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16:00

今年は雪の日が続くなぁ。


かじかんだ手が痛む。

前ならこの手を温めてくれた君がいてくれたんだけどな。


今は自分で自分を温めないとやってけない。


自分のコートのポケットに手を入れて温める。


「寒いね。」


と言っても帰ってくる言葉もない。


また君に会える日が来るのかな?


寂しい気持ちと、寒さが私を襲って離そうとしてくれない。

そんな時はやっぱりあそこに行くしかない。


「いらっしゃいませ。」


「一人です。」


「お好きな席どうぞ。」


クリスマスなら賑わいそうなものなのに、

なんでこのカフェは空いているんだろう。


いつも君と来ていた時に座ったテーブル席に着く。

外の様子が見えて好きって言ってたね。


[May happiness come to everyone who listens.

皆さんこんばんわ。クリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]


うっすらとラジオが流れている。


「今日は何にしますか?」


「えーと…」


メニューを見ながら軽く考える。


「ハニーミルクのホットと…エビのサンドイッチ、ピクルス抜きでお願いします。」


「はい、かしこまりました。」


私の大好きなハニーミルクと

いつも君がここに来ると頼んでいたエビのサンドイッチ。


君がこの街から居なくなってから

寂しくなったら頼んでしまう。


多分私の気持ちが断ち切れないからなんだろうね。


[では、次の曲、再会。あなたに幸多からんことを。]


あ…

君に似た声の人が歌っている。


ダメだよ、反則だって。


「お待たせしました。ホットのハニーミルクと海老カツサンドの冬仕立てです。」


「ありがとうございます。」


店員さんの言葉そっちのけで曲を聞いてしまう。


ハニーミルクのマグカップで冷えた手を温めながら外を眺める。

もう薄暗くなってきた。

君と一緒にいるときは朝から夜は一瞬で過ぎたな。

夕方になったことも気づかなかったな。


私の手で少し冷めたハニーミルクをすする。

あったかい。

まろやかで甘いのはいつものこと。

美味しいな。


エビのサンドイッチを手に取り口に入れる。


「え…」


思わず声に出す。


いつもと違う。

ホワイトソースが追加されている。


そっか。

変わらずに残るものと、変わっていってしまうもの

どっちにしかなれないんだろうな。


私はずっと君のことを思って変われないまま。

君はきっと前に進み続けて私のことなんか忘れてしまってるんだろうな。


ポロっと涙が出る。

今まで我慢していたものが流れてしまう。


「大丈夫ですか!」


店員さんがティッシュをくれる。

どんだけ暇なんだろう。


「熱かったですか?水持ってきましょうか?」


「いえ、大丈夫です。美味しすぎてびっくりしただけです…。」


「そ、そうですか?よかったー。」


慌てた店員さんの様子が可愛くて思わず笑顔になる。


「あっ!よかった!久しぶりに笑顔になってくれて。」


「え…。」


「最近元気なさそうだったんで、勝手に心配してたんです。」


「ありがとうございます。」


「もし、お客様が良ければいつでも相談乗るので話しかけてください。」


「…ありがとうございます。」


店員さんはレジにいって他のお客さんの清算に行った。


そんなに元気なさそうだったのかな。

よし…いつどこでも君に会えた時に笑顔で迎えられるように頑張ろう。


私はここの街で頑張るよ。

君のこと応援してる。頑張ってね。

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