始まりはロック
音楽
バンド
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幼稚園の頃の鼻歌は周りがアニメソング熱唱の中一人だけロックだった。
姉の影響なんだけど、周りと違って大人扱いされると思ってた。
それがこうして音楽が今も関わってくるとは思ってなかったんだけど。
友達が、家族が、どっかの誰かが一回でも声を褒めてくれたら、その時から人生が決まったんかもね。
そんなこんなでロック好きとして普通に育ったわけで。
中学生になる頃にはロック好きでバンド組んで文化祭とかで演奏して将来俺らで武道館目指そうぜって、、、
そう呼べるメンバーはおろか友達すらゼロ。
特に高校生になると好きも嫌いも関係ない。
周りが好きなものを好きにならないといけない。
嫌いなものを嫌いになる努力しなきゃいけない。
それが自分は無理だった。好きなものは好きで嫌いなものは嫌い。この小さい世界じゃ誰も相手にされないし話が合わない奴と話する気もない。
「またこのバンドのメンバー入れ替わったんや」
ちょっと大きい独り言だったかも知れない。
でも大丈夫。もちろん誰も聞いてない。
いや、聞いてないと思ってた。
「え!このバンド好きなん?!俺もすきやで!」
まさかだった。まさかクラスの中心人物に聞かれまさかのマイナーなバンドが好きなことが被ってしまった。
とっさに答える
「いや別に、、、」
関係無しに踏込んでくる
「嘘やん!プレイリストあるやろ見して!ほら!めっちゃある!」
勝手に携帯を奪う彼の自己紹介をするならモラルも何も無い、自分と真逆の男、三島 奏
一人幸せだった妄想のLiveセトリを見られ恥ずかしくなりその場から逃走。
「ほんまに最悪や、、」
つぶやいた瞬間にさらなる悲劇。
「めっちゃ走ってるやん!何かこの後あったっけ?!!!どこいきよん?」
はい、出ました。関わりたくない人二人目。
人生毎日ハッピーバースデーみたいな女のコ 玉井 愛
なんで今日はこんなに関わりたくない奴と、、、
その時遠くから奏の声がきこえる。
「おい!逃げんなよ!あのバンド好きなやつ初めてあったんよ!話しよやー!!!」
すかさず愛が声を張り上げる
「お前うるっさいねん!何?バンド?どうせミーハーやろしょうもない!」
こちらもすかさず奏が声をあげる
「は?!何ゆうてんねん!〇〇バンドの何がミーハーやねん!」
愛が驚いた顔を見せた後つぶやく
「え?あんたらあのバンド好きなん?!え!めっちゃ嬉しい初めてかもしれんヤバい!!」
こっちもある意味やばい。これ以上関わりたくない。さよなら。
静かにその場から気配を消して逃げよう。
「ちょいまち!!」
二人から止められる。なぜ。二人仲良くなってたのに。俺関係ないのに。
まあもちろん逃げますけど。俺は走って家に帰った。
帰った理由はもちろんあの場が嫌だっただけなのもあるが大事なお客様が来る、、いや、もう来てた。
「おいおせーよ!はやく合わせようぜ練習したんやろな?」
昔から唯一の友達、いや親友の五十嵐 ハルカ
もちろん男である。
「そっちこそ練習したん?前みたいにミスるなよ」
こっちも言い返す。
「ワン、ツー、スリー、エイ」
ハルカの適当なカウントにも合わせれるようなってきた。
演奏が終わり毎回のごとくハルカから言われるセリフがある。
「なあ、ボーカルやらんのん?」
はいはいまたその話。
「何回も言うけど俺はギター、お前はベース、これで後はボーカルとドラム集めて最高のバンドを作る!以上!」
ハルカには強気に出れるとこがまたダサい。
何かブツブツ言ってた気がするが無視して話かける。
「そいえばハルカの学校でボーカルとドラム、、」
途中まで喋って話を遮られる。
「いや、てかお前のとこどうなんだよ!!」
何か慌ててたがあえて深く聞かない。重い話だったら面倒やし。
「いないよ」
一言だけ。ハルカも残念そうにため息をつく。ため息つきたいのはこっちだ。
