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007  光の騎士団

2/11 大きく改稿しました。

もし、前の方が良かった、こっちの方が面白いなど、ありましたら感想お願いいたします。

 ◇◇◇◇◇


 王宮で皇太子クラウスがヴェルナー対策会議をしていた、ちょうどその頃。

 ラインフェルデン皇国王都の一角で、別の会議が開かれていた。


 七人の者たちが険しい顔を付き合わせている。

 いや、七人というのは正確ではない。人族だけではないのだから。


 彼らは「光の騎士団」を名乗る秘密結社の最高幹部達だ。


「目障りなケイがいなくなった今がチャンスではあるのだが……」

「ケイには弟子がいるだろう? あいつが邪魔だ」

「あの弟子はクビにした」

「仕事がはやいな」

「ああ、こういう時のために、ゲラルド商会を通じて、学院長や魔導具学部長に金を握らせていたんだからな」


 幹部たちが順調に計画が進んでいることに邪悪な笑みを浮かべる。



 光の騎士団は、非合法な秘密結社である。

 だが、合法的な公然部門もしっかりと存在していた。


 それは「神光教団」という名の急成長中の新興宗教である。

 光の騎士団は、神光教団の秘密の最高指導部でもあるのだ。


 その「神光教団」には予言があった。予言の内容は、


『悪しき者たちが跳梁跋扈し、この世界は戦乱や災害、疫病によって覆われる。

 だが、心配してはいけない。

 近いうちに神の光が世の中を包み、信者は救われるのだ』


 その予言を実現させるため「光の騎士団」は、この世の中に戦乱を巻き起こそうとしていた。


 その目的のためには、凶悪な魔物とも手を結ぶし、井戸に毒をまくこともある。

 非常に危険な集団だった。


「ケイの指導下の研究室にて、開発中だった魔導具の全ては魔導具学部長が手に入れた」

「おお、これでケイの魔導具が、我らが手に入れられると言うものだな」


 幹部の一人が、ぽつりと言った。


「だが懸念点がある」

「なんのことだ」

「近年、ケイは魔導具を作っていないらしいという話を聞いた」

「それはないだろう? 実際に八年前の戦争で使われた爆弾が……」

「作ったのが誰かはわからぬ。だがケイではないらしい。確度の高い情報だ」


 そして幹部の一人がぽつりと言う。


「私は爆弾の開発者のことを『隠者』と呼んでいる」


 凄まじい魔導具を開発しているのに、名前が出てこない。

 ケイに近しいらしいことはわかっているが、正体が掴めない。


「ケイの弟子が作っていた可能性はないか?」

「それはない。弟子はまだ二十歳。爆弾が作られたとき、まだ十二歳の子供だぞ」

「そうだな。さすがにそれはあり得ぬか」

「ケイがどこに行ったかつかめていない以上、弟子を調べるしかなかろう」

「『隠者』に繋がる手がかりを手に入れるには、それしかないな」


 そして光の騎士団の者たちは、会議を続ける。


「隠者」の正体を探るため、ヴェルナーの動きを見張る。

 同時に、魔導具学部長の手によってケイ研究室の魔導具を完成させる。


 その二つを同時に実行することにした。



「隠者を自由にさせている限り、光の神の国は訪れぬであろう」


 光の騎士団の最高幹部たちは、隠者の正体を暴き、抹殺することに全力を尽くすことを決めた。


「神の国のために!」

「「「神の国のために!」」」


 高らかに宣言されて、会議は終わった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点]  王宮で皇太子クラウスがヴェルナー対策会議をしていた、ちょうどその頃。  ラインフェルデン皇国王都の一角で、別の会議が開かれていた。 ※皇国王都?  皇国って、皇国・帝国を含め…
[気になる点] 作者様 微妙に違和感なのですが 皇太子なら 皇国とヴェルナーの為に、 単純に 皇帝が設立する皇立魔道具開発局などに取り込む事を考えないのはおかしいのでは・・・
[一言] 大規模査察&粛清の嵐が学院に吹き荒れそうだねえ(目反らし
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