、、っきゅうまん」
愛が聞く
「なんて?」
「19万じゃぼげかすおらぁ!!!」
悪魔の叫び。そして号泣。
「まあうちらが売れたらすぐかえしてやるわ安心せい先生よ!」
もうやめて悪魔のライフポイントは0よ。
「おいリーダー、このメンバーどうやってまとめるんや」
そんなに睨まないで。俺だって何からしたらいいか分からん。
ギターは俺が教えるとしてベースも大丈夫。
ドラムは、、???そいえばなんで悪魔が電子ドラムを?
しかもかなり高級だった。
やはり、うん、この顔、間違いない
「先生、ドラムできますよね?」
悪魔が遠くをみる
「できないよ」
俺は真意につく
「先生ってインディーズ時代の〇〇バンドのドラムですよね?」
奏が一番に反応する
「え?!え?!なんで?!確かにインディーズ時代ドラム女性おったけど?!まじなん?!」
悪魔が話だす
「よう知ってたね。そう、確かにやってた、でももう辞めた。だから叩かない」
「違います。叩いてほしんじゃない。愛に教えてほしんです。基本を」
俺は愛を指差す。
「いやんそんな愛って呼び捨て♪」
今は静かにしてほしいパターンの時間や愛さん。
「、、、分かった。ただこいつは私の電子ドラムを壊した。まずはあたしの実家でバイトさせる。
空いてる時間ができたら部活以外でも見てやる」
悪魔の提案は最高の条件だった。
昔ネットにもでてた有名な話。悪魔の実家は楽器屋さん。
そこでバイトすれば
「、、、いやや、、」
愛が深刻な顔をする。どうした?何か複雑な事情が、、
「働きたくない!うちはまだ学生でエンジョイしt」
すいませんなんでもないです働きたいとおっしゃってます。奏と俺で口を塞いだ。
さあやることは決まった。今日の夜、ハルカと話し合う
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