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「いい加減に寝なさい!」
「えー…サンタさんとお話したい…。」
目をこすりながらだいぶ夜中まで粘る息子。
「サンタさんは忙しいからお話出来ないと思うよ?」
「えー…サンタさん優しいからお話してくれるもん。」
「じゃあベッドで待ちましょう。いつもベッドの上にプレゼントあるでしょ?きっと部屋の窓から入ってるのよ。」
「そっか。じゃあベッド行く。」
妻がうまく息子を誘導し、寝かしつけようとする。
「ママ、ラジオ聞いてていい?」
「うるさいと寝れなくない?」
「だからサンタさん来るまで寝ないの。」
「もう…、わかったから布団で横になって待ってなさい。」
妻はキッチンに置いてあるラジオを取ってきて息子に渡す。
[May happiness come to everyone who listens.
皆さんこんばんわ。クリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]
「じゃあママたちは寝るからね。おやすみ。」
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
ラジオを手に持ちながらベッドに横になる息子を
横目で見ながら部屋を出る。
「どうしようかしら…。最近寝不足だと思ってたらサンタと話すために起きる特訓してるんだって今日知ったわ。」
「そうだったのか。うーん…。」
・
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[では、次の曲、ジングル・ベル・ロック。あなたに幸多からんことを。]
ラジオの音が子供部屋から聞こえる。
少しの隙間からオレンジ色の豆電球で照らされた部屋を覗く。
子供はラジオを持ったまま、寝ているのだろうか?
ここの場所だと何もわからない。
話しかけられる心の準備をして部屋の中にそっと入る。
この子は今年は、これだったな。
プレゼントを置こうとすると手紙が置いてある。
私宛だ。
中の内容は…
僕が寝ていたら起こして少しお話したいとのこと。
うーん、それはちょっとな。
気持ちよく寝ている子供を起こしたくはない。
…そうだ!
[パシャ…]
一度だけ明るいフラッシュをたき写真が浮き出るのを待つ。
ペンをちょっと借りて…
『また今度ゆっくり話そう!良いクリスマスを。
坊やの専属サンタクロースより』
サンタは秘密主義だから顔は見せてあげられないけどこれで満足してくれたいいな。