ハルカは俺が言うのも恥ずかしいがベースに関しては誰にも渡したくない程上手い。後はダメダメやけど。
何としてもバンドとして演奏しなくてはもったいない。
お互いの弱点は友達がいないことだ。
「学校に〇〇バンドが好きなやついないの?」
聞いてきた内容に嘘はつけない。
「いたよ、二人、二人ともクラスの中心みたいなやつ」
また二人してため息をつく。自分たちといる世界が違う人は結構です。
そのまま夜になりハルカを帰宅させた。両親は仕事で最近顔も見てない。夜には帰ってるみたいだがどうでもいい。
姉も結婚して家出てったし。
あ、そいえば明日もまたあの二人に絡まれるんかな、、、嫌やな、、でも、このバンド好きなんか、、、いや疲れてるもう寝よう、いつも通りの毎日を送ろう。
朝、いつもの学校、いつものクラスに入る
「おは!!!なんで昨日かえった!!」
「そうやで!待っとったのにかえってこんとわ!!」
いつもと違ったのは奏と愛という二人が近くにいること。
周りがヒソヒソしている。無理もなかろう。こんな自分にクラスの代表二人みたいなやつが絡んでくる光景が珍しいだろう。
自分がいざというときに溜めてた技を使う。そう、無視。
それでもしつこく絡んでくる。ちょっと泣きそうなときに朝のホームルームの音がなる。
「お、席つけよー」先生の声がありがたいと思った。サンキュー先生。ヒーローだよ先生。
「というかお前ら3人仲良いのはいいが早く部活決めろよ」
奏が口を開く
「あ、俺ら3人でバンドするから大丈夫っす!」
?????
「なに?新規で部活作るのか?それなら申請しとけよ」
?????
愛が重なるようにリアクションする
「え?バンド?!何それめっちゃおもろそうやん先生じゃそれで!」
全て撤回します。さよなら先生。今までありがとう。僕はもう学校にはこないよ。
「まあ顧問の先生とかの問題も出てくるから早めに申請しろよ」
申請しません。やらないので。
奏、愛「はーい!」
よし、今日は確か体調が悪くなると思う日なので授業終わっだらすぐ帰ろう。
奏が嬉しそうに話す
「いやー!めっちゃ楽しみになってきたな!実はおれギター最近やってんの!一人より皆でやる方が楽しいやん!」
ほら、自分とパートが被った。残念だ。残念でしょうが無いけどお互い別バンドで頑張ろうな。
愛もすかさず話を始める
「うちも兄貴のドラム借りて叩いてたから実はそこそこ上手いで!ドラムできる女モテるっていうやん!」
良かったなお二人とも。最高のパートナーが揃ったじゃないか。じゃあお互い別々の道でな。さよなら。
動こうとした瞬間、奏でから耳を疑う言葉を聞く
「お前はもちろんボーカルやろ?あー後はベースだけか〜」
は?
何を?なんでボーカル?ハルカも言ってたけどなんでそんなボーカルおすの?てか今まで人前で歌ったことないのになんで皆ボーカルおすの??
そんな顔してる時に奏が驚くべき発言。
「え?なんでそんな驚いとん?昨日帰るときに鼻歌で歌ってたやん!しかもめっちゃいい声!」
続けて愛が言う
「それ!それな!バチバチに歌ウマイやんか!ボーカルしかないって!」
なるほど分かった。俺今日で人生やめるわ。皆今までありがとな。来世はゴブリンにでも転生してチュートリアルでやられる役に全力をつくすわ
あー恥ずかしい。確かに小さい頃から鼻歌程度で歌ったりしてたけどまさか高校生でもやらかすとわ。
ま!それとこれは話が別なので!今日は帰ります!
「よし!じゃあさっそく申請しにいこうぜ!」
奏がやる気満々。いいよいいよ。頑張ってこいよじゃあな。
「リーダー何しとんはよいこや!」
俺の手を引っ張る愛。だめだ終わった高校3年間がこれで全て終わった。
いや、まてよ、そんな簡単に部活許すわけないやん。部費とかの関係も、そもそも顧問もおらんのに。
そう!そもそも部活として成り立たない!残念だ!また来年新1年生きたら君たちでバンド活動頑張っていけよ!
