影。
急速に縮まっていく華と太陽の距離。。
しかし、そこに邪魔者が。。
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四月初旬。桜は満開だ。
華と太陽が出会ってから、はやくも二週間がたとうとしていた。
「おはよ。」
華が太陽の前に現れる。
「おはよう。」
華と太陽は、毎日公園で会うようになっていた。
二人で汗をかくのが日課となりつつあった。
今日も二人で公園を走り始める。
華は、横にいる太陽をちらっと見て、
「太陽、競走ね!」
と、無邪気な笑顔をみせ、猛スピードで走っていった。
太陽はびっくりしながらも、
「おい!ずるいって!」
といいながら、追いかける。
華は、走るのが速い。
が、太陽も負けじと追いかける。
いつものベンチの手前で、太陽は華を追い越した。
「いぇーい!」
太陽はベンチに着くと、喜びながら華の方へ振り返った。
「俺の勝ち!」
そのとき、走っていた華がつまずいた。
「あっ!」
太陽はとっさに華を守ろうと、華を抱き寄せる。
二人同時に倒れこんだ。
太陽が華に覆いかぶさっている。
「華、大丈夫か?」
「うん。ごめん。」
「ん。」
太陽と華は、自分達の状況を理解し、見つめ合いながら、固まった。
吐息と胸の鼓動だけが二人に時間の経過を伝える。
太陽がはっと我にかえり、慌てて起き上がった。
「あっ!ごめん!」
華も、顔を真っ赤にして、起き上がる。
「ごめんね!怪我してない?私、どんくさいね(笑)」
「もう、びっくりした。」
二人が笑い合う。
重なる胸の鼓動はまだ大きく鳴り響いていた。
その様子を一人の男が動画で撮っていた。。
「へぇ。そういう感じなんだぁ。華ちゃんはおれだけのもんなのに。許さない。」
と、目を見開いて、狂気的に笑った。
翌日
太陽はいつもの時間に公園に着いた。
華はまだ来ていない。
一人でボールを触り始める。
すると、誰かが太陽にぶつかった。
「うわ!」
太陽が転び、ボールは転がっていった。
太陽はすぐさま起き上がるが、もうぶつかった人はいなくなっていた。
ボールは転がり続け、太陽から離れていく。
「最悪。。」
太陽はため息をつきながら、とぼとぼと歩きながら、ボールを拾いに向かった。
その後ろで、太陽のカバンをあさる男。
太陽の携帯を見つけると、操作しようとする。。
しかし、ロックが解除できない。
「おい!」
太陽がボールを持って、戻ってきた。
「なにしてんだよ!」
男は慌てて、太陽のスマホを投げ出し、走って逃げて行った。
太陽はすぐさま、スマホを拾い、男を追いかける。
それと入れ違いで華がやってきた。
ベンチには、太陽のカバンの中身が飛び出し、散乱している。
しかし、太陽の姿はない。
「なにこれ。。」
茫然として、立ちすくんでいると、太陽が走って戻ってきた。
「太陽!どうしたの。。これ」
太陽は息を切らしている。
「ああ、今、男にカバンの中、あさられてたんだ。多分、俺にわざとぶつかったんだと思う。
携帯見ようとしてたけど、解除できなかったみたい。ほら。」
太陽は、ロック画面にエラーが表示されているのを、華に見せた。
「なんでだろうね。でも、太陽が無事でよかった。」
「うん。華も気を付けてね。」
普段通り、走って、バレーをし終え、帰るときになった。
「今日、送ってくよ。朝の件もあったし。」
「ありがとう。」
二人は並んで歩く。
不安からか、沈黙が続く。
太陽は、沈黙を破ろうと、話始める。
「華ってさ、好きな人とかいるの??」
「好きな人?んー、秘密。」
華はすこし悲しそうにほほ笑んだ。
「秘密かよ。」
「太陽は?」
「俺は、、いないよ。」
太陽は、とっさに目線をそらしながら、言う。
「そっか。」
華が立ち止まる。
「ここでいいよ。ありがとう」
「あ、そう?じゃあ、気を付けろよ。また明日。」
「うん、また明日。ばいばい!」
華が笑顔で手を振り、角を曲がる。
「俺の好きな人は、、」
華の見えなくなった、道をぼーっと見ながら、呟く。
華は、角を曲がり、薄暗い一本道を歩く。
すると、電柱の影から華の前に男が現れた。
「華ちゃん、、」
「どちら様ですか?」
華は、眉をひそめて尋ねる。
「ひどくない?僕だよ。徹だよ?」
徹と名乗った男は、狂気的な目で華を見つめる。
「あの、、私、あなたのこと知らないんですけど。。人違いでは?」
徹は、華の言葉で笑顔を消した。
「華ちゃん、ひどくない?僕たちは愛し合ってるんだよ?あの男のせいでおかしくなったんじゃないの?」
徹は、華にゆっくり近づいでいく。
華は震えながら、後ずさりする。
「もしかして、朝のやつ、あなたが?」
「そうだよ~。あの男が華ちゃんに悪いことするから。ちょっと懲らしめてやろうと思ったんだけど、、
だめだったよ。ごめんね、でも、僕が守るから大丈夫だよ。」
徹はどんどん華を壁に追い詰めていく。
華は、恐怖で逃げ出すことができない。
「太陽、、助けて。。」
徹に追い詰められ、絶体絶命の華。。
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毎日投稿をすることにしました!夜八時です!
ではまた明日。
澪。