19:00
「ママあとどのくらいー?」
「うーん、あと15分くらい待って来なかったら食べちゃおっか。」
「はーい。」
クリスマスの飾り付けも、ご馳走も完璧。
あとはピザのデリバリーとあなたが帰ってくるだけ。
朝、あなたから帰りは遅くなるといつものように言われたけどこんな日くらい一緒にいようと思ってくれないのかしら…。
まあ毎年忙しいのは知っていたけど、
一回くらい子供とクリスマスを過ごそうと思わないのかしら。
「はぁ…。」
ため息が出る。
「ママ、またため息。大丈夫?」
「大丈夫。ピザ遅いね。」
「うーん、みんなの家に届けてるのかな?」
「多分そうね。」
「なんかサンタさんみたいだね。」
「確かにそうね。身近に会えるサンタさんなのかもね。」
私は疲れているのか子供の話に乗る。
訳の分からないことを言い始めてしまったと自分でも感じた。
[May happiness come to everyone who listens.
皆さんこんばんわ。明日のクリスマスが終わるまでひとつまみの奇跡をお届けします。]
あ、準備中つけていたラジオ、消すの忘れたわ。
ま、いっか。
TVつけなくても過ごせていたからこのままつけておこう。
「パパ今日も遅い?」
また今年も言われる。
「ごめんね、遅くなるって言ってたわ。でもこれパパから預かったプレゼント。」
棚に隠してあった子供のプレゼントを渡す。
「やった!開けてもいい?」
「うん、いいわよ。」
子供は楽しそうにプレゼントを開ける。
これしか子供の気をそらすことができない。
ごめんね、あなたも寂しいわよね。
[では、次の曲、All I Want For Christmas Is You。あなたに幸多からんことを。]
クリスマスも定番の曲が流れる。
こんな明るい曲調を聞いても気分が盛り上がらないなんてダメね。
「この曲好き。ママ一緒ダンスしよ!」
と言って子供が私の手を取って踊り出す。
その様子を見て私からやっと笑顔が出る。
「いいわよ。」
英語はわからないので鼻で歌いながら
子供と一緒にリズムに乗ってダンスする。
ああ、これであなたがいたら最高なのにな。
[バババババ…]
外からバイクの音が聞こえる。
うちのピザが来たのかしら。
まあインターフォン鳴ったらダンスやめよ。
ノリノリの子供とまた楽しく踊る。
するとインターフォンが鳴った。
「あ、ピザかな?」
「一緒に出る!サンタさんに会う!」
と言って私の後ろについてきた。
はーいと言って玄関を開ける。
すると赤と白の服をきて、
ピザを持ってポインセチアを抱えた私の旦那が立っていた。
「ええ!本当にサンタさんきた!」
「ピザとお花届けにきたよ。」
「え?パパ?」
「うん、そう。」
笑いながらヒゲを下ろすあなた。
「ただいま。いつもごめんね。」
「ううん、お帰り。」
心の底からの笑顔が溢れた。