ある意味期待いっぱいで職員室へ。
「代表して言います!先生!バンドを部活として認めてください!」
奏が何故か自信満々に言う。まあもちろんむり、、、
「おけ!がんばれよ!」
、、、なんで?
「先生顧問になってやんす!」
愛がふざけた声を出す。
「あ、それは無理や他当たってくれ。ちなみに顧問おらんと活動できんからな。
他の先生皆部活担当してるから厳しいかもな。」
先生ありがとう。まともに授業聞いてなかったけど今度からちゃんと教科書もってくるね、大好きな先生。
「あ、でも音楽の先生あいてたかも。吹奏楽部がここの学校ないからなぜか。」
先生やっぱりさよなら。帰り道気をつけて。不吉な事がおこるかもね、てかおこす。
「ただ〜クセがすごいからな〜」
可能性の見えた言葉が聞こえた。
よし、今すぐ会いに行こう。そしてその先生のヤバさを二人に見てもらってこの話は終わりにしよう。
すかさず俺は二人を引っ張り音楽室へ向かう。
「お!なんややる気になったんか?!」
奏が喜びを爆発させる。
「やん、そんなレディーを引っ張るなんて男らしいのね♪」
こいつについてはどうでもいい。
さあついた出てこいモンスター。
、、、教室を見渡しても誰もいない。
つまり職場放棄するような先生ということだやばい先生だな今回の部活は諦めよう。
ヤバい先生認定を無理やり作って帰ろうとしたとき、
「なんかピアノの音聞こえん?しかもめっちゃキレイ」
愛がうっとりした表情を見せる。
確かに、、、素人には分からないが音で感動したのは初めてかもしれない。
「あっちから聞こえる!いってみよや!」
奏が隣のドアを勢いよくあける。
そこには天使のような姿が見えた。実際にいるはずない天使。おしとやかで肌も透き通るような、美しいと表現がふさわしい女性がピアノを弾いていた。
3人とも無言になる。そして演奏が終わる。感動して動けなくなった。その時
「てめぇら何勝手に入ってきとんじゃぼけぇおらぁ!!!」
あれ?天使が消えて悪魔がみえたよ?
「誰の許可とってきとんじゃなんの用事じゃおらぁ!」
、、、帰ろう。俺は一礼して教室を出ようとした。
「バンド活動するから顧問になってや先生!」
奏、どうした頭イカれたのか誰にお願いした?しかもタメ口。
「はぁ〜?!なめたこと抜かすな暇じゃないんじゃかえれぇ!!」
悪魔怒り倍増。
「まあまあそういわんとってやコイツもやりたいと言ってることやし頼むわ!」
愛が俺の手を引っ張って悪魔に生贄として差し出す。しかもタメ口。
悪魔がこちらを見て問いかける
「、、、お前はバンドしたいんか??そう見えんけどな」
そうです!やりたくないです!帰ります失礼しました、、、
そう言えば全て解決したのに、何故か言えなかった。
「俺はバンドがやりたいです」
バンドをから逃げてるように言われたのが何故か無性に腹がたった。
悪魔が笑う
「は!お前らええやんけ!!分かった!顧問になっちゃるわ!」
奏と愛が目を合わせて飛び跳ねた。
その瞬間俺は一人だけ崩れ落ちて膝をついた。
なんでこんなことに、、、
「とりあえずボーカルの歌唱力テストや!私のピアノに合わせて歌ってみぃ!なんでもええぞリクエストよこせ!」
悪魔がノッてきた。
「そんなん〇〇バンドや!この曲がええ!!」
奏が動画サイトでピアノの弾いてみたを見せる。
「楽勝やもう弾けるで誰から歌う?」悪魔すげー
「え?もうボーカルはコイツって決まってるで」
愛がまた悪魔に俺を差し出す。
「とりあえず皆の声を聞いてイメージしたいんや歌え全員!!」
悪魔の言う通りに動くしかない。
奏がトップバッターで熱唱する。
、、、、あれ?ここはどこ?そうか、、奏の声がグロすぎて死んだのか、、、ふっ、、ゴブリン、、か、、、
とっさに目を覚ます。愛は泣いていた。感動ではない。恐らく恐怖によるものだ。
悪魔は、、?!微動だにしていない!只者ではない!
「、、、、お、終わったのか?よし、次!」
あ、気絶してたなこの悪魔
「ほんなら次はうちやね!よう見ときデスボイス野郎!」
、、、、これは、、え?なんでこんなアニメ声?なんでそんな萌って感じ?普段と全然違うじゃ、、あ、だめだ悪魔が笑ってる。いや、笑いを堪えてる。肩がガクブルしてる。
愛が目を輝かせて歌を終えた。
「い、、いや、、よかっっぁぶふぅ!」
我慢できんよね。分かるよ。まあ頑張ったよ彼女も。だから笑わないで、ほら、もう少し泣いてる。
あ、奏の反応h
「あーひゃひゃー!!どっから声出しとん喉に合成ソフト入っとったでうっひょー!!」
この瞬間をもってこのバンドは解散します。なぜなら愛が見たことないグーパンチを奏に与えたから。
「ほんで?お前がボーカルか?はよ歌え」
あー嫌やな。でもピアノが上手くてどうしても歌いたくなってしまう。もうどうにでもなれ
、、、周りが静まり返った。下手だった?まあそれならそれでギターやらせてもらうけど。
あれ?愛がまた泣いてる。でもなんかリアルやな。
あれ?奏が笑ってる?いやてか驚きながら引いてる?
悪魔は?どこみてる?遠く見てるなんで?
「お、お、お前まじかよ!!なんで今まで黙ってたんだよ!
すげーよ!まじで、、やばいって、、」
奏がやっぱり引いてる。
「すごいよ。ほんとにすごい。なんてすごいんだ。」
愛が標準語にキャラ変更してる
「あんた、絶対バンドやめたらあかんよ」
悪魔が微笑む。
「おいおい、これもしかして俺等が武道館とか目指せちゃうんやないん?!」
「うちらが武道館Live?!なんそれ最高の話やん!」
奏と愛が放った一言が俺の心臓のもっと奥底に突き刺さる。
多分その場のノリで言ってる。そんなのは分かってる。
でもそれ以上になんだこの感覚。今まで生きた中で一番不思議な感覚。一緒に目指せる仲間がいる?だめだ、意味分からなすぎて体が震えてきた。
すると悪魔から質問がとぶ
「で、お前ら二人歌は失格やけど?何ができるん?タンバリン?楽器なんてできんやろ??」
「はあ?何いってんねん!俺のギターテクニック見したろか!」
奏が叫ぶ。だからタメ口をやめろ。
「うちのドラム回しみたらビビるでピアニストさん!」
一応先生。まあこの際どうでもいい。
確かに、二人が上手いなんてことはほぼないと思ってる。この二人のことだ、テクニックを見せびらかすに違いない。
ただ学校で誰も知られてないのだから恐らく初心者。あまり期待はしないでおこう。
「分かった。そしたら明日放課後、楽器もってここにこい。」
え?結局部活になるの?悪魔が顧問になるの??、、、てかこの悪魔どっかで見たことあるような気が、、まあそんなことはどうでもいい。
今一番良くないのは俺がボーカルとしての立ち位置になったことだ。明日断ろう。
「じゃあ俺は帰ってギターの何かしらの練習してくるからお前ら足手まといになるなよ!」
いかん、絶対下手だったのフラグしか立たずに帰りよった。
「じゃあうちも兄貴のドラム借りて練習しよ!明日バチだけもってくるよん!」
バチ?スティックのこと?そのレベル?え?武道館ってそれでいけるの?絶対無理やない?
不安そうな顔を見た悪魔が囁く
「てか、ベースは?」
何よりの問題が見つかった。ハルカをもちろん迎えいれたいが違う学校に通ってる。もちろんハルカ以外のベースは迎え入れる気はない。さあ、どうしたもんかいね。
青春
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